2023年04月29日07時45分掲載  無料記事
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入管

入管法改定案が衆院法務委員会で可決 審議が尽くされたとは言えず

今国会で審議がされている入管法改定案が、28日午後に行われた衆院法務委員会で与党や日本維新の会などの一部野党の賛成多数で可決された。立憲民主党は難民認定に関する第三者機関の設置を求めたが、与党の修正案が「検討」に止まるものであったことから、法案に反対した。 
 
衆議院法務委員会の審議時間に合わせて、国会前では入管法の改定に反対する市民団体・移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)がシットインを実施。法案採決直後に、移住連の鳥井一平共同代表は「今、法務委員会で法案が採決されたが、私たちの入管法に反対するという意志は変わらない。目の前にいる外国人の人々と、これからも一緒にこの世界を作っていく、その心も変わらない。この法案が参議院に回っても声を上げ続けていきたい」と訴えた。 
 
また、法務委員会の審議を傍聴したウィシュマ・サンダマリさんの妹のワヨミさんは、傍聴後に「姉の事件に関する真相究明すら、まだなされていない。入管で何が起こったのかを検証しようとしないで、この法案を通そうとするのは、政府の間違いである」と述べた。 
 
さらに、遺族代理人である指宿昭一弁護士は、「各党からの討論の際に、異例の審議時間を取ったということが言われていたが、時間を取ればいいのか。時間さえ取ればいいというのは、そもそも国会の議論が形式でしかないことを白状しているようなものである。議論が尽くされたとはいえない。非常に遺憾である」と語った。 
 
改定案が、来月上旬の本会議で衆議院を通過した場合、審議の舞台は参議院に移ることとなる。これに指宿弁護士は「参議院でこの法案を廃案に追い込むことはできるし、市民はそれを求めている。私たちはウィシュマさんの遺族とともに入管法の問題点やウィシュマさんの死の真相を明らかにして、法案を廃案に追い込んでいきたい」と述べた。 


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