2024年03月11日21時08分掲載  無料記事
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農と食

<61年目の農業記者>老百姓から軽トラもトラクターも取り上げてどうするの

3月5.6日と新潟・上越に行ってきました。もう40年来の付き合いになる上越有機農業研究会の仲間が集まり、総会をやるということで、ぼくも会員なので、みんなと一杯やりに行ったのです。この研究会が支えて出発した上越農業映画祭もすでに3回を数え今年も11月にやります。ぼくは最初から噛んでいるので、その相談もありました。(大野和興) 
 
 
会員のメインはすでに70歳代ですが、新しく就農した仲間も多く、40歳代50歳代の青年層もいます。やっていることも話も抜群に面白い。いろんな話をしましたが、考え込んでしまったのは80歳を過ぎた現役百姓が、トラクターで公道を走るなと免許の書き替えができなかったいう話です。当然農作業ではなくてはならない軽トラも運転できなくなる。 
 
稲作農家の現役で最も多い年齢層は70歳代です。じき80歳になる。多くはみんな元気です。やりき満々で百姓仕事に打ち込んでいます。「俺がやらなくて誰がやる」という心意気なんです。 
 
確かにその通りで、いまの70歳代が引退したら、すぐコメ不足になることは目に見えています。その人たちがこうして強制的に公権力によって百姓から排除されて行く。 
 
その背後にはAIで大規模化、バイオテクノロジー化を進めて農民も農村もなくそうという農業政策の体系があります。まさに現下の農業問題の最重要課題です。 
 
これって、生業の権利を定めた憲法24条違反でしよう。 


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