2023年10月30日13時57分掲載  無料記事
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農と食

秋田市の水道水から3000ng/Lを超えるネオニコを検出 EU基準の30倍超

 秋田市の水道水から高濃度のネオニコが検出された問題で、秋田県立大と東京大学の研究グループが今年8月の3日間連続で調査したところ、EUの基準値の30倍を超えるジノテフランが検出され、また、ネオニコ8種の合計はEUの総濃度基準の7.2倍だった、と秋田魁新報が報じた。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 
 秋田魁新報によれば、この調査結果を受けて、秋田の環境を考える県民の会は10月27日、秋田県に対して農薬濃度の調査、ネオニコなどの化学農薬をできるだけ使わない農業への転換、浄水場での粉末活性炭処理の実施などを求める要望書を提出した。秋田の環境を考える県民の会代表の近藤正氏(県立大准教授)は「国の基準未満だからといって安全とは断定できない」と指摘した。 
 
 ・秋田魁, 2023-10-28 
  ネオニコ検出受け、水道水の農薬濃度調査求める 市民グループ、県に要望書 
 
 共同研究者の山室真澄・東大大学院教授は10月28日、ジノテフランが3000ng/Lを超え、また同じ水道水からが500ng/Lを超えるスルホキサフロルが検出された、と自身のブログに投稿した。 
 
 ・Limnology 水から環境を考える, 2023-10-28 
ネオニコが3000ng/Lを超えていた秋田市水道水 
https://www.m-yamamuro.com/entry/2023/10/28/113516 
 
 この秋田市の水道水に高い濃度のジノテフランが検出された問題は、日本内分泌撹乱物質学会ニュースレター(Vol.25 No.4)で、22年8月に「X市」の水道水からEUの飲用水基準値100ng/Lの8.7倍に相当する868ng/Lを検出された、と山室教授が報告していた。 
 
 ・日本内分泌撹乱物質学会ニュースレター, 2023-5 
  米作が盛んな地域における水道水中ネオニコチノイド濃度 
  https://jsedr.org/NL/NL25-4.pdf#page=12 
 
● EUの飲用水基準値 
 EUの飲用水の残留農薬は個々の農薬について、一部を除き100ng/Lを上限とし、かつ検出された農薬の合計の上限は500ng/Lに規制されている。 
 
 ・EU指令 2020/2184 
  ANNEX I Part B Chemical parameters 
  https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32020L2184#d1e32-34-1 
 
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有機農業ニュースクリップ 
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