2023年03月21日05時21分掲載  無料記事
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国際

フランス内閣への不信任動議はわずか9票足りず否決される 圧倒的な大衆の反対の声を押し切り年金制度改正案を法制化

  フランスの下院577人の議員の多数決で、過半数まで9票足りず、内閣への不信任動議が否決され、年金制度改革案が法制化されることになった。これは先日、ボルヌ首相が憲法49条3項を使い、下院での議論と採決を打ち切り取った反民主主義手段だった。この結果、多くの人々が怒りを表明している。 
 
  パリ在住で知人の哲学教授は「合法的だが、正当性に欠ける」という言い方で、この改正案の法制化が問題であることを指摘している。 
 
※内閣不信任動議への政党別の賛否評決結果を知らせるルモンド 
https://www.lemonde.fr/politique/live/2023/03/20/retraites-en-direct-la-reforme-adoptee-apres-le-rejet-des-deux-motions-de-censure-des-rassemblements-a-paris-et-dans-plusieurs-grandes-villes_6166202_823448.html 
  極右の国民連合(RN)も、極左の服従しないフランス(LFI)も全議員が不信任に賛成し、LFIと野党共闘にある社会党(PS)や環境政党も同じく賛成した。興味深いのは、保守政党である共和党(LR)で票が割れ、その61人の下院議員のうち、約3分の1の19票が賛成票となったことだ。もし、共和党であと9人賛成派が増えていれば内閣総辞職となっていた。 


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