2022年10月27日22時38分掲載  無料記事
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政治

政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その3 政敵を皆殺し(推定75万人超)にしたスターリン

  ソ連のスターリンの日常を描いた英語のドキュメンタリー「独裁者の1日 ヨシフ・スターリン」スターリンの遺族などが登場して、独裁者の人間性を論じています。ナレーションは、政敵は全員抹殺したと語りますが、戦慄そのものです。しかも、自殺した妻や死んだ妻の家族までシベリアに送ったり、次々と抹殺しています。 
https://www.youtube.com/watch?v=S6nqKu6heAs 
  独裁者は政敵を次々と粛正して、絶対権力を作り出しますが、そのプロセスが一定以上に進行してしまうと、誰にも止められなくなってしまうのでしょう。現代にも独裁者が数人存在します。安倍政権は一歩一歩独裁制に近づいていました。日本国憲法があったために、ヒトラーやスターリンほどの独裁者への一線を越えることはできなかったのです。しかし、危険な兆候はいくつも出ていました。内閣法制局を握り、最高裁判事に思想的に近い判事を送り、NHKには右翼の会長や経営委員長を送り込んで掌握し、三権分立や報道の自由をゆがめ、警察官僚を側近にした、戦後の日本で最も真正の独裁者に近づいた政治家でした。そして官僚たちの中には統計をごまかしたり、公文書を改竄したりする者すら出てきました。 
 
  このスターリンのドキュメンタリーでは、大粛清を行っていた1938年の一日を描いていますが、スターリンは森の中の大きな別荘に一人住み、自由に部屋に出入りが許されていたのは家政婦だけで、美しく、読み書きができず、従順な彼女はスターリンの愛人でもあったと語られます。別荘の周辺には警備兵が300人いたとされます。スターリンも1日でスターリンになったわけではなく、政敵を一人また一人とつぶして権力を誰も手の届かない絶対権力に膨らませていきました。私は第二次安倍政権の当初から安倍氏の政治は日本をソ連化すると書いてきましたが、実際に近づいていました。 
 
 
※大粛清 Great Terror (1936-1938 ) 
https://www.history.com/topics/russia/great-purge 
 総死者の推定値は様々ですが、ここでは少なくとも75万人が処刑され、その他多くの人々がシベリアに送られたとされます。先述のドキュメンタリーでは、1938年のスターリンの1日を描いていますが、毎晩徹夜で一人別荘で、次回の処刑者のリストを作成している様子が描かれています。 


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