2023年06月29日07時30分掲載  無料記事
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国際

アフリカにおけるワグネル傭兵部隊の活動 〜水面下でのNATO勢力との死闘〜

 ワグネル傭兵部隊の海外報道を見ていて、よく出てくるのがワグネルグループのアフリカにおける活動です。とはいえ、ロシアの傭兵部隊がアフリカでいったい何をしているのか、理解している人はほとんどいないでしょう。かつて、リビアにサルコジ大統領が軍を派遣して、カダフィ大佐を始末した時、カダフィの息子たちを含む一族を守ろうとしていた軍勢にロシア人部隊があったことをフランスのジャーナリストが『サルコジーカダフィ』という本に記していました。ロシアの軍勢は、冷戦終結後、フリーハンドで活動し始めた米国やNATOに対して、一定のカウンター活動を繰り広げていたことがうかがえます。その背景には軍事産業からインフラ整備まで様々な利権が絡んでいました。 
 
 これまでのアフリカにおけるNATO勢力の兵力の展開は、リビアへの軍事介入や、その他のアラブの春へのテコ入れと称する軍事介入を含め、建前こそ民主主義的ですが、実態は植民地主義的と言って過言ではありません。その意味では、アフリカで冷戦が継続されていたと見ることもできます。 
 
  以下は、アフリカにおけるワグネル傭兵部隊の過去の闘いをまとめたカスピアンレポート(YouTubeチャンネル)です。このチャンネルについては未だ詳しいことはわかっていませんが、100万人を超える登録者を擁しています。このレポートでは、アフリカのサハラ砂漠を挟んだ北部地域を横断する形で、ワグネル傭兵部隊が、フランスの覇権に挑戦する形で活動していたらしいことがうかがえます。レポートではワグネル傭兵軍はアフリカ北部に5000人ほど存在し、戦闘だけでなく、NATO諸国の情報に対するディスインフォーメーション作戦にも関わってきたということです。兵士の5分の4が刑務所からリクルートされており、ロシアの極右運動に関係しているとも言われています。興味深いのはロシアと中国の同盟的関係を背景に、ワグネル傭兵軍団がジブチに拠点を構える中国の利権も守っているらしいということです。 
https://www.youtube.com/watch?v=ydH39HjuFZs 
  ワグネル傭兵部隊については欧州でジャーナリストたちのレポートが次々と出ており、昨年のTVの報道でアルベール・ロンドル賞を受賞した報道も、ワグネル傭兵部隊を取り上げたものでした。二人の女性ジャーナリストはAlexandra Jousset と Ksenia Bolchakovaです。「ワグネル:プーチンの影の軍団」というタイトルです。以下は、受賞した二人へのインタビューです。 
https://www.youtube.com/watch?v=C1LBVC5gUSo 
 以下は、2人の番組の予告編に英語字幕をつけたもの。二人はアフリカでもヴィデオ取材を行い、メンバーが脅迫と監視を受けながらも番組を完成させました。 
https://www.youtube.com/watch?v=G44UT5npo_0 
 
 
■真野倫平著『アルベール・ロンドル〜闘うリポーターの肖像〜』(水声社) 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202304122136053 
 
■フランスの民衆の闘争がサント=ソリーヌの巨大貯水場計画への反対へ 〜背後には気象変動・夏の渇水による農民の危機と大手穀物企業〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202304020739300 
 
■フランスの現地ルポ 「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」(社会評論社) 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201807202152055 


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