2022年11月10日12時42分掲載  無料記事
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占領の真実が問う、兵士か、人間か 映画「愛国の告白─沈黙を破る・Part2」が11月19日から劇場公開

 占領地で戦争の真実を見た兵士は、いかに行動すべきか。長年パレスチナ問題を追ってきた土井敏邦監督が、元イスラエル将兵たちの苦悩と決断を描いた映画「愛国の告白─沈黙を破る・Part2」が11月19日から新宿K’sinemaを皮切りに、全国で順次公開される。彼らの苦悩はパレスチナ・イスラエルだけに限られたものではない。ウクライナに侵略したロシア兵、イラクに侵略した米兵、かつてアジア各地を侵略した日本軍に通底する問題を提起する。 
 
映画のサイトは以下。 
http://doi-toshikuni.net/j/aikoku/ 
 
 占領地で兵役に就いた元イスラエル軍将兵たちは、“占領”によってモラル(道徳、倫理)を失ってしまうという危機感を抱き、2004年にNGO「沈黙を破る」を立ち上げた。 
 土井監督は“占領”の実態と自らの体験を語る元将兵たちの証言を土台に、2001年以降、約20年にわたって、パレスチナのパレスチナのヨルダン川西岸、ガザ地区で撮影・記録を続けてきた映像を織り交ぜながら、3年がかりで作品を編集した。 
 土井監督は、この映画は、「遠い“パレスチナ・イスラエル”の映画」ではありません、と言う。 
 現在も世界各地で繰り返されている侵略戦争で、兵士たちがなぜ残虐行為に走ってしまうのか――。その深層心理を探る一つの手掛かりを暗示している。 
 またNGO「沈黙を破る」の若者たちが、「自国の加害と真摯に向き合い、それを告発し、是正しようとする」ことは、「祖国への裏切り」なのか。「愛国とは何か」という問いも投げかけている。 


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