2024年03月17日20時58分掲載  無料記事
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環境

欧州で気候変動問題に取り組む環境活動家が敵意さらされている

気候変動問題に取り組む環境保護活動家たちが、欧州全域で敵意に直面するケースが増えていると、国連の専門家が警告している。日本時間3月17日のNNNニュースが伝えた。同ニュースによると、環境保護活動家に関する国連特別報告者であるミシェル・フォルスト氏は今週、フランス、オーストリア、ドイツ、イギリスなどの国々で、気候変動活動家に対する風当たりが強くなっていることに深く悩まされていると語った。(大野和興) 
 
フォルスト氏によると、政府閣僚は、非暴力的な活動家を「エコテロリスト」や「緑のタリバン」といった言葉で表現していると彼は主張した。フォルスト氏は国連のオーフス条約(環境問題における正義を規定する法的拘束力のある文書)の下で任命された独立専門家で、彼は「現在、ヨーロッパでは抗議する権利が危険にさらされている」と警告している。 
 
フォルスト氏は、活動家たちが条約や国際人権法に違反する扱いを受けているという苦情を受け、最近ヨーロッパ数カ国を訪問した。 
英国を訪問したフォルストは、環境保護活動家に対する「有害な言説」と「ますます厳しくなる取り締まり」に警鐘を鳴らした。フォルストは、英国の「時代に逆行する法律」が気候変動活動家に厳しい刑罰を科すために使われていると告発した。イギリスで27カ月の実刑判決を受けた活動家もいるという。 
 
フォルストは2月にフランスを訪問した。南西部の都市トゥールーズ近郊で行なわれた反自動車道路デモの取り締まりに対する苦情を受けたためだ。 
「エコテロリスト」と呼ばれる活動家たちは、A69高速道路建設のために切り倒される運命にある樹木に不法占拠しているが、取り締まり当局は彼らが食料や水を得ることを拒否し、投光器を使って睡眠を奪っている、と非難している。 
 
フォルストは、現地で活動家たちに食料を運ぶのを妨害されていることに「ショックを受けた」と語った。これは「明らかに、食料、飲料水、睡眠の剥奪は国際法に反している」と同氏は述べた。これらは「国際的な基準では拷問行為とみなされている」と彼は付け加えた。 
 
世界は非常に「危険な時代」にあるが、一般大衆はなぜ若者たちが気候変動問題に立ち上がっているかを理解できないことが多い、と彼は述べている。その結果、国家がこれらの行動に厳しく対処する政策や法律の制定を正当化し、警察の取り締まりや、ますます厳しくなる刑罰に道を開くことになった。 
 
国連専門家は気候活動家が直面している危険性について危惧する。特に石油・エネルギー部門の大企業が、気候変動活動家への圧力を強めるためにロビー活動をしていないか調査していると述べた。「最も危険な」企業は、「治安部隊やマフィアとのつながりを利用して擁護者を標的にし、時には殺害することさえある」と語った。 
 
フォルスト氏は、現在ラテンアメリカとアフリカで、企業による攻撃に直面している環境活動家との協議を組織していると述べた。 
また、ヨーロッパに拠点を置く企業が、現地法人を通じて活動家への攻撃に加担していないかどうかも調査している。 
そして欧州諸国が世界の他の地域の環境保護活動家を支援する一方で、「欧州内の環境保護活動家を保護しない」という「二重基準」を非難した。 
 
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