2024年02月10日15時42分掲載  無料記事
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国際

「ユダヤのジェノサイドを援護射撃するモロッコ」【西サハラ最新情報】  平田伊都子

 「木曜日2月8日、この部屋で、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が午後12時30分から記者会見を行います。彼はあなたに話すだけでなく、この場で質問を受けます。新年あけましておめでとうございます」と、2024年2月6日の国連定例記者会見で報道官が発表しました。 立春も過ぎた今頃、「新年おめでとう」?! しかも、2月5日の国連総会でも、事務総長は、「新年おめでとう」と、ご挨拶。 事務総長さんもマジボケ? 
 
.献Д離汽ぅ苗鸛覆靴親逎▲侫螢にくってかかり、モロッコはイスラエルを援護射撃: 
 2024年1月25日、IJC国際司法裁判は南アフリカが提訴した<ジェノサイド告訴>に関して、<ジェノサイドを止めろ>とイスラエルに命じる仮処分を出した。国連事務総長は「全面的にIJCの決定を支持する。仮処分は施行されねばならない」と、断言した。 
イスラエルの属国モロッコは、国連事務総長個人特使が南アフリカに<西サハラ紛争解決>の相談に行ったことをとらえ、イスラエルのために反南アフリカ・キャンペーンを張った。 
 ヒラール・モロッコ国連大使は、「安保理決議には、南アフリカへの言及はなく、ましてや政治プロセスにおける南アフリカの役割とされるものへの言及もない。モロッコのサハラ砂漠(西サハラのモロッコ式呼称)問題へのいかなる干渉も南アフリカに不適格。モロッコは、南アフリカがモロッコのサハラ問題に干渉することを、決して許さない。南アフリカは、モロッコのサハラ砂漠問題にとって有毒だ」と、南アフリカを拒否し、「デミストラ事務総長個人特使に対する国連事務総長の任命書は、4つの当事者(モロッコ。モーリタニア、アルジェリア、ポリサリオ)とのみ協力しなければならないと、明記している。任務の基本を、デミストラ事務総長個人特使に思い知らせてやった」と、語気を強めた。 
 クリストファー・ロス元国連事務総長西サハラ個人特使は、2月6、彼の任務遂行中にモロッコ占領当局によってかけられた圧力と恐喝の惨状を明らかにし、彼が受けた不当な攻撃に対して:「仲介者としての私の役割は、私が完全に中立であることを要求され、私は従った。モロッコがモロッコ主権下での自治権を擁護するよう私に強い圧力をかけたにも拘わらず、私は任期8年間を通して具体的提案を採用したことは一度もない」と、主張した。 
 ブリタ・モロッコ外務大臣は、モロッコのサハラ砂漠をめぐる紛争に関して、1−当事者の特定、2−国連プロセスの唯一の枠組み円卓会議、そして3−解決策は王国の主権と領土保全の中の自治案のみ、この3つの交渉の余地のない要素に依存していると彼は主張した。「これら3つの要素に関して違反行為があった場合、モロッコは断固とした処置をとる」とし、さらに、「南アフリカに勝って国連人権委員会2024年度委員長権を獲得した」と、南アフリカのジェノサイド提訴を覆せるのはモロッコだと匂わせた。 
 「人道問題はモロッコに任せろ、もう何をやって裁かれない!」と言わんばかりの勢いだった。 
 
不法移民の虐待もOK?のモロッコ: 
 スペイン上院は、モロッコが大量の不法移民を操り、搾取していると非難した。 
 モロッコは、不法移民に関してEUやスペインが拠出する巨額の支援金を獲得しようと、 
アフリカ内陸の移民を人身売買するだけでなく、モロッコ国内でも不法斡旋している。 
 モロッコのいくつかの人権団体は、王国で苦しんでいる悲惨な生活環境から逃れるために命を危険にさらす若者や未成年者の間で、スペインへの不法移民が増加していると報告している。以前は、1995年の協定によって、モロッコ北端にあるスペインの飛び地領土セウタとメリリャへの入国が可能になっていた。が、スペイン当局がビザを課したことで、 
モロッコ人のスペイン領土への合法的アクセスが非常に厳しくなってしまった。 
 それでもスペインへの移民希望者は後を絶たず、悪質な不法移民業者に大金を払って、ぎゅう詰めの移民ボートに乗り込む。向こう岸のスペインに辿り着くという夢を叶えれる人もいるが、海で溺死したり逮捕される人のほうが多い。 
 モロッコの人権団体は、船が沈没して何百人もの若者が亡くなったことを取り上げ、疎外、貧困、失業、社会保障、医療施設の欠如、さらには女性虐待などの問題は、モロッコ政府の責任だと、訴えた。モロッコでは、官製デモ以外のデモは禁止されているが、それでも当局監視の隙を狙って抗議活動を続けている。人権団体は国際人権団体にモロッコ人権問題の窮状を訴えてきた。 が、モロッコ当局は慌てない。何といってもモロッコは、国連人権委員会の議長をやってんだぞ!! 
 さらにスペイン上院はサンチェス首相を叱責し、西サハラ問題に関する国連決議に従うよう促した。複数のスペインのメディアも、上院がサンチェス政府に西サハラに関する国連決議に従うよう求めたことを報じた。1975年にモロッコが西サハラを植民地支配をするまで、1984年からスペインの植民地だった。 
 スペイン外務書は、「スペインは、国連憲章と安保理決議の枠組みの中で、相互に受け入れられる政治的解決を支持する。国連事務総長特使の活動を支援し、モロッコの占領によって祖国を追われたサハラ難民への人道的コミットメントを維持し、自らを最初の二国間援助国として位置づけている。スペイン政府もいささか、変わってきたようだ。 
 
「私の記憶力は大丈夫」: 
 4日にフランスのマクロン大統領を1995年に退任した故ミッテラン氏と言い間違えたバイデン米大統領は、7日の記者会見で、「ええ~っと、、あの〜、、その~、、言葉〜〜、、対抗組織、、、」と、名前が出てこなかった。やっと外野から「ハマス」と助けが入り、「そう、ハマス」と、言えた。8日の記者会見で、記者から特別検察官に「記憶力が著しく限られている」と指摘されると、「私の記憶力は大丈夫」と反論した。が、その直後、「メキシコのシシ大統領」とやらかした。メキシコの大統領はロペス氏だよ、大統領! 
 「新年あけましておめでとうございます」と、ステファン国連事務総長報道官が2月6日に挨拶した時、国連、お前もボケ?と国連上層部の記憶力を疑った。 
 そして2月8日の国連事務総長記者会見でデジ中国テレビ特派員が、「明けましておめでとうございます。2024年の事務総長の願望は?」と質問し、中国はまさに正月で事務総長にとっても初の記者会見で、国連記者会見室は新春のおめでたい雰囲気に包まれた。 
 因みに、2024年春節休暇は2月10日から17日の8日間となります。 
 新年初の記者会見で国連事務総長は、「即時停戦、人道支援、医療施設の回復、とにかくガザの悲劇を一刻も早く止めたい」と強調した。国連改革に取り組むことも約束した。 
 この日、見慣れないイスラエルの女性記者が、「10月7日にイスラエル人を殺し人質を取っているハマスはテロ組織だと認定しろ」と、迫った。国連事務総長は,「ハマスの取った行動はテロ行為だ。が、ハマスはテロ組織ではない」と、答えた。 
「イスラエルはテロリストと彼らが隠れ蓑にしている市民を相手に戦ってる。正当防衛だ」と、イスラエルの自衛権を主張するこの記者に、国連事務総長は、「自衛権を盾に、28,000人の市民を殺し80,000人以上を負傷させ、230万人以上の住民を追放し、飢餓に陥れることは許されない。現在のイスラエル政権の作戦は間違っている」と、ハッキリ、イスラエルのジェノサイド戦争を批難した。 
 
 この日のアントニオ・グテーレス国連事務総長は力強く頼もしかったです! 
 そして、「10月7日にガザ戦争が始まって以来、停戦はない、食糧は届かない、ガザ市民は追い詰められる、、一体あなたは、何をしたのですか? 国連事務総長の役割とは、なんですか?」と、アラブ・デイリーニュース特派員エフライムの質問に、グテーレス国連事務総長は、「ほんとうに、私の最悪のフラストレーションは、私に力がないということです。必要とあらば、私は大声をあげ、招集をかけることできる、、しかし、今、人々が本当に求めているのは、力です、、私にはそれがない、、」と、答えました。 
 
 
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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2024年2月10日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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