2023年03月17日08時53分掲載  無料記事
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欧州

フランスのボルヌ首相が年金制度改正案でも49条3項という非民主的手段を採択すると告知 〜安倍政権化するフランス政府〜

  ついにボルヌ首相がこれまでも連続して続けてきた憲法49条3項を使い、下院の議決をすっ飛ばして年金制度改正法案をごり押しする手段に打って出た。年金受給年齢を2年引き上げると言うだけでなく、男女差別の問題など様々な問題があるため、1月以来、100万人規模の大規模反対デモやストライキが繰り返されてきた。これはボルヌ首相に49条3項を今度も使ったら、ただじゃ済まさない、という示威運動だったのだが、マクロン大統領とボルヌ首相は強気で来た。野党陣営は国会で、ラ・マルセイエーズを歌い、抗戦の意志を示しており、24時間以内に内閣に対する不信任動議が出されて、採決される。不信任案が通れば内閣解散になり、法案も流れる。しかし、不信任案が否決されれば法案が通ってしまうのだ。 
 
 
※16日の段階では正式に49−3の適用というより、ボルヌ首相が下院でそれを使うという告知の段階だったようである。いずれにせよ、野党党首たちは怒りのコメントを出している。上院では与党が多数派を構成しており、上院で改正案が通った事で、ボルヌ首相が49−3を使用するという声明を出したようである。 
    ↓ 
 
※BBCの報道 
 やはり16日の段階で、49−3はすでに実質的に適用されたようだ。 
https://www.bbc.com/japanese/64985606 
 
 
※野党のジャン=リュク・メランション氏(LFI)のコメント 
https://www.youtube.com/watch?v=XIqiMVrUbnU 
 与党は正当性がない、と批判している。 
 
※マリーヌ・ルペン党首(RN)による批判のコメント 
「マクロンの失敗に他ならない」 
https://www.bfmtv.com/politique/marine-le-pen-sur-le-recours-au-49-3-c-est-l-echec-personnel-d-emmanuel-macron_VN-202303160504.html 


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