2022年11月13日12時06分掲載  無料記事
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国際

ネバダ州の上院議員選挙で民主党候補に当確 米民主党が上院での優位を確実に

  レッドウェイブ(共和党の波)が今年の中間選挙を襲う、という前振れの米選挙だったが、最終的に米民主党が上院で50人目の当確を出した。上院は100人の議員で構成され、民主党は50人を確保したことになる。議長はカマラ・ハリス(副大統領)であるため、その1票が加算されればすでに51票となり、優位を持つこととなる。 
 
 ロイターの記事<Democrats clinch control of U.S. Senate with win in Nevada :Democrats will stay in control of the U.S. Senate next year after Democratic U.S. Senator Catherine Cortez Masto won re-election in Nevada, Edison Research projected on Saturday, handing a major victory to President Joe Biden.> 
https://www.reuters.com/world/us/democrats-await-nevada-election-result-that-could-seal-their-us-senate-majority-2022-11-12/ 
 
  ネバダ州の上院議員を民主党が得れば、上院での優位を民主党が維持するとの記事だが、先ほど、当確が発表されたばかり。 
 
CBSの速報<BREAKING: Democrats retain control of the Senate with Democratic Sen. Catherine Cortez Masto's projected win in Nevada.> 
 
  一方、下院議員選挙でも民主党が追い上げ、共和党が多数を取ったとしても僅差にとどまりそうだ。 
 
  通常、中間選挙は米大統領を頂く与党に対する批判票を受けることから、野党に有利に働くのが一般だが、今回バイデン大統領と民主党が例年になく強かった。その理由はこれから分析記事が出るだろうが、おそらく1つ確実に共和党に不利に働いたのが、中絶の権利は米連邦憲法では認められていないと今年6月に最高裁が判決を出したことだろう。「73年判決で最高裁は、国家から個人の行動が制約を受けないプライバシー権に、中絶を選ぶかどうかの選択が含まれると判断。胎児が子宮外で生存できるようになるまでは中絶は認められるとした。現在の医療水準で、その基準は「妊娠22〜24週ごろよりも前」とされている」(朝日 6月26日)結局、個々の州ごとに中絶の基準が判断されることになったために、共和党の保守派の強い州では中絶することができなくなる人も多数出ることになる。 
 
  米最高裁判事のうち6人(全員で9人)が共和党に近い保守派であり、三権分立の1つを共和党が支配している状態にある。この中絶への権利を覆した法案は強い反対を受けている。そのため、バーニー・サンダース上院議員らは、中間選挙で民主党が勝利すれば、最高裁にひっくりかえされないように連邦憲法でcodify(憲法や法律に明確な文章で記すこと)すればよい、と語っていた。この最高裁の共和党支配が中間選挙での傾向を覆す大きな要因となったと想像される。今後、米民主党議員たちは共和党の中の民主党に近いリベラル派議員と超党派を組んで、中絶の権利を明記すべく憲法改正の動きを起こす可能性があるし、それがなければ2024年の大統領選でしっぺ返しを受けるだろう。 
 
  今回の中間選挙での敗因がトランプ大統領が強引に進めた最高裁判事の保守化にあると分析されれば、2024年の共和党候補選出でフロリダ州知事のロン・デサンティスへの期待が共和党で強まる可能性がある。 
 
 
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