2022年12月09日17時53分掲載  無料記事
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アジア

「スーチー氏のメッセージは民主化革命の力に」ミャンマーNUG閣僚が声明

 ミャンマーの民主派勢力が結成した国民統一政府(NUG)のゾーウェイソー保健・教育相は、アウンサンスーチー国家顧問が託したメッセージは民主化革命の力になるとの声明を発表した。メッセージは「民主主義を取り戻すために闘っている国民を誇りに思う」というもので、先日釈放されたスーチー氏の元経済顧問でオーストラリア人のショーン・ターネル氏を通じてNUGに伝えられたという。ミャンマージャポンが9日報じた。 
 ゾーウェイソー氏は「我々の活動は(スーチー氏が主張する非暴力による)平和的なデモから武力闘争に変容した。スーチー氏は我々の民主化革命運動を支持してくれていると解釈している。彼女のメッセージは我々の革命を成功させるための原動力になる」とコメントした。 
 ターネル氏はスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)政権の経済顧問だったが、昨年2月の国軍クーデタ直後に拘束され、今年9月には国家機密関連法違反で禁錮3年が言い渡された。11月17日に日本人ジャーナリストの久保田徹さんを含む約6000人とともに恩赦により解放された。 
 ターネル氏は帰国後、最大都市ヤンゴンのインセイン刑務所での獄中生活やスーチー氏の近況などについて豪州メディアに語った。それによると、氏は尋問中には足かせがされ、拷問を受けた収容者の悲鳴が聞こえることもあったという。 
 また、首都ネピドーの独房に収監されているスーチー氏の近況について次のように語った。 
・スーチー氏が収監されている独房は周辺に樹木がなく、建物は炎天下にさらされ非常に暑い。 
・独房がある施設にはゴキブリや蚊が多く、雨季には雨漏りが発生する。 
・周囲には携帯電話の妨害電波を出すタワーが12本設置されている。 
・スーチー氏には国営新聞だけが届けられており、ロシアのウクライナ侵攻や英国の首相が交代したことなどに興味を持っている。 
・ターネル氏が手段を講じ、英語で書かれた本を届けていた。 
・スーチー氏は、国民統一政府(NUG)や国民統一顧問評議会(NUCC)、国民防衛隊(PDF)などの活動について、ある程度は理解している。 
・スーチー氏は拘束されていても、精神的に強くしっかり保っている。 


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