2022年07月26日20時38分掲載  無料記事
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アジア

ミャンマー軍政の民主活動家らの死刑執行に世界各国から非難 「人権と法の支配無視の暴力行為」

 ミャンマー軍政による民主活動家ら4人の死刑執行に対して、国際社会から非難の声が相次いでいる。米国、欧州連合(EU)、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、日本の外相は25日、共同声明を発表、「死刑執行は軍政が人権と法の支配を無視していることの更なる例証であり、非難されるべき暴力行為だ」としている。 
 国営紙の同日の報道によると、死刑が執行されたのは、アウンサンスーチ国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)の元議員でスーチー氏側近のピョーゼヤトー氏と著名な民主活動家のチョーミンユ氏ら4人。国軍が設置した軍事法廷が「テロ行為」に関わったとして今年1月に死刑判決を言い渡していた。 
 共同声明はさらに、不当に拘束されているすべての人々の解放、暴力ではなく対話を通じた平和の追求という東南アジア諸国連合(ASEAN)の合意の履行を軍政に強く求め、「我々は、自由と民主主義を切望するミャンマーの人々を支持する」としている。 
 米国のブリケン国務長官はこの声明とは別に、「死刑執行は民主主義の火を消そうとするあからさまな試みだが、そうした試みにもかかわらず、ビルマ(ミャンマー)の人びとの勇敢な精神が抑圧されることない」と述べた。 
 国連のグテレス事務総長は広報をつうじて、「いかなる状況においても」死刑には反対と強調。国連人権高等弁務官バチェレ氏は「残酷で、時代に逆行している」と非難した。 
 また約80人の在日ミャンマー人らが同日、都内の赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表部前で抗議集会を行い、「死刑が実行されたことを非難しろ!」とシュプレヒコールを上げ、国際社会に対して軍事政権への圧力強化を訴えた。 
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、軍政下の裁判で約100人が死刑を宣告され、収監されている。 


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