2023年11月04日15時32分掲載  無料記事
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人類の当面する基本問題

(54)人類は自滅の危機に瀕している (VI) 人為的人口削減 落合栄一郎

 地球上に人間の数が多くなりすぎたという一般的な風潮がある中で、その人間の数を減らすためには、ある種の人間たちは生存の意味がない、だからなんとかしてそういう人達を減らそうという思想がある。そうした意図的な人口削減が行われていることは既知ではある [1]。地球上の動物で唯一、自ら殺しあうという生物である人類は、様々な意味での戦争で殺し合いを繰り返して来た。しかし、現在のそれは、余計な人間は、殺してしまえという意識で、それを堂々と実効する雰囲気が蔓延している。それは国連の人道主義などは無視して、平気で行われている。原因は優生思想 (A)と宗教 (B)、そして権力掌握意識 (C)である。 
 優生思想は、イギリスあたりから発祥したようだが、現在は英国を含めてアメリカ、西・北ヨーロッパの多くの人たちに染みついているようである。また、宗教的な信念に基づくものもあり、自分たちの神こそ真の神で、自分たちこそ生きる価値はあるが、あらゆる他の神は偽物、従って他の神を信じる人間はこの世に存在する意義がないというものである。政府、国際機関などによって公式に認められた組織ではないが、WEF(世界経済フォーラム)を自称する組織は、ある人物が組織し、現在は、大富豪、各国政府関係者、大企業、特に技術先端企業、その上に、WHO, UNなどの主要部分までをも抱き込んで、自分たちこそ人類を支配するのだと意識し、その方向に様々な施策を施している。というのは、自分たち以外は、AIの進歩などにより、不必要になる人間が大部分だからと。これらの人たちはしばしばGlobalistsと呼ばれている。これにも民族レベルではないが、優生意識が働いているようである。 
 
(A) 優生思想 
 
 15世期の終わり頃から、世界に乗り出した西欧の植民地政策は、最初スペイン、ポルトガルなどの国々によって行われた。これらの国の植民政策の意識は、主として”金銀”に代表されるようなモノを略奪することであった。そのために必要だったのが、それを邪魔する人々を殺害することであったが。少し遅れて世界に乗り出したイギリスは、自分たちこそ優れた人種であり、自分たちこそが世界を支配するべきだと思い込んだ植民地政策を実施し始めた。そして現地人を殺傷(無視)して、その地を自分たちの領土としてしまった。それが、現在のアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドである。 
 しかし、彼らの植民地化(全世界制覇)はさらに拡大し、中東からインド、中国へと。19世紀の終わり頃は、日本を巻き込んで、ユーラシア大陸の中心に位置するロシアを攻撃せしめた。イギリス側には第2次世界大戦で、ナチスドイツにロシア(ソ連)を征服させる意図があったが、ソ連の反撃によりその願望は潰えた。 
 この意識を継承しているのが、現在のウクライナ問題である。イギリスの意図を継承したのがアメリカであるが、西欧諸国を含めたNATO諸国にもロシア殲滅の意識(ナチの意識)が継承されている。これには、ロシア人がスラブ系で、西・北ヨーロッパ人より格が低く、存続の意味がないと思い込んでいる気配がある。現在、ウクライナでは、こうした思想を持ったネオナチスが戦闘に多く参加している。これは西欧の歴史上で繰り返されたロシアへの攻撃(ナポレオンの攻撃が典型)で明らかな、いわゆるルッソフォービア(ロシア嫌い)である。アメリカは、冷戦直後から核による攻撃でロシアを殲滅する計画も立てていたようである。これには、さらに宗教の違い(と言ってもキリスト教の宗派に違いにすぎない)も関係しているようではある。しかし、優生思想の背景には、自分たちは、低い人間たちを殺傷するばかりでなく、その上で、獲得した地域の天然資源・農業資源などを奪取するなども考慮に入れている。これは初期の植民地奪取と同様であるが、現在では、大企業の利益拡大の精神が反映している。実は、この精神は、現在のあらゆる問題の根本にある。 
 ロシア側は、ロシア人の多く住む地域がウクライナ政府側から迫害されているのを援助、ロシア側に組み込む、そしてこうした問題がさらに起こらないようにウクライナに中立性を求める(NATOに加盟しない)、それだけで、この紛争は解決するはずだが、米英・NATO諸国はウクライナの人民の犠牲を無視しても、ロシアをなんとか抑え込むまでは戦闘を止めようとしてはいない。なぜ 
 
(B) 宗教的信念に基づく選民意識 
 
 ウクライナ問題が停戦する気配すらないところに、ガザとイスラエルの紛争が始まった (2023.10.07)。これは、ハマスと称される過激派がいきなりイスラエル市民を惨殺するというテロから始まったとされる。優れた情報機関を持つイスラエル軍が、このテロを実は知っていながら、故意にテロを起こさせたと、多くの識者は考えている [2]。イスラエルは、これを期にガザのパレスチナ人を殲滅させる意図を持っているようである。根本には、ユダヤ教とその教えを信じて、自分たちの神を信じない人間たちは、生息の意味がないという馬鹿げた信念がある。イスラエルがガザのパレスチナ人殲滅の意識の底には、現イスラエル国防相の「パレスチナ人は、Human animals (人間獣)」なる発言に代表される宗教的信念があるようだ。 
 現在のイスラエル対ハマス(パレスチナ)問題は、しかしかなり複雑なようである。というのは、ハマスなるイスラム過激派とされる組織はもともとイスラエル自身が組織したモノだからである。それは、パレスチナをイスラエルから自由な独立国とすべきというLPO運動(ヤセル・アラファット主導)を内部から殲滅させるため、ハマスを対立組織として立ち上げ (1987年)、その運動を阻止したのが始まりである。なお、アラファットは暗殺された。ハマスは現在では、選挙により政体の一つとなっている。現在はハマスとイスラエルとの間にどの程度の関連があるのか不明である。そして、イスラエルは、今回は、まずハマスに、通常では起こり得ないような仕方で、イスラエル市民を残虐に死傷、誘拐などの衝撃的事件を起こさせ、すわ、ガザ側から酷いイスラエル人殺害があり、そうしたテロを徹底的に、そしてそこに住むパレスチナ人も巻き込んで、ガザそのものを徹底的に壊滅しようというのが意図のようだと多くの人が考えている。実際、世界的レベルで停戦の声が上がっているにもかかわらず、イスラエルは、ガザ侵攻を継続し、多数のパレスチナ人を殺害し続けている。 
 このやり方(イスラエルの)は、次のようなやり方と類似している。アメリカ政府は日本海軍の真珠湾攻撃を察知していながら、その攻撃来襲を許し、その結果の衝撃を、太平洋戦争への参加の根拠とした。(おそらく察知していながら)衝撃的な9/11事件をイラク·アフガニスタン侵略の根拠に、そしてテロ対策として、冷戦終結で軍需が減ったのを復活させる根拠にもしたようである。このアメリカによるイラク(サダム·フセイン殺害も含む)への大規模な侵略は、時の大統領(ブッシュ)の発言には、宗教的意識によるイラク殲滅の考えもあったようである。それは、聖書黙示録の最後にあるアーマゲドン(ハルマゲドン)神話で、その戦いでは、天使の軍が悪者たち(サタン(悪魔)=イラク人)を滅ぼし、バビロンを滅ぼす。そしてバグダットがそのバビロンであると。現在のイスラエルによるガザ壊滅の意図は、このアーマゲドン事象を真似ている(イスラエル=天使、ガザ・パレスチナ=サタン)。イラク侵略のもう一つの目的は、そこに沢山ある石油資源の確保でもあった。資源獲得は、先にも述べたように、植民精神(優生思想に基づく)の基本にある。ガザもその周辺の地中海側に豊富な天然ガス資源があるとされていて、その獲得の意図もあるようである。 
 実は、ユダヤ教信者に旧約聖書より親しまれているタルムードという教書(法師(ラバイ)の言い分)には、驚くべきことが書かれてあるのだそうである。そしてそこで主張されている「ユダヤ第一」の精神が、1947年のイスラエル設立から、パレスチナ全土を奪回するというイスラエル=ユダヤ=シオニストの底意となっているようである。その一部を「逝きし世の面影」というウェブサイトが紹介している[3] ので、またそのほんの1部を紹介しておきます。 
 
*人間の獣に優れる如く、ユダヤ人は他の諸民族に優れたるものなり。 
*なんじらは人類であるが、世界の他の国民は人類にあらずして獣類である。 
*ゴイ(非ユダヤ人)がゴイもしくはユダヤ人を殺した場合は責めを負わねばならぬが、ユダヤ人がゴイを殺すも責めは負わず。 
*他民族の有する所有物はすべてユダヤ民族に属すべきものである。ゆえになんらの遠慮なくして、これをユダヤ民族の手に収めること差支えなし。 
 
( C ) 人民支配・権力掌握の意識と実行  
 
 イギリスを受け継いだアメリカによる冷戦後の1極支配という意思により、世界中の様々な場所で、アメリカは自分たちに不都合な政権の交代を主目的とした紛争を引き起こして来た。ある検証によれば、アメリカは、第2次大戦後、37か国で、やく2千万の人を殺戮したそうである [4]。最近の例がウクライナによる代理戦争であり、パレスチナ・イスラエル紛争でのイスラエルへの加担である。 
 しかし、中国、ロシアを中心とするブリックス(BRICS)など、そうした1極支配への対抗勢力がかなりの数になりつつあり、アメリカの1極支配は崩壊しつつあるのが現状のようである。この傾向は、2023年10月に突如始まったイスラエル・ハマス紛争に関しての各国政府およびその一般市民の反応にも現れている。 
 一方、こうした地勢的観点からではなく、大金持ちの集合体が作る国際組織WEF(世界経済フォーラム)が、全人類を支配下に置いて、自分たちに都合の良い政治・経済・医療体制をつくるべく画策している。彼らのやることは、一言にしてグレートリセット (Great Reset) と喧伝されている。時には第4次産業革命とも称している。この組織は、比較的若い政治家、企業家を引き入れて、しかも国際組織であるWHO、UN中の重要人物も引き入れてしまっている。国家レベル・世界レベルでの国民支配をすでに様々な仕方で実行している。WEF運動は、いわゆる国連のSDGs (Sustainable Development Goals; 2030 Agendaとも言われる)と連動した上で、気候変動運動、パンデミック・ワクチン強制政策なども併合している。すなわち、現在の人類の危機を救うとする運動のすべてが、実は少数者による人類支配を目指しているようである。そしてその根底には、自分たちこそ優秀な人間であり、他の人間たちは生きる価値がない、なんとかして必要最小限の数にして、自分たちの思うように支配しよう、そのための方法を色々と試してみようという思惑があり、政府関係者、医療関係者、報道関係を洗脳し(いや金銭で釣っているのかも)、着々と実行しつつある。 
 これらの人たちは、真の科学を無視し、いや否定し、自分たちの公式見解に反する主張をする科学者を排斥、口を封じている。そうして、過激な温暖化説とかウイルス作用によるパンデミックなどのニセ報道を通じて、恐怖を植え付けることによって、人々をがんじがらめに押さえつけている。そして、そうしたニセ科学に基づいて、とんでもない施策(農地の取上げ、化学肥料禁止、EVへの変換、毒性の強いワクチンの強制摂取など)を実行しつつある。その概略は先に述べた [5, 6, 7]。こうした政策が齎すのは、食糧不足とニセワクチンなどを通して、余分な人口を減らそうとするもののようで、実現しつつある。何度もお知らせしたが、日本での死亡率がワクチン摂取開始後に、通常の年よりも10-20パーセント増えている。そして子供の出生数が急激に減少し始めてもいる。こうした事実などは、通常の報道機関は目をつぶっている。特に、ワクチンとの関連の疑いなどは、言及しない。 
 
(D) ではどうするか 
 
 ウクライナもガザもまずは即時に停戦に持って行かねばならない。どちらもアメリカ現政権がそれを阻止しているし、ヨーロッパ主要国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本などもそれに追従している。どうしたら欧米を説得できるか。いや説得は困難であろう。世界の他の勢力(露中その他)と、欧米にかって支配されたアフリカ、南米諸国などの発言、欧米内の市民の反対意見の拡大により、欧米側が、自分たちこそ「不利」と認識することができるまでは、無理であろう。そうならないうちに、戦況が拡大し、第3次大戦に発展しなければ良いが。 
 上述(C)のケースはどうすれば良いであろうか。現在では、これを推進する側(グローバリスト)が何を画策しているのか、多くの市民が疑って見て、その本当の姿を見極める努力がまず必要であろう。そして、医療を装っての人間殺害という犯罪を非難しなければならない。また、CO2排出削減を実現するためとする様々な間違った方策なども阻止しなければならない。 
 ただ、AIの導入による人間の必要性が少なくなる、これをどう克服するか。簡単に、ロボットやAIはいらない、だから使うなと主張しても解決にはならない。ここには、かなり深刻な難しい問題がある。 
 もっと基本的な問題は、人類は、宗教などの教えを心底から信じている人が多く、人種間(異教徒間も)の差別意識をどう克服するか。人間は生まれてすぐから、その脳は周辺からのあらゆるインプットによって構築されるので、小児からの家庭環境・教育を、正常な倫理観に基づくものに変えなければならない。これが今、全世界で始められるとしても、成果が出るのは、数世代から10数世代先のことであろう。いや、こんなことはできないかもしれない。ホモサピエンスの性なのであろう。 
 それにしても、人口削減の以上のようなやり方は、ここで述べた意識(A, B, C)に基づいているにはしても、それを現実に動かしているのは、軍需企業、製薬企業、IT企業、報道機関、政府とその背後にある金融企業である。新自由主義の現在の経済機構では、これらの動きを制約することは困難である。 
 では、人口問題を、上に述べたような人為による殺人ではなく、どう解決するか、すなわちあらゆる意味で持続可能な状態に持っていくか、十分に考える必要があろう(参考:落合栄一郎「病む現代文明を超えて持続可能な文明へ」)。 
 
 
[1] http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200811192242533 
[2] https://www.naturalnews.com/2023-10-31-jeffrey-prather-michael-flynn-israel-stood-down.html 
[3] https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/e2eb96dd2a9a2c65e0c15fdf41fd46f9 
[4]https://www.globalresearch.ca/us-has-killed-more-than-20-million-people-in-37-victim-nations-since-world-war-ii/5492051 
[5] http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202302131600491 
[6] http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202302201340001 
[7] http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202304131332484 


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