2022年12月04日07時41分掲載  無料記事
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国際

「46年間西サハラ支援を続けるEUCOCO」【西サハラ最新情報】 平田伊都子

 師走になると、恒例になっているEUCOCO開催のお報せが、西サハラ難民キャンプのネットを賑わせます。 EUCOCOとは<西サハラ人民を支援し連帯する欧州会議>のことで、ヨーロッパ最大の西サハラ支援NGO団体と言われています。 
 EUCOCOは1975年に創設されたとホームページに紹介されているから、西サハラ難民発生以来、西サハラを支援してきたことになります。 
 
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 EUCOCO(ヨーロッパ西サハラ支援NGO団体)は1年に一回、派手なお祭りをやる、西サハラ支援の民間団体だ。が、植民地宗主国だったヨーロッパは、西サハラを植民地認知せず、その責任も取らず、SADR(西サハラ・アラブ民主共和国)も承認していない。一方、SADR(西サハラ・アラブ民主共和国)を承認しているアフリカ諸国は、全面的に西サハラの独立運動を支持し、物心両面で助けている。 
 アフリカ南西部にあるナミビア共和国は、1990年に南アフリカ白人統治から独立し、すぐにSADR(西サハラ。アラブ民主共和国)を国家承認した。ナミビアは複数政党制で、SWAPO(南西アフリカ人民機構)が独立以来政権を握っている。そのSWAPO(南西アフリカ人民機構)の全国大会が首都のウィントフックで11月24日から28日にかけて開催され、国賓としてSADR(西サハラ・アラブ民主共和国)の代表団が正式招待された。代表団長はブラヒム・ガリ大統領を代行して、来日したことがあるムハンマド・ベイサット南アフリカ大使が務めた。 
 トルコはSADRを国家承認していないが、植民地主義に反対するトルコ愛国党は党大会に、UGTSARIO(SADRの労働局)を招待した。サラマ・バシールUGTSARIO(SADRの労働局)書記局長がブラヒム・ガリ西サハラ大統領を代行して、トルコの首都アンカラで11月26日から28日にかけて開催されていたトルコ愛国党大会に参加した。 
 
SADR西サハラ・アラブ民主共和国大統領のメッセージ: 
 ブラヒム・ガリSADR(西サハラ・アラブ民主共和国難)難民大統領は、ポリサリオ戦線難民軍の事務総長も兼ねている。各国の首脳が自国軍の最高指揮官を兼ねているのと、似ている。が、ポリサリオ戦線という独立闘争組織は1973年に、建国より先に創設された。そのポリサリオが指導して1976年に建国したのがSADR(西サハラ・アラブ民主共和国難)で、国連は紛争両当事者として、<モロッコとポリサリオ戦線>と表記している。 
 西サハラ国家指導者の表記は、<ブラヒム・ガリ共和国大統領 ポリサリオ戦線事務総長>となっている。2022年11月28日の声明もこの名前から始まった。その中でガリ大統領は、「西サハラの政治的地位は明確に、数々の国連決議に基づく脱植民地化地域だ。その解決策は紛うことなく,他の人々と同様に、他の脱植民地を目指す人々と同様に、独立と民族自決権を行使できるレファレンダム国連人民投票につきる」と、国連が1991年からほったらかしにしている人民投票の実施を強く訴えた。 
 ガリ難民大統領は、戦闘服も悪くないが、背広やダラーと呼ばれる西サハラの男性用民族衣装が似合う。だら~とした風通しの良いダラーは、<砂漠の民>独特の衣装で、<山岳の民>モロッコの民族衣装ではない。西サハラと長い国境線で隣接するモーリタニアもその大部分が砂漠で、西サハラと同じダラーを着ている。甘茶を楽しむ習慣も同じで、西サハラの人々とモーリタニアの人々は、お愛想じゃなく相手を<アヒー(私の兄貴)>とか<オフティ―(私の姉貴)>と呼ぶ。 
 モーリタニアは1984年2月2日にSADR(サハラ。アラブ民主共和国)を国家承認している。 
 1960年11月28日、モーリタニアはフランスから独立した。その独立記念日に今年も、ブラヒム・ガリ共和国大統領 ポリサリオ戦線事務総長はモハメド・ウルド・ガズワニ・モーリタニア大統領に宛ててお祝いのメッセージを送った。ガリ大統領は、「62周年独立記念日を迎えて、モーリタニア・イスラム共和国と西サハラ・アラブ民主共和国間の兄弟愛が、ますます高揚していることを改めて実感している」と、冒頭で語った。 
 さらに大統領は、「我々は夫々、植民地宗主国の迫害と辛い闘争を経験してきた」と呼びかけ、「両国民の苦渋の歴史が、両国民の持つ共通の文化習慣に折り重なって、同郷愛を強固にしているのは、疑いの余地がない。今一度、両国民の兄弟愛を誓い、国際法に則って民族自決権闘争を続けている、独立途上の兄弟の強い決意をお示しして、モーリタニアの独立を祝う言葉に変えたい」と、祝辞を締めくくった。 
 
西サハラを支援して46年間のEUCOCO: 
 第46回EUCOCO(西サハラ人民を支援し連帯するNGOヨーロッパ会議)が、今年は12月2日と3日にドイツのベルリンで開催された。1975年の西サハラ難民発生時に第一回会議があり、以来、毎年ヨーロッパのどこかで開かれている。ピエール・ガラン氏が、一年に一回のこの会議を、今年も主催している。 
 主催者発表によると、参加者はヨーロッパのみならず世界中の政治家、識者、NGOなどなどで、勿論、西サハラ難民政府の要人やモロッコ占領地・西サハラの被占領民も駆けつける。以下は、2022年EUCOCOの式次第概要だ。 
 12月2日11時から準備作業が始まり、15時半に入場受付が終わる。 
 16時に開会式が始まる。ドイツ代表、EUCOCO議長、西サハラ支援EU議員連盟、西サハラ大統領、モーリタニアとアルジェリアの代表などの挨拶が続く。17時半から18時まで、コーヒーブレイク。18時から21時まで分科会の紹介と夫々のテーマを発表し、21時に第一日目を閉会する。 
 12月3日9時半から分科会が開催される。分科会は、政策と情報、人権、天然資源、西サハラ国家の確立の4部門に分かれていて、11時から15分間のコーヒーブレイクがあるものの、13時まで作業が続けられる。昼食。15時から分科会の報告文案と大会宣言原案があがってくる。 
 17時半から閉会式が始まる。モロッコ占領地・西サハラからの声明、大会に送られてきた連帯声明、分科会の最終報告が読み上げられる。西サハラ人民との連帯運動で犠牲になった活動家たちを追悼し、大会宣言が発表される。 
 20時から晩餐会。 
 定番の大会を企画した、EUCOCO議長のピエール・ガランとは? 
ピエール・ガランは1940年7月28日、ベルギーで生まれた。種々の研究所で教鞭を取りながら、ベルギー社会党に属し、社会活動を続けている。パレスチナ、中央アフリカ、中南米、西サハラなど、紛争地に関するオピニオンリーダーと称されている。 
 
 2022年EUCOCOの名誉ゲストは、「東ティモール独立運動の象徴で初代大統領のカイ・ララ・シャナナ・グスマン氏、現在の東ティモール再建国民会議初代党首です。 グスマン氏は教師だった両親の元に、1946年6月20日、東テイモールで生まれましたが、高校を中退し、夜間学校で勉強を続けジャーナリストになり、東ティモールの独立を目指す団体に参加し、2002年5月20日、ついに占領国インドネシアから独立を勝ち取りました。 
ドラマになる革命家です。 
 
 
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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2022年12月4日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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