2025年05月02日22時07分掲載  無料記事
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アジア

韓国大統領選挙はあと一ヶ月  中間層はどこに投票するか  安田幸弘

韓国大統領選挙はあと一ヶ月。ここに来て最有力候補とみなされている李在明氏の無罪判決を大法院が有罪趣旨で破棄差し戻し。 
 
李在明支持者は「政治判決だ」とカンカンに怒ってるけど、そもそも高裁の無罪判決はかなり踏み込んだ判断だったわけで、差し戻しはそれほどとんでもない判断じゃないと思う。もっとも、ぼくは法律や裁判には詳しくないので専門家はどう考えるか知らないけどね。 
 
判決の動機が政治的かどうかはともかく、この判決が大統領選挙に与える影響は決して小さくない。3割ほどの李在明コア支持層は「政治的判決だ」で固まってるから影響はないとしても、選挙を決める4割程度の中間層は、それなりに動揺するだろう. 
 
するってーと、李在明から離れた中間層がどこに投票するか。 
 
いまのところ、国民の力は親尹の金文洙か反尹の韓東勲のどちらかになりそうなんだが、尹錫悦は職権乱用で起訴されるし、金建希夫人は統一教からの賄賂でガサ入れを食らってるし、親尹を取り巻く状況はよくない。反尹の韓東勲が最終候補になれば反李在明の中間層の票を食ってかなり善戦するかもしれない。 
 
ところで前から噂のあった親尹の韓悳洙総理も無所属で立候補を表明。保守系の候補が一本化されるのかどうかも見どころ。 
 
差し戻しを食った李在明陣営は、いずれにしても軸足を保守側に移して中間層の取り込みに力を入れることになる。どこまで保守に寄るかは相手次第だけど、民主が政権を取ると資本よりの既得権保守政党になるのはいつものこと、問題は歴史問題やフェミニズム、南北問題などリベラルのアイデンティティみたいな政策をどう位置づけてくるか。 
 
まあ、所詮外国の選挙だけど、やっぱり韓国の選挙は面白い。 


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