2022年09月10日14時22分掲載  無料記事
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農と食

東アジアは農薬のホットスポット 日本はトップ5

 日本の農薬使用量は世界一とよく言われる。事実どうなのか。国連食糧農業機関(FAO)が公開している統計データベースから、世界各国の2017年の耕地単位面積当たりの農薬使用量を算出したところ、日本はヘクタール当たり11.76Kgで台湾、中国、イスラエル、韓国に次いで世界5位に位置していた。イスラエルを除けば4か国とも東アジアであり、東アジアが農薬使用のホットスポットだった。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 FAOが公開している農薬使用量と農地面積の最新のデータ(2017年)より、耕地単位面積当たりの農薬使用量を算出した。比較した国は、OECD加盟国とG20、TPP11加盟国に台湾を加えた。また、除草剤など用途別使用量が分る場合は表中に記載した。 
 
 図表は、国連食糧農業機関(FAO)の公開している統計データベース(FAOSTAT)のデータから単位農地面積当たりの農薬使用量を算出したものです。それによると、東アジア4か国の単位面積当たりの農薬使用量が世界でもトップレベルにあり、農薬のホットスポットを形成している状況わかります。 
 
≪計算方法≫------------ 
 
 国連食糧農業機関(FAO)の公開している統計データベース(FAOSTAT)より、農薬使用量と農地のデータを使い、単位面積当たりの農薬使用量[Kg/ha]を算出する。データは該当ページの右側のリンクより Bulk Downloads の All Data をダウンロードして使用する。2022年9月現在、2020年が最新である。 
 
 データは、FAOSTAT の Land, Inputs and Sustainability よりダウンロードする。 
 ・FAOSTAT DATA 
  https://www.fao.org/faostat/en/#data 
 
1.ダウンロードするデータ 
1)農地 
   Land Use 
   https://www.fao.org/faostat/en/#data/RL 
 
2)農薬使用量 
  Pesticides Use 
  https://www.fao.org/faostat/en/#data/RP 
 
3)農薬指標 
   Pesticides indicators 
   https://www.fao.org/faostat/en/#data/EP 
 
2.分析 
1)農薬使用量と農地データから単位面積当たりの使用量を算出する。 
注1:農地のデータは利用可能耕地面積(Arable land)を使用 
注2:この農薬使用量のデータは、農薬分類別(除草剤、殺虫剤、 
殺菌剤、その他)の年間使用量がセットされていて、単位面積当たりの農薬使用量が算出可能。但し、国によっては農薬で一括されていて不可能な場合がある。 
 
2)農薬指標(Pesticides indicators)を使用 
サブデータ項目のうちUse per area of croplandを使用する。 
  注3:単位面積当たりの農薬使用量のみであり、農薬分類別のデータは利用できない。 
 
 FAOSTATのデータは各国政府機関等から集めた調査結果や、FAOが独自に収集・推計した情報によって作成されている。 
(参考)FAOSTAT利用マニュアル 
・国際農林業協働協会, 2016-6-16 
   https://www.jaicaf.or.jp/fileadmin/_fileadmin_old_/user_upload/Statistics/faostat_manual_4.3.pdf 


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