2022年08月20日17時08分掲載  無料記事
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反戦・平和

日本が核攻撃をされても米軍が核で報復する可能性は少ない

  広島出身の岸田首相には日本国民が再び核兵器の被害にあうのを食い止める力量がないように見える。これは近い将来、中国と台湾あるいは中国と日本で戦争になった場合のことである。これは仮定すなわち想像に過ぎないが、もし中国軍が集団的自衛権で米国とともに戦っている日本を核攻撃した場合(沖縄、神奈川、山口、青森、東京など)、米軍が中国を報復で核攻撃するだろうか? 
 
  100%確かなことは言えない。とはいえ、米軍は中国に核兵器では報復しないのではないだろうか。というのは、中国本土を核攻撃してしまうと、間違いなく米本土も核攻撃を受けて全面核戦争になってしまうからだ。米国人の大半は死滅するし、中国人も大半が死滅するだろう。こういう選択を米政権がする可能性は少ないように見える。 
 
  米国の過去の戦争を見れば、2001年に同時多発テロ攻撃を受けたとはいえ、それ以外では戦闘は常に外国で行ってきた。最大の危機となったキューバ危機でも米国は全面核戦争に陥るのを回避した。これを考えれば、もしロシアがウクライナに核攻撃したとしても、米国はロシア本土を核攻撃する可能性は少ないように思われる。同様に考えて、日本の都市が核攻撃されても、米国は核による報復を留まるのではないだろうか。米国が核攻撃するのは米本土が攻撃されたか、あるいはその危険が迫った場合に限られるだろう。 
 
  このように仮説を進めてみると、岸田首相がこれから行うであろう米政権への無条件の追随は第二、第三の広島を作り出す可能性が高いし、それを防ぐ意思が欠落しているように見える。戦争になればウクライナのゼレンスキー大統領のように、たとえ国内がボロボロになっても、岸田首相は世界中から英雄と称えられる可能性もあるのだ。そのうえ、うまく立ち回ればノーベル平和賞が得られるかもしれない。岸田首相はかつてはリベラル派とか、ハト派、あるいは改憲反対派のイメージがあったが、それは全く異なっていた。岸田首相がなぜ変化したのかはわからないが、可能性として考えられることは権力はそれを手にした人間に強烈な幸福感を感じさせるということだ。これはおそらく麻薬のようなもので、一度味わうとどんな卑劣な行為を繰り返そうと、もはや理性を失ってしまうので、手放せなくなってしまうのだろう。 


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