2022年09月20日19時22分掲載  無料記事
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ナンテール大の哲学者パトリス・マニグリエ氏が構造主義哲学の国際ゼミを立ち上げ参加者を募る

  新型コロナのおかげで、大学等で遠隔の講義や会議が普通に行われるようになりましたが、その流れで学びと研究活動もますます国境を越えた広がりを見せています。今回ご紹介するのは、パリ第10大学にあたるナンテール大学の哲学者、パトリス・マニグリエ(Patrice Maniglier)氏が主導する構造主義の国際ゼミです。今夜日本時間22時(フランス時間では17時)に第一回目が行われ、以後、月1回くらいのペースで発信していくとのこと。※一度、ZOOMの中継はないと書いてしまいましたが、先ほど筆者にZOOMのリンクが届きましたのでZOOMで視聴できそうです。初めてなもので、情報が混乱したことをお詫びします。 
 
  マニグリエ氏は来日講演したこともありますが、アカデミーにおける専門分野は構造主義哲学の歴史研究です。その方面の著作もあります。筆者は構造主義は今の時代に日本でもう一度学ばれる意味があると考え、何より自身が老骨に鞭打ちながら学習しています。構造主義哲学は言語学から始まった文化の基盤にある「構造」を研究する哲学・社会科学であり、私たちの無意識の中に潜む思考の構造を解明するものでもあります。実は、私自身、こういう説明が正しいのかどうか門外漢のため正直わかりません。 
 
   マニグリエ氏とは「立ち上がる夜」( Nuitdebout : 2016年)というパリで始まった市民運動に参加していました。彼は民主主義の危機〜国会の機能不全と政党や労組の機能不全による危機感からその市民運動に参加したのでした。哲学者でありながら、象牙の塔にこもることなく政治・経済のリアルな動きをよく理解し、その先行きを鋭く洞察している現代フランスの知識人です。パリの共和国広場における「立ち上がる夜」では〜自由に集まった市民の議論の場だった〜教育のあり方も議論されたものでした。 
 
  連名で呼びかけているジァンヌ・エトレーン(Jeanne Etelain)氏は、ニューヨーク大学大学院に在籍して、フランスの思想哲学文化を専攻している女性の研究者です。経歴を見ると、フランスではナンテール大学で哲学を専攻したとのこと。 
https://as.nyu.edu/departments/french/people/meet-our-graduate-students/jeanne-etelain.html 
 
  以下は登録用のサイトです。ここに当座のスケジュールなども書かれています。 
https://framalistes.org/sympa/subscribe/spehps-maniglier?fbclid=IwAR1n68wqZUo9fg1-RiTkc_iGgTZj_p4-_GRYw8JV9EJjdOnOBSgHNePq7WM 
 ゼミはパリの以下の場所で行われる予定ですが、時々で変更する場合もあるとのこと。 
Institut National d’Histoire de l’Art 
Galerie Vivienne 
Salle 528 
1回3時間が基本のようです。 
 
 
※パトリス・マニグリエ氏の最近のYouTube動画(最新刊の著書「哲学者、地球、ウイルス」に関する講演で、ここで言及される哲学者はマニグリエ氏が尊敬しているブルーノ・ラトゥールです) 
https://www.youtube.com/watch?v=UmK3wHc_nFU 


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