2023年02月03日21時11分掲載  無料記事
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アジア

米フィリピンの軍事協力拡大にフィリピン市民が反発

 読売新聞が2月3日に伝えたところによると、米国のオースティン国防長官とフィリピンのカリート・ガルぺス国防相が2日にマニラ近郊で会談し、比国内で米軍は使用できる拠点を4か所増やし、9か所にすることで合意した。中国に対する抑止力の強化をねらったものだ。これに対しフィリピンでは市民から、フィリピンにとっては何の益にもならないと批判の声が上がっていると3日のNNNニュースが伝えた。両国防相が会談した軍本部前にはデモ隊が集まり気勢を上げた(写真)。NNNが伝えるフォリピン市民の声を紹介する。(大野和興) 
 
 
マニラ 2月3日(NNN-PNA) - フィリピン市民の間で、米国防省の高官が今週訪日したことを受け、自国における米軍の拡張計画に反対する声が上がっている。 
 
「それは我々の国益とは関係ない。私たちの国益は、経済的に豊かな国になることです。マニラにあるシンクタンク、アジア世紀フィリピン戦略研究所のアンナ・マリンドグ-ウイ副所長は、「国や地域の平和があってこそ、それが可能になる」と語った。 
 
彼女は、米国はフィリピンでの軍事的プレゼンスを拡大し、フィリピンの軍事施設へのアクセスを拡大しようとしていると警告した。 
昨日、ロイド・オースティン米国防長官がフィリピンのカルリト・ガルベス国防相と会談した首都の軍本部の前にデモ隊が集まり、ワシントンとマニラ間の軍事協定、強化防衛協力協定(米国がフィリピン軍基地へのアクセスを認める)の終了を訴えた。 
 
国際関係の学者は、「彼らはアジアでの覇権を維持するために私の国を利用したいのだろう」と述べ、同国政府に対して「細心の注意と慎重さを発揮する」よう促した。 
 
「我が国と国家としての生存が、より大きく脅かされることになる。フィリピンのためではない」とマリンドグ-ウイ氏は言う。「アメリカの軍事活動のためなのです」- NNN-PNA 


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