2022年08月22日10時11分掲載  無料記事
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人類の当面する基本問題

(46)とんでもない無知が地球上の生物界を破壊しかねない 落合栄一郎

 地球温暖化問題は1980年代ぐらいから世界を支配し始めた。温暖化も寒冷化も地球の全歴史では、人類のいるなしに拘らず、起こってきたし、今後も起こり続ける。現在の温度変化は、中世の温暖期と大して違わない。ところが、この機会に何か大変なことを画策し始めた人たちがいて、こうした変化は人間のやっていることが原因であると主張し始めた。だから、人間のやっていることを変えなければならないと。 
 その根拠として都合が良かったのが、温室効果ガスなる観念であった。科学的には、確かに温室効果なる現象はありうる。問題は、その温室効果がCO2などの大気中の物質により、それが現在人為的に増えていて、そのために、温暖化が進んでいる、そのために地球環境が破壊される危機に瀕していると、喧伝し、人々を、CO2=悪魔などの意識を植えつけてしまったことである。これを主張する側は、さらに窒素を含む化合物(N)も危ないなどとも主張、いや気候変動=人為なることを信じ込まされた人たちは、思いこんでしまったようである。今、この件で、大きな問題になっているのがオランダで、政府は、2030年までに温室効果ガス削減を実現するために、N-化合物(温室効果があると)を作り出す農業を、大幅に減らす(11,200農場を閉鎖)という施策を発表し、農民と市民による大反発/大デモが繰り返されている(注1など)。アイルランドでも、N排出を抑えるために、牧畜業を20%ほど減らすそうである(注2)。 
 地球上の生物は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素 (N)、硫黄(S)、燐(P)を主体とする化合物できており、その他の30種ほどの元素(特にナトリウム、カリウム、鉄、亜鉛など)も必要とされている。この事実からして、「脱炭素」施策などということは、とんでもないことなのである。炭素がなければ、生物は存在しえない。しかし、世界中で、多くの人たち(政治家なども)が、こうした施策が人類生存にとって不可欠と思い込まされてしまっているようである。とんでもないことが起こりつつあるようである。こういう考えを人類の多数に押し付けようとしている人たちがいるらしい。そして、そのように洗脳された多数は炭素排出削減などをどうしたら実現できるか、混乱に陥れられているのみである。そうした混乱を引き起こして何を画策しているのか。 
 なお、現実に起きている酷暑、大雨量、その反対の旱魃などの異常気象は、どうして起きているのか、これは別問題である。なお、「気候変動と原発」なるPPT(注3)もご参照のほどを。 
 
(注1)https://petersweden.substack.com/p/dutch-farmers-11200 
(注2)https://www.climate.news/2022-08-11-ireland-culling-cows-to-fight-climate-change.html 
(注3)http://vsa9.blogspot.com/2022/07/2022.html 


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