2025年05月02日19時42分掲載
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欧州
ナポリ散策〜フィレンツェとは違う文化に触れる〜チャオ!イタリア通信(サトウノリコ)
先日、家族でナポリに行ってきました。というのも、イタリアに来た時からポンペイに行きたくて、「死ぬ前に行きたい」と夫に言ったら、苦笑いされてしまいました。2泊3日のナポリ旅でしたが、「ナポリは南イタリアの大きな都市」という印象。そして、「ナポリにとってマラドーナは神様なんだ」と実感。街を歩いていると、建物の壁にマラドーナの顔が描かれているのを何度も見ました。また、私が住むフィレンツェ辺りのイタリア中部とは、違う文化ということ。
実は、ナポリは結婚してすぐに一度だけ行ったことがあります。新婚旅行でプローチダ島というナポリから船が出ている島に行ったからです。その時は、本当に駅から港に移動しただけで、全くナポリの街を見ませんでした。その時の印象は、ナポリ人の車の運転の仕方でした。隙間があれば、入り込んでくるような運転の仕方。列に並ぶという感覚がないのか・・・とびっくり。そして、南イタリアでよく見る特徴ですが、バイクもヘルメットかぶらない!驚きましたね。それは、今回も見ました。多分、近所をバイクで走り回る時はヘルメットをかぶらないんでしょうね。
今回はポンペイを中心にした旅でしたが、ナポリの街も満喫できました。ただ、私が新婚旅行で降り立った時(17年前)と比べると、観光地化が進んでるんでしょうね。17年前は駅も小さく、駅に併設されていたバールもまだまだ地元感がいっぱいで、古い作りでしたが、今回の旅では駅は新しくなり、駅中にはフードコートもあり、ナポリのお菓子を売る土産店もありました。
ポンペイは半日周りましたが、3分の1ぐらいしか見れなかったですね。約2000年近く前にヴェスヴィオ山の噴火により、今でも当時の様子が見れるという世界でも稀有な場所。今でも残っている荷車の車輪の跡がずっと石畳の道についているのを見て、すごく不思議な感覚になりました。これが2000年も前のものなのか・・・。ガイドさんが、この車輪の幅は、いまでも電車の線路の幅と同じだと説明してました。
いつも思うんですが、イタリアってローマ時代とかその後の時代もそうなんですが、建築物が今でも残っていて、本当に素晴らしいなと思うんです。ところが、今の時代の建物って、時々ニュースでガス爆発起きて崩れたり、この前はフィレンツェで建築中のスーパーが崩れたり、なんでこんな素晴らしい建築物の技術があるのにって思うんですよね。
それと食文化の違い。ナポリにはピッツァ・フリッタと言って、ピッツァを油で揚げて食べるんです。フィレンツェ近辺では全く見ないです。今、イタリアでは「ストリートフード」が流行りなんですが、フィレンツェではいわゆるパニーニです。ナポリでは、この揚げピッツァとかイカフライや小イワシの揚げ物なんです。海に面したナポリならではの「ストリートフード」ですよね。
また、バールではフィレンツェで見るような生ハムやハムがはさまっているパニーニが全く見られなかったのも驚きでした。ナポリでパニーニはウィンナーをパン生地でくるんで焼いたものや、お肉を刻んだものが入っている丸いパンでした。バールでは甘いものしか見なかったです。ナポリの甘い物名物は、「スフォリアテッラ」と呼ばれるお菓子。フィレンツェでもたまに見ますが、大きさが違う。フィレンツェで見る「スフォリアテッラ」の3倍ぐらいあります。
「スフォリアテッラ」には、2種類あって皮がサクサクするパイ生地のものと、大きなクッキーのようなクッキー生地のものです。中にはリコッタチーズでできたクリームとオレンジピールが入っているのが伝統的なもの。クリームもフィレンツェでよくあるカスタードクリームは見ませんでした。クリームにリコッタチーズを使うのが、ナポリ式のようです。パイ生地のものには、中にチョコレートクリームやヌテッラ(ヘイゼルナッツのクリーム)が入ってるのもありました。
そして、「アランチーニ」と呼ばれるお米の食べ物もあります。これも揚げ物なんです。ナポリ人は揚げ物が好きだなあ・・・。ごはんでモッツァレラチーズや「ラグー」と呼ばれるミートソースを包み込み、それをコロッケのようにして揚げるんです。丸い形や山の形のように先がとんがったものもあります。私の子どもたちは、「アランチーニ」が好きで、家の近くのシチリア人が経営するバールで、時々食べます。
それと、ナポリの中心地では中国人はほとんど見ませんでした。フィレンツェでは、中国人が経営するお寿司屋さんやチャイニーズレストランが至る所にありますが、ナポリでは1軒しか見ませんでした。ナポリでは、アフリカ系の人たちを多く見ましたね。そして、モロッコ系なのか、インド系なのか、そういう人たちが働いている「ミニマーケット」がたくさんありました。小さなスーパーで、日本で言ったらコンビニみたいなものですね。やっぱり、アフリカに近いからなのかな、とも思いましたけど。それも、私にとってはちょっとした発見でした。
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