2023年04月19日11時12分掲載  無料記事
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反戦・平和

戦争と平和について子や孫と映画を観ながら考えよう 「憲法映画祭2023」が開催

 岸田政権の「大軍拡」によって「新たな戦前」への懸念が広がってる。そうした状況のなかで、戦争を知らない子や孫と映画を観ながら戦争と平和について考えてみようと、「憲法映画祭2023」が5月3日の憲法記念日の前に、東京・武蔵野公会堂で開催される。上映されるのは「はだしのゲン」などの日本映画だけでなく「ジョニーは戦場に行った」などの海外作品も含まれる。 
 
上映の日時、場所と上映映画の紹介は以下の通り。 
 
憲法映画祭2023(第69回憲法を考える映画の会)                      日時:2023年4月29日(土・休)30日(日) 
会場:武蔵野公会堂ホール(中央線・井の頭線「吉祥寺」駅南口2分) 
 
 
プログラム 
4月29日 
10:30 映画「はだしのゲン」 
13:10 映画「対馬丸さようなら沖縄」 
14:30 映画「うしろの正面だあれ」 
16:20 映画「少女ファニーと運命の旅」 
4月30日 
10:00 映画「ジョニーは戦場に行った」 
13:00 映画「うりずんの雨」 
15:30講演「憲法9条というリアリズム」 
早稲田大学(憲法学)教授愛敬浩二さん 
16:30 映画「教育と愛国」 
18:20 映画「ある戦争」 
入場料 
〇一般:1日券 2500円 1回券(1作品) 1000円 
〇学生・若者:1日券 1500円  1回券 500円 
1日目子ども(小学生・中学生)無料 
 
【上映作品解説】 
4月29日(土・休) 
10:30 映画「はだしのゲン」 
 
戦争のばかたれ、原爆のばかたれ。ひとりぼっちのわんぱくゲン、駈けよ、生きぬけ、何ンにもめげず!原爆の悲惨さ、恐ろしさをまざまざと刻みつけて大きな反響を呼び起こし、世界的ベストセラーとなった中沢啓治原作「はだしのゲン」の映画化。 
1976年制作/107分/日本映画/山田典吾監督作品 
シネマde憲法2013年1月16日https://www.jicl.jp/articles/cinema_2023016.html参照 
 
 
 
13:10 映画「対馬丸 さようなら沖縄」 
 
昭和19年8月21日、沖縄の本土疎開学童八百余人を乗せた対馬丸が、曇天、時々スコール、さらには台風の接近という中、出航。そして翌22日、船は米軍潜水艦に発見され、魚雷攻撃の末、沈没。学童の生存者はわずか五十九人。その事実は軍部により闇から闇へ葬られ、二ヶ月後、米軍の沖縄攻略作戦が本格化していった。 
1982年制作/70分/日本映画/小林治監督作品/アニメーション 
シネマde憲法2023年3月13日https://www.jicl.jp/articles/cinema_20230313.html参照 
 
14:30 映画「うしろの正面だあれ」 
 
東京大空襲によって家族を失った少女が自立していく姿を感動的に描くアニメ。8歳のかよ子は、大家族の暖かな愛情に包まれて、明るく育っていきます。しかし、日本は太平洋戦争に突入。日を追って爆撃機の来襲が頻繁になり、かよ子はたった一人で沼津のおばの所へ疎開をすることに―。 
(1991年制作/90分/有原誠治監督作品) 
「うしろの正面だあれ」ホームページ: https://kayokostory.wixsite.com/website 
 
16:00 映画「少女ファニーと運命の旅」 
 
ナチスドイツ支配下のフランスからスイスへ、子どもたちだけで旅を続けたユダヤ人の少女の実話を映画化したヒューマンドラマ。1943年、ナチスドイツの脅威がヨーロッパへ広がり、フランスも支配下に置かれた。13歳のユダヤ人の少女ファニーは、幼い2人の妹とともに児童施設に匿われていたが、密告者によって存在が暴かれてしまい、別の施設に移動することに。 
しかし、ドイツ兵の厳しい取り締まりのため、移動中に引率者とはぐれてしまう。見知らぬ駅に取り残された9人の子どもたちは、ファニーをリーダー役に、一路スイスを目指して子どもたちだけで移動を開始するが……。 
2016年制作/96分/フランス・ベルギー映画/ローラ・ドワイヨン監督作品 
 
4月30日(日) 
10:00 映画「ジョニーは戦場に行った」 
 
戦場で両手、両足、耳、眼、口を失い、第1次世界大戦が終わってから15年近く生き続けたイギリス将校が実在したという事実をヒントに、ダルトン・トランボが1939年に発表した小説「ジョニーは銃をとった」を、トランボ自ら脚本・監督した反戦映画。1971年カンヌ映画祭審査員特別賞、日本でも72年度芸術祭大賞を受賞した。 
1971年製作/112分/アメリカ映画/ダルトン・トランボ監督作品 
『ジョニーは戦場へ行った』予告編: https://www.youtube.com/watch?v=9Rn6VdF55Pk 
 
 
13:00 映画「沖縄 うりずんの雨」(改訂版) 
 
戦後70年以上を経ても平和を求めて不屈の戦いを続ける沖縄の人々にスポットを当てたドキュメンタリー。太平洋戦争の戦場で実際に向き合った元アメリカ兵と元日本兵、沖縄住民の証言取材を中心に、アメリカの国立公文書館に所蔵された米軍による資料映像などを交えながら、12週間の地上戦で4人に1人の住民が命を落とした沖縄戦の真実に肉迫していく。さらに、現在にいたるまで米軍基地をめぐる負担を日米両国から強いられ続けてきた沖縄の差別と抑圧の歴史をたどり、沖縄に暮らす人たちが抱える怒りと失望の根源を探っていく。 
2019年製作/148分/日本映画/ジャン・ユンカーマン監督作品/ドキュメンタリー 
 
15:30 講演「憲法9条というリアリズム」早稲田大学(憲法学)教授 愛敬浩二さん 
「憲法9条は理想論だ」、「9条があれば平和になるというのは『お花畑』の議論だ」。そんな9条批判を聞くようになりました。 
しかし、9条は制定・運用のいずれにおいても、「戦後日本」の地理的・歴史的条件の下でリアリズムに徹した政策選択でした。 
この事実を確認した上で、9条の可能性と課題について考えます。 
 
16:30 映画「教育と愛国」 
教育と政治の関係を見つめながら最新の教育事情を記録したドキュメンタリー。戦前の軍国主義への反省から、戦後の教育は常に政治と切り離されてきた。しかし2006年に教育基本法が改正され、戦後初めて「愛国心」が盛り込まれる。それ以降「教育改革」「教育再生」の名のもとに、教科書検定制度が目に見えない力を増していく。慰安婦問題など加害の歴史を教える教師や研究者へのバッシングなどを通し、教育現場に迫る危機を描き出す。 
2022年製作/107分/日本映画/斉加尚代監督作品/シネマde憲法2022年5月23日https://www.jicl.jp/articles/cinema_20220523.html参照 
 
18:15 映画「ある戦争」 
母国デンマークに妻子を残し、150人の兵士を率いてアフガニスタンに派遣されたペダーソンだったが、ある日、任務中に部下が地雷を踏んで命を落としてしまう。さらにその数日後、地方の村を訪れた彼らは、敵の急襲を受けて航空支援を要請するが、その支援攻撃によって複数の民間人が犠牲となる。ペダーソンは責任を問われ、軍法会議にかけられるが……。 
2015年製作/115分/デンマーク映画/トビアス・リンホルム監督作品 
『ある戦争』予告編:https://www.youtube.com/watch?v=3Bkkjzc1x5 


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