2022年12月24日10時25分掲載  無料記事
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コラム

軍事大国化した場合の軍事力が日本国民に向けられる可能性もある クーデターの可能性

  昨年の自民党総裁選に臨んだ岸田首相は、自民党内のハト派でリベラル派だと一般には思われており、多くの人はこれで安倍首相時代の強権的な政治から解放されたと安堵したはずだった。ところが、岸田首相は安倍首相の魂が乗り移ったように、表層は穏やかだがやっていることは強硬かつタカ派で、防衛予算倍増やミサイルの大量購入など、戦後、最も戦争に近づいている首相となった。広島出身とうたっているものの、もはや「二度とヒロシマを起こさないために核武装を」といつ言い出してもおかしくないように私には感じられる。 
 
  こうした軍事大国化は仮想敵国を想定して行われるのが建前だが、忘れてはならないのは、強大な軍事力が権威主義政権や独裁政権と結びつくと、その軍事力が国内における民主主義抑圧の最大の装置となって国民の民主化運動に対する「抑止力」へと転じることの方がはるかに大きなリスクであることだ。中国、北朝鮮、ロシアなどを見ると、これらの政権は強大な軍事力に核兵器まで保有したことで、内部の反乱を防止できるだけでなく、外国からの軍事介入も難しくなった。そのため、権威主義政権あるいは独裁政権は国民を軍事力で支配することに成功すれば、ほぼ半永久的に独裁政権が維持できるのだ。 
 
  では、日本が民主主義から逸脱する可能性がないのか、と言えば、国会軽視の傾向は過去10年で、ますます強まっており、緊急事態条項を導入すれば、あるいはすでにある有事法制を使いつつ、それを最も暴力的に用いれば独裁国家成立も必ずしも夢幻とは言えない。昨今の内閣の説明責任の放棄、官僚の公文書改竄や廃棄、情報の漏洩、旧統一教会との関り、犯罪のもみ消し、政務官になった政治家の過去の少数民族蔑視発言などを考えると、シビリアンコントロールの取れない国家に強大な軍事力は馬鹿になんとかは使いよう、ということになりかねない。いったい私たちが守るものは何か、そこがまず問われているのだ。 


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