2023年07月18日18時11分掲載  無料記事
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アジア

ミャンマー非常事態宣言を再延長か 国内避難民188万人に、国連発表

 ミャンマー軍評議会(SAC)トップのミンアウンフライン総司令官は14日、治安悪化を理由に2021年2月1日に発令した非常事態宣言の再延長を示唆した。一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)は15日、国軍の攻撃による国内の避難民が188万人に達したと発表した。Radio Free Asiaなどの報道をミャンマージャポンが伝えた。 
 総司令官は「ミャンマー国内のテロ事件は減少したが依然として発生し続けている」と述べ、「ミャンマーの平和と安定、法の支配を完全に実施するためにはまだ多くの要件がある」と言及したという。 
 2008年憲法によると、総選挙は緊急事態宣言の解除から半年以内に実実施すると定められているが、先送りされる可能性が高い。 
 OCHAの発表によると、6月13日時点の避難民は184万人だったが、7月13日には188万人に達し、わずか1か月で4万人増加したという。特にザガイン管区が多く、OCHAが発表した翌日の16日にもミャンマー軍が軍事作戦を実行したことで新たに1万人の避難民が増加したことが明らかになっている。 
 住民は、「16日早朝にミャンマー軍が軍事作戦を開始したため一斉に避難したが、老人や妊婦、出産したばかりの女性などは身動きが取れず家の中に隠れるしかなかった」と語った。家を焼かれ、焼死した人も多いとみられる。 
 また、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)ミャンマー局長のジェームズ・ローデヘイヴァー氏は16日、「ミャンマーの人権状況は悪化の一途をたどっている」と発言した。 
 イギリスのニュースメディア「スカイニュース」が、ミャンマーの密林地帯にある病院に関するニュースを報じた後にコメントしたもので、ローデヘイヴァー氏は「ミャンマー軍が市民を標的とした軍事作戦を継続している」と批判。「軍評議会(SAC)がモバイル通信を遮断し情報統制を強化しているため、人権侵害の状況はさらに悪化している」と述べた。 
 同氏によると、通信が遮断されることでミャンマー国内の危機を発信できる市民が少なくなっていると指摘した。 


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