2022年09月24日21時26分掲載  無料記事
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農と食

英国産ハチミツ加工品からグリホサートを検出

 厚労省は9月16日付けで、英国産ハチミツ加工品から残留基準値(0.05ppm)を超える 0.23ppmのグリホサートをモニタリング検査で検出し、全量廃棄ないしは積み戻し等を指示したと発表した。英国産ハチミツ製品からは初めての検出となる。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 公表データでは、製造者はメルローズ&モーガンで、輸入業者は(株)SEAコーポレーションとなっている。確定ではないが、メルローズ&モーガンは、日本にも販売拠点を設け、輸入業務はSEAコーポレーションが行っている模様(今回のグリホサート検出についてHPでは何も触れていない)。HPによれば、メルローズ&モーガンは通販も行っていて、販売品の中に、今回残留基準値を超えたハチミツ加工品(ENGLISH HONEY)と思われる製品もリストされている。その製品説明によれば、《ヨークシャーのソラマメの花やシロツメクサなど、野原や生け垣の花を採餌するミツバチによって作られた、純粋で自然で美味しい英国の野生の花のハチミツ》だとしている。 
 
・MELROSE & MORGAN LTD 
https://melroseandmorgan.jp/ 
ENGLISH HONEY 
https://melroseandmorgan.com/collections/jams-and-preserves/products/english-honey 
 
 欧州連合を離脱した英国の残留基準値は、EUが2020年12月31日以前に規定した残留基準値を有効としている。EUのハチミツのグリホサート残留基準値は、日本の現行残留基準値を同じ0.05ppmとなっている。 
 
・GOV.UK 
Maximum Residues Limits (MRL) 
https://www.gov.uk/guidance/maximum-residues-limits-mrl 
 
・European Commission 
Search Pesticide Residues 
https://ec.europa.eu/food/plant/pesticides/eu-pesticides-database/mrls/?event=details&pest_res_ids=120&product_ids=&v=1&e=search.pr 
 
 2020年〜21年にかけて、ニュージーランドやアルゼンチン、カナダから輸入したハチミツから残留グリホサートが検出され、週刊新潮が連続して記事にしたことで大きな問題となった。この残留グリホサートの検出を受けて厚労省は2021年、それまではハチミツには0.01ppmの一律基準値が適用されていたが、残留基準値を0.05ppmに設定し、実質的に緩和した。 
 
 2019年以降のハチミツの残留グリホサートに関する動きについては以下にまとめた。 
・■ハチミツの残留グリホサート 
http://organic-newsclip.info/nouyaku/honey_glyphosate_2019-2022.pdf 


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