2022年08月01日22時13分掲載  無料記事
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アジア

ミャンマー国軍「非常事態宣言」を再延長 国民は「軍政打倒」の決意新たに

 ミャンマー国軍はクーデターから1年半にあたる7月31日、クーデター直後に発令した「非常事態宣言」をさらに6か月延長した。一方、多くの国民がこの日全土で、「軍独裁制を打倒するまで戦う」と誓いを新たにし、東京都内では民主派の国民統一政府(NUG)駐日代表事務所が開設された。Radio Free Asiaなどの報道をミャンマージャポンが伝えた。 
 国軍は2021年2月1日、アウンサンスーチー国家顧問兼外相らを拘束、彼女が率いる国民民主連盟(NLD)政権から権力を奪取した。国軍は非常事態宣言を出し、ミンアウンフライン総司令官に立法、司法、行政の国家権力が委譲された。国軍は彼を議長に軍幹部11人で構成する「連邦行政評議会」を設置、軍事政権を始動させた。 
 国軍はその1年後の2022年1月31日に非常事態宣言を6か月延長し、今回2回目となる延長を決定した。2008年憲法の規定により軍評議会による統治は2023年1月31日に終了し、その後6か月以内に総選挙が行われ、選挙に勝利した政党に政権が委譲される。 
 政治評論家は「次回の総選挙では国軍にとって都合の良い政党が勝利し、国軍関係者が大統領となるだろう。つまり、ミンアウンフライン総司令官が大統領になると予想される」とコメントした。 
 民主派勢力による国民統一政府(NUG)中央委員会は「2023年に総選挙を強行に実施しても政治的な問題解決にはならず、国内紛争をさらに長引かせる。違法なことや不正を助長するだけだ」と発表している。 
 また、東京都内に開設されたNUG駐日代表事務所で、駐日代表のソーバラテイン氏は「日本政府とNUGの架け橋として正しい情報を発信するとともに、外交政策を実施していきたい」と抱負を語った。 
 軍評議会による4人の死刑執行については「犯罪であり強く非難する」とし、またヤンゴンで日本人が拘束されたことについては「ミャンマーでは今、民主化運動やメディアが取材するだけで逮捕される異常な国だ。拘束された日本人は一日も早く解放して欲しいし、日本政府は毅然として対応して頂きたい」とコメントした。 
 挨拶に立ったミャンマーの民主化を支援する議員連盟会長の中川正春衆議院議員は「クーデター後のミャンマー情勢はさらに悪化しており、継続する日本政府のODAを調査する必要がある。また、国内避難民を対象としたクロスボーダーのスキームで人道支援を実施する予定だ」と述べた。 


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