2024年02月24日12時50分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202402241250206

国際

「号泣の訴え、パレスチナ国連大使」【西サハラ最新情報】  平田伊都子

 イスラエルによるパレスチナの占領に関し、国連総会から2022年に国際法に基づく意見を求められていたIJC国際司法裁判所が、やっと、2年間の放置の後、オランダ・ハーグ平和宮で審理を始めました。 審理は2月19日から26日まで続き、日本を含め55の国や国際機関などが意見を述べます。 
 イスラエルが出廷する予定は?、ないそうです、、いまのところは、、、 
 
‖37回AUアフリカ連合首脳会議はパレスチナ支持と即時停戦を明言: 
 エチオピアの首都アジスアベバで開かれた第37回アフリカ連合首脳会議が発表した最終声明は、ガザのパレスチナ人に対するイスラエル占領の残忍な侵略を糾弾し、ガザ住民をガザの外に強制的に立ち退かせようとする試みを強く非難した。 
 最終声明は、ガザのパレスチナ人に対するイスラエルの攻撃と、約220万人の非武装市民に対する病的な武力行使、そしてエジプトへの強制移住を告発した。声明は、イスラエル占領軍に対し、ガザでの恒久的な停戦を要求する国際的要請に呼応し、ガザでの大量虐殺を戒める国際司法裁判所の決定に従うよう求めた。さらに、ガザ包囲の解除を求め、イスラエル占領軍による国際的に禁止されている武器の使用と、ガザの病院や報道機関の標的攻撃について、独立した国際調査を求めた。 
 イスラエルの同盟国モロッコは、AUアフリカ連合にイスラエルをオブザーバー参加させようと画策したが、失敗した。第37回AUアフリカ連合首脳会議に参加したブリタ・モロッコ外務大臣は、「首脳会議の最終声明で<西サハラ>に言及していないのは、もはや、AUアフリカ連合が西サハラ問題に関心を持たなくなった証拠だ」と、モロッコに都合の良い解釈をし、モロッコ・サハラ(西サハラのモロッコ式呼称)は、モロッコのものと決めつけ、モロッコ・サハラへの入植と投資をイスラエルに促した。 
 第37回AU首脳会議にはグテーレス国連事務総長も参加した。国連安保理改革を目指す事務総長は、アフリカから常任理事国を出す必要性を訴えてきた。常任理事国になりたい日本は、ブラジル、ドイツ、インドとつるんで、4か国を常任理事国にしろと働きかけているが、今や、アフリカを外して安保理常任理事国改革を論じることができなくなった。 
 
▲螢筌鼻Ε泪鵐后璽襦Ε僖譽好船聞駭大使のもらい泣きさせるIJC陳述: 
 2024年2月19日、15人の判事が正面ひな壇の席に着き、<ジェノサイド裁判>とは違う裁判長が、開廷を宣言した。<1967年国連安保理停戦決議242を破り植民地支配を続けるイスラエルに対して勧告を求める裁判>は、イスラエルの56年間を超える占領抑圧を耐え忍んできたパレスチナ人による悲願の訴えだ。パレスチナの人々は、イスラエルとアメリカが仕掛けるガザ戦争の泥沼から、なんとか這い上がろうと必死だ、、 
 初日の陳述は、マリキ・パレスチナ暫定自治政府外務大臣、イギリスの弁護士、ニカラグアの弁護士、10分のコーヒーブレイク、パレスチナの弁護士、リヤド・マンスール・パレスチナ国連大使と、計3時間21分34秒続いた。 
 パレスチナ外務大臣は地図でイスラエル侵略史を示しつつ、「力ずくで領土を奪い、民族自決の権利を否定することは、国際法の最も基本的な規範に反する」と、1967年第3次中東戦争以降、パレスチナの占領を続けているイスラエルを強く糾弾した。さらにマリキ外相は、「ガザでいま繰り広げられているジェノサイドは、過去何十年にもわたりイスラエルの責任が問われてこなかったことに繫がる」と、IJC国際司法裁判所の迅速な判断を促した。 
 ニカラグアの弁護士は, 「沈黙は共犯を意味する、、」と謡ったパレスチナ伝説の詩人マフムード。ダルウィーシュ(1941~2008)の一節を引用した。陳述者の誰もが昔からパレスチナ独立運動を応援し続けてきた<平和の兵>で、やっと、半世紀経って訪れた晴れ舞台に、いささか、舞い上がった感ありで、誰もがマイクを離さない。が、頑張れ!時間など気にするな!! 
 この日のトリを務めたのは、リヤド・マンスール・パレスチナ国連大使で、「不正義を終わらせ、公正で永続的な平和を達成し、パレスチナの子どもたち、、」というくだりで、マンスール大使は声を詰まらせた、、絶句した大使は、肩を震わせ泣いた、、暫くして、「普通の子どもとして扱われる、、」と、殆ど聞き取れない声で言葉を繋ぎ、、「未来に向けてIJCは私たちを導いて欲しい、、、」と、こみ上げてくる思いを抑えて抑えて、大使は続けた。そして、「パレスチナ人もイスラエル人も殺されない未来。2つの国家が平和と安全に共存する未来を望みます」と、結んだ。 
 
またしてもアメリカは拒否権を悪用して国連安保理決議を無効にした!: 
 2月20日、国連安全保障理事会は、アルジェリアが提案した、「イスラエル軍が準備するパレスチナ・ガザ最南部ラファへの地上侵攻回避に向けて、<即時人道停戦>を求める決議案」が審議された。15理事国のうち日本やフランスなど13カ国がアルジェリアの提案に賛成し、英国が棄権し、が、米国がまたもや拒否権を行使し、即時停戦決議案は否決された。 
 英国は戦争イケイケの米国に歩調を合わせ<棄権票>を投じたが、その英国のウィリアム皇太子ですら、2月20日に、「私は他の多くの人たちと同様、可能な限り早期に戦闘を終わらせることを願っている。ガザへの人道支援強化が切実に必要だ。支援が行われ、人質が解放されることは不可欠だ」と、政治に口を挟まない英王室一員として、異例の発言をしている。 
 2月20日、IJC国際司法裁判所の公聴会には、南アフリカ、アルジェリア、サウジアラビア、オランダ、バングラデシュ、ベルギーなどが登場した。2月21日、ベリッツ、ボリビア、ブラジル、チリなどが陳述した。裁判長は夫々のチームに30分を超えないようにと要請した。 
  IJC国際司法裁判所の勧告は、イスラエルの攻撃を止めたりイスラエルを罰したりできないが、IJC勧告は国際的な法的機関や人道機関に大きな権限とやる気を与えることができる。ただし、勧告発令に数か月もかかるそうで、この瞬間もイスラエルの爆撃で殺されていくガザの子供たちを救うことはできない。もどかしいかぎりだ! 
 国連総会がIJC国際司法裁判所に、パレスチナ占領地に関する勧告的意見を求めるのはこれで2度目だ。2004年7月、ICJはヨルダン川西岸地区にイスラエルが建設した分離壁が国際法に違反しており、撤去されるべきであると勧告したが、壁は現在も存続している。1967年第3次中東戦争以来、イスラエルはヨルダン川西岸地区で、国際法に違反するユダヤ人入植地を大幅に拡大し続けている。イスラエルはまた、国連管轄下にあるエルサレムを独断で首都にした。国連も国際法も人道法も無視してきたイスラエルが、今回のIJC国際司法裁判所の勧告を無視できなくする知恵が、国際社会に切望される。 
 IJC国際司法裁判所を馬鹿にするネタニヤフは、2月18日、ネタニヤフ戦争内閣のガンツ前国防相に、「ラマダン(3月10日)までに人質帰還がなければ、ラファでもどこでも戦争が続くだろう」と、語らせた。同日、同内閣は、<2国家共存>という国際社会の求めをはっきり拒絶し、220万人以上のガザ避難民に向けて爆撃を続けている。 
 2月20日、カタール外務省報道官は記者会見で、同国などが仲介するイスラエルとハマスの戦闘休止に向けた協議について、現時点で進展なしと明かした。 
 2月20日、ガザ保健当局は、ガザでの死者は累計2万9100人を超えたと発表し、NICEF(国連児童基金)は、ガザ北部で2歳未満の子供の6人に1人が深刻な栄養失調に陥っていると報告した。WFP(世界食糧計画)は同日、イスラエル軍が封鎖する北部への物資搬送は不可能と発表した。 
 2月21日のIJC国際司法裁判所公聴会には、コロンビア、キューバ、エジプト、UAEアラブ首長国連邦と、どの国も<即時停戦>を訴えた。そして唯一イスラエルを支持するアメリカは、「<停戦>はテロ組織ハマスの勝利に繋がるから反対」と、イスラエルを代弁した。 
 ロシア、フランス、ガンビア、ガイアナ、ハンガリーなども登場し、どの国も<即時停戦>を強調した。 
 
 2024年2月22日の公聴会では、イラン、イラク、アイルランドが、<ガザ即時停戦>を訴えました。 続いて、日本政府代表の御巫智洋(みかなぎ ともひろ)外務省国際法局長が陳述しました。 御巫氏は「武力行使や一方的な行動ではなく、交渉と相互の信頼に基づく努力で解決すべきだ」と言いました。が、<即時停戦>という言葉は?、、聞こえませんでした。 
 御巫氏の陳述は9分で終わり、持ち時間30分の残りを、白い法廷カツラを載せた黒人の博士に託しました。 が、二人合わせても26分30秒を切りました。 
 
 
―――――――――――――――――――――――――――――― 
 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
―――――――――――――――――――― 
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2024年2月24日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。