2026年04月01日21時08分掲載  無料記事
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科学

先端技術に基づく人類自滅の恐怖 (II) 人工知能 (AI) の問題点

 最先端の技術がAI(人工頭脳)であることは、いうまでもないことです。この技術の運用は、急速で、多方面に及んでいます。筆者などが、その問題点の全てを論じることなどとてもできません。AI利用の問題点、AIを取り仕切る装置が引き起こす問題点のいくつかを紹介します。(落合栄一郎) 
 最近、AIで最も話題になったのは、2月の初旬、カナダBC州の山中にある小さな町(Tumbler Ridge)での事件です。多分日本でも大きな話題になったものと思います。若い女(男性だが女性と称している)が、中学校に銃を持って現れ、見境なく銃を発し、教師一人と生徒たち(5人)を殺害し、その前には、母親と、自分の兄弟を殺していた。 
 カナダでの銃の所有問題もあるが、それとは別に、この人間が、半年ほど前には、AIを使って、大量殺人の漫画みたいなものを作っては楽しんでいたらしい。このことは、AI提供の会社の方では把握していて、この人間にはAI使用を停止する手段を取っていたらしい。しかし、彼は、巧く避けてAIを使い続けていた。AI提供社の方は、このことを地元の警察には通報していなかったので、事件は突如の衝撃であった。AIがこのような使い方では、やってみたいことをAIで実現してみて、現実にやってみようとすることは、良いことにも悪いことにも応用できるであろう。 
 マサチューセッツ工科大学で、AI使用が、頭脳に及ぼす影響を研究した結果が発表されている [1]。詳細はまだみておりませんので、この報告[1]の要点だけを紹介しておく。54人のテスト受験者(学生と思う)を3組に分けた。第1組はChatGPTを使用、第2組はGoogleを使って調べること、第3組は、そうしたものはいっさい使わず自分の頭脳のみ。そして、それぞれにアメリカの入学時に要求されるようなエッセー(随筆)を書いてもらう。その間、対象者の頭脳は、EEG(脳波検出器)でスキャンした。その結果、第1組(AI使用)のものもの脳波活動は、3組中最も少なく、第3組のものの脳が最もよく働いていた。 
 エッセーそのものだが、第1組の学生のものは、ChatGPTが作り出したものに非常に近く、学生自身の考えは反映されていなかった。これを見た教師は、これらはどうもロボットが書いたみたいだと言った。しばらく後に、第1組の若者に、もう一度AIを使わずに自分たちの書いたものを書いてみてほしいと頼んだところ、自分の書いたことをなかなか思い出せなかった。AIを使わなかった第3組の試験者に、ChatGPTを使わせたところ脳の動きはよかった。最初に自分の脳を使ってからなら、AIもより有用になるようである。 
 最近は、小学校でもAIを授業に用いるようになったが、非常に問題があるようで、さまざまな報道がある。アメリカでは、パブリックスクールの60%ほどが、ChatGPTなどのAIを用いているそうである。授業以外での教師の仕事時間が週に6時間ほど短縮できるようである[2]。それは授業以外の仕事の短縮で、AIは有効である。問題は、しかし、生徒が、AI依存になり、脳の活動が鈍る心配である。おそらく、この問題が、AIによる支配の根本の脅威であろう。 
そして、AIからの応答が、誰によって作られた、いや作らされたプログラムに基づくのか、どのようなデータに基づいているのか、などなど、真実を見極めるのは非常に困難。 
 例えば、気候変動問題に関する質問について、回答が、政府側のデータ、いやそれに批判的な論も含めたデータのどちらに基づいているのか、AI以外からの情報なども検討して、本当のことを見極めようとすることなど、なかなか難しい。そうなると、AIを支配している側の言いなりに従う世界になっていく可能性がある。現在、ChatGPTが、自殺関連の質問に対して、自殺の方法を指示したりすることなどもあるようである[3]。自殺までとは言わないが、AIで会話していると、精神異常を引き起こすことがあると懸念されている [4]。 
 研究の場面での影響はどうか。一つの報告 [5]は、量子力学、生物物理などの分野で、58件の研究を見てみたのだそうである。そういうところで用いたAI (LLM4SD)では、量子力学的計算を見積もるのに、その正確度は48%上昇。また、こうしたAIは、医薬品を発見するのに有効であり、気象予想などにも有効だそうである。しかし、チュービンゲン大学の学者が、科学論文を調査した結果 [6]、年に20万ほどの論文がAIを使って書かれていたことがわかった。それらにはAIに基づく間違いや、間違った文献を引用しているなどがあったそうである。 
 さて、こうしたAI使用の有効性/問題点は別にして、AIを作り出す装置、エネルギー使用量なども問題視されている。日本でも、そのようだが、AIのための膨大なデータを保留する装置、今や、あちこちで、そうした建物の建築が問題視されている。そして、それに使われる膨大なエネルギーの供給をどう保持するか。例えば、例のスリーマイルアイルランドの原発では、その2号機が事故 (1979年)を起こしたので、1号機の方も、ついでに一緒に廃炉にすることになっていた。ところが、このAI作動に必要なエネルギー供給のために、その廃炉策をやめておこうとしている。他でも、こうしたエネルギー源として、原発を用いようとする動きが増えている。気候変動に有効として、原発(新しいSMRなども含めて)使用が増えてもいるようである。これは別問題だが、人類の将来にとって大危機である。 
 原発が戦争で攻撃の対象になるように、現在、イランで起こっている戦争で、イランは反撃の一つとして、バーレインやUAEにあるアマゾン、マイクロソフトのデータセンターをドローンで攻撃した [7]。この攻撃の結果の詳細は知らされていないが、十分なデータが破壊されれば、この施設が関与している攻撃政策などに問題が発生するであろう。 
 
[1] https://www.censoredscience.com/2025-06-23-chatgpt-cognitive-decline-lazy-brain.html 
[2] https://www.naturalnews.com/2025-06-27-teachers-embrace-ai-lesson-planning.html 
[3] https://www.naturalnews.com/2025-09-07-ai-chatbots-provide-responses-to-suicide-queries.html 
[4] https://www.globalresearch.ca/chatgpt-triggers-psychosis/5893338;https://www.rt.com/news/620796-ai-chatgpt-psychosis-mental-health/;https://www.rt.com/news/621031-ai-psychosis-driving-insane/;https://expose-news.com/2026/01/11/ai-shows-symptoms-anxiety-trauma-ptsd-ruining-your-mental-health/ 
[5] https://www.naturalnews.com/2025-03-01-how-generative-ai-is-revolutionizing-scientific-discovery.html 
[6] https://www.censoredscience.com/2025-07-07-200000-science-papers-in-pubmed-may-have-been-ai-generated.html 
[7] https://www.naturalnews.com/2026-03-08-iranian-drones-target-data-centers-middle-east.html 


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