2025年11月12日23時22分掲載  無料記事
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外国人労働者

日本人ファーストの潮目に変化か 立花容疑者逮捕に友人の河合市議沈黙

 「日本人ファースト」派と外国人差別反対派の潮目がやや変わったかー。河合悠祐・埼玉県戸田市議会議員が12日午後7時から、JR西川口駅前(川口市)で「日本人ファースト」を訴える街頭演説をした。これに対し、外国人差別反対を訴える市民らが迎え撃つ形で駅前に集まり「帰れ!、レイシスト(民族差別主義者)」などと叫んだ。元兵庫県議の名誉を毀損した疑いで逮捕された「NHKから国民を守る党」(NHK党)党首の立花孝志容疑者と河合市議は非常に親しかったことから「立花と何話してたんだよ」とのヤジも飛んだが、河合市議は特に答えなかった。立花容疑者と河合市議は10月26日、埼玉県戸田市の戸田公園駅前で一緒に演説もしていた。(石山永一郎) 
 
 河合市議が街頭演説を終えて立ち去った後、差別反対、反ヘイトスピーチ(憎悪表現)派の60代の日本人男性は「立花容疑者の逮捕で、河合氏も今日はやりにくそうに見えた。潮目がやや変わったように思う」などと話した。 
 
 「蕨市人口の14%が外国人」 
 
 街頭演説には河合市議のほか、エジプト出身のタレント・フィフィさん、政治団体代表のふじわらちかこさんも加わった。 
 現場を取り囲んで反応していた人たちのうち、河合市議支持派が約40人、差別反対、反ヘイト派が約50人ほど。取り囲む警察官は約100人。圧倒的多数の歩行者は無言で通り過ぎるだけだったが、反応していた人の数では差別反対派が上回っている印象だった。 
 河合市議は川口市に隣接する埼玉県蕨市を特に取り上げ「外国人人口が今、14%に達した。このままだと(移民を受け入れている)欧州のように治安が悪化する」「蕨市長が共産党だからこうなる」などと訴えた。 
 
 「もう共に生きている」 
 
 蕨市の外国人人口がほぼこの数字になっていることは同市統計からもうかがえる。また、頼高英雄・蕨市長が全国の市で唯一の共産党籍を持つことも事実だが、これに対して差別反対派は「外国人がいなければこの街はもう成り立たない」「私たちは既に共に生きている」などと反論した。 
 現場を見た蕨市在住のケーキ工場職員のフィリピン人女性(55)は「約230人いる工場で働いているのは、ほとんどが私たち外国人で、日本人は約10人のみ。外国人がいなかったらどうするの?」と話していた。 
 街宣車上からマイクで人々に訴えかける河合市議に対し、差別反対派は立ち止まらずに歩きながら5、6機のハンドマイクのボリュームを上げて応戦。これに河合市議は「犯罪だ」と非難したが、衝突はなく、警察は車道の歩行を規制するだけだった。 


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