2023年04月16日03時39分掲載  無料記事
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コラム

21世紀の植民地主義 〜自国を植民地にして敗者から収奪する〜その1

  植民地と言えば、1960年代のアフリカ諸国の独立を機にほぼ地球からなくなった〜西サハラは別として〜と思われてきたが、実は21世紀の新植民地主義が新しい展開を見せている。すなわち、他国に攻め入るのは難しいので自国を植民地にして、自国民を一握りの勝者とおびただしい敗者に分け、敗者を奴隷にする、という画期的な政治システムだ。したがって、一国内で勝者が敗者から収奪するシステムを必然的に伴う。 
 
 植民地の非上級国民(下級国民)からは政治的権利を奪い、下級国民が上級国民にレイプされても実態的に犯人を起訴できない。高等教育の学費は値上げして、下級国民には簡単に進学できないようにする。原則的には開かれていても実態的に難しいのだ。また、選挙に出馬しようにも馬鹿高い供託金を提供させられるので、下級国民が政治家になれる確率は極めて低い。 
 
 勝ち組となった人々の日本政府は、日本植民地の敗者住民たちから得た税金で、外国に資金を大量に配布し、日本の多国籍企業に対して有利な処置をもらう。しかし、敗者たちに利益は決して還元されない。日本の敗者の子弟で1日三食食べられない子供がいても、政府は痛くも痒くもない。なぜなら、日本植民地の奴隷だから、飢餓は当然なのだ。飢えたくなけれは、上級国民にならなくてはならない。安倍元首相を狙撃した犯人が伊藤博文を暗殺した安重根を連想させたと言われるのは、多くの日本人はすでに多くを奪われた植民地の人間であるからだ。日本の支配的エリートから見れば、安重根も山上容疑者も植民地の人間である。では、ネトウヨは何か、と言えばかつて皇民になることを憧れた朝鮮人みたいなものだろう。そこには強烈な皇民化教育があったために、実態としては差別され、排除されていながら、宗主国の価値体系に疑いを持ち得なかった人々もいたのだ。 
 
 このような新植民地主義は日本だけの現象ではなく、フランスやアメリカでも進行している。自由貿易協定はますます国家を解体し、そのために設けられる特区という制度は国民国家解体(植民地化)の第一歩だ。しかし、アメリカの植民地になる、というのではなく、自国の勝ち組を宗主国にした植民地にするだけだ。したがって国内の住民から時間、金、未来、奪えるものはすべて奪いつくす。選挙は一応行われるが、なるだけ争点は見せず、なるだけ奴隷民が投票しないようにメディアを通して、政治参加を乏しくする。また、漫画や小説で、現実逃避を煽り立て、様々なSFに魅了される国民が、今の政治にだけは関心を持たせないようにする。さらに、政府はナショナリズムを信奉しているとだます。実際には、勝ち組上級国民と為政者は日本の下級国民を心底侮蔑しているのだ。歴史を見れば宗主国の英国から、欧州での戦費調達のために重税をかけられていた植民地アメリカのケースから学べるだろう。 
 
●自国植民地化の兆候 
 
 ・重税化と低福祉化 
 ・政治へのアクセスを絞る(投票率低下・選挙報道規制) 
 ・メディアと教育を通して幻想の国家像を植えつける 
 ・自由な学問を封じ、植民地化のプロセスを隠蔽する 
 ・多国籍企業の優遇 
 ・反乱鎮圧・言論抑圧、戒厳令(緊急事態条項) 
 ・歴史修正主義と過去の植民地政策の賛美 
 ・軍国化 
 
  下級国民は今こそ過去の植民地主義の時代に行われた歴史をしっかり学ぶ時である。そこには自分たちを待ち受ける未来が書かれているからだ。その認識からしか、未来を変えることはできないだろう。 
 
 
 
■バーニー・サンダースら上院議員12人がTPP再交渉をオバマ大統領に促す<<再交渉で致命的欠陥を是正するまで議会で批准の議論をすべきではない>>  上院議員たちが危機感を感じる複数の欠陥条項とは? 
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■21世紀の植民地主義 〜朝鮮植民地化と同じことを日本国民に〜 その6 
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■21世紀の植民地主義 〜日本国民の上に君臨する「高天原族」〜 その5 
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■21世紀の植民地主義 〜自国植民地支配のために天皇制も危機にさらす〜 その4 
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■21世紀の植民地主義 〜外国人研修生の苦難は明日の日本人の運命〜 その3 
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■21世紀の植民地主義 〜自国を植民地にして敗者から収奪する〜その1 
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