2026年05月16日07時15分掲載
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国際
「西サハラ人権キャンペーン」【西サハラ最新情報】 平田伊都子
国連ニューヨーク本部に並ぶ国連ケニア本部の構築が本格的に始まりました。 国連ケニア本部の竣工式には、アントニオ・グテーレス国連事務総長やアミナ・モハメド国連事務次長やケニア大統領に加え、エマヌエル・マクロン・フランス大統領が、出席しました。
フランスは、前世紀から支配していた西アフリカから背を向けられ、ケニア新国連本部に唾をつけておきたいようです。
ケニアはSADR(西サハラ・アラブ民主共和国)を承認しています。
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CORCAS, MAP, MWN など、モロッコの主な情報機関は、ムハンマド六世陛下の名前を出す時に必ず、<陛下に神の御加護がありますように>と、接頭語をつけ、モロッコの外交政策を披露した後には、これも必ず<陛下の明晰な外交政策のおかげで>と、賛辞をつける。このところモロッコは、賛辞に満ち溢れ有頂天だ。
モロッコ有頂天その1−2025年10月31日に国連安保理決議2797をトランプ政権のウオルツ国連大使に可決してもらったモロッコは、「<西サハラをモロッコの自治州とする>案も考慮」という一項のみを拡大解釈し、<国連は西サハラのモロッコ領有権>を認めたと宣伝している。
モロッコ有頂天その2―2026年2月にトランプ次女の義理の父ブーロスを、<西サハラ・モロッコ自治州>の宣伝マンにした。そもそも、<西サハラ国王領有地案>は、トランプ第一期の2020年12月にトランプ娘婿ジャレッド・クシュナーが企んだものだ。そのクシュナーを継いだトランプ次女の義理の父ブーロスは、3回にわたり関係者と個別に秘密接触した。
モロッコ有頂天その3―2026年5月7日、ステファン国連報道官は、西サハラ担当国連事務総長特使スタファン・デ・ミストラの伝達と但し書きをつけ、「MINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)から、5月5日にスマラ近郊でポリサリオ戦線によるロケット攻撃があったとの報告を受けた」と発表した。そもそも、この報道官はモロッコ寄りで、2018年にマチュー・リー記者を西サハラ寄りだとモロッコ国連大使と結託して国連ビルから追放した前科がある。報道官に、即、追随したモロッコは、「ポリサリオ難民軍はテロリスト」とレッテルを貼った。
モロッコ有頂天その4−トランプ派共和党議員に西サハラ・テロリスト指定案の提出を迫る。ベネズエラやイラン同様、トランプは文句なしに西サハラを殲滅してくれると、モロッコは期待している。
かくして、モロッコ国王は、「トランプ娘婿ジャレッド・クシュナー、クシュナーの親父に留学費用を出してもらったネタニヤフ・イスラエル首相、さらにトランプ、という強力バックで西サハラはいただき!」と、明晰な外交判断をされた。
そして、モロッコはトランプ・ロビー活動のため麻薬商売に励む。大麻は国王企業で、それ以外のモロッコ国内大麻取引は、禁じられている。5月14日、モロッコ警察はカサブランカで3.4トンの不法密輸大麻を押収した。が、スペイン警備隊が発見したモロッコ・フニデク地区〜セウタ・タラハル地区での秘密麻薬トンネル捜査に、なぜか、モロッコは協力を断った。
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有頂天のモロッコ国王に真っ向から対抗する金も力も、西サハラ難民にはない。西サハラ難民にあるのは、国連が保障する民族自決権と民族独立権、そして、人間らしく生きる権利だ。
西サハラ難民と被占領民の人々は、西サハラ囚人保護協会と西サハラ人権擁護委員会などが核になって、<西サハラ難民とモロッコ占領地の西サハラ被占領民の状況を訴えるキャンペーン>を始めた。そして、頻発している、被占領民を狙ったモロッコ当局による不法拉致問題に焦点を当てた。
一つの例として、アブデルムーラ拉致事件を取り上げてみる。
2026年5月4日月曜日の朝、モロッコのアスフィ刑務所から釈放されたばかりの無実の囚人アブデルムーラ・エル・ハフィディが、モロッコ占領軍の公用車に乗った部隊によって、アジュリフィア地域(占領下の都市ブジュドゥールの南)で拉致された。誘拐から一日後、ブジュドゥール市から約175キロの人里離れた砂漠で、通りかかった車が瀕死のアブデルムーラ・エル・ハフィディを発見した。すぐに家族に知らせ、病院に搬送した。モロッコ占領軍は一旦釈放したこの元囚人を、法的根拠なしに不明な場所へ連行し、拷問し、「ポリサリオ戦線の兵士でテロリスト」という自白を捏造しようとした。が、失敗し、彼を砂漠に捨てた。
西サハラ囚人保護協会は、国連安保理や国連人権理事会にモロッコ占領当局による不法拉致や拷問の追跡調査と、人権監視機関の設置を求めた。
2例目として、アフマト・レクイリを紹介する。彼は、モロッコのアガディールにあるアイト・メルール刑務所から5月の初めに突然、姿を消した。彼は、刑務所内で受けた人種差別や過酷な扱いや、看守や他の囚人からの虐待を、家族に訴えていた。彼は今も行方不明だ。
2026年5月10日から13日にかけてガンビアの首都バンジュールで開催されたアフリカ人権人民委員会の第87回会合に、西サハラの人権委員会と囚人保護協会が出席し、モロッコ占領地・西サハラでのモロッコ当局による被占領民に対する虐待を訴えた。フランスやイタリアやスペインでも、モロッコ占領地における西サハラ住民への虐待について、集会が開かれた。イタリア・西サハラ連帯ネットワークは、MINURSO(ミヌルソ・国連西サハラ人民投票監視団)の曖昧な立場に深い懸念を表明した。
2007年からモロッコ国王が主張してきた<西サハラ・モロッコ自治州案>は、西サハラ難民と被占領民の間で慎重に検討されてきた。西サハラの人々は、祖国が独立を勝ち取るまで50周年を迎えた独立運動を続けていこうと、民主的に決めた。もし、西サハラの人々がモロッコ自治州を選んだら、私たちは西サハラの応援を辞めさせてもらう。が、西サハラの人々は独立への戦いを選んだ。応援します!
��世界の目がケニアに、アフリカに、そして日本に?:
ザンビア、アンゴラ、ケニア、南アフリカを歴訪した茂木敏充外務大臣は、5月5日の南ア・プレトリア記者会見でケニア訪問に関し、「日本のアフリカ外交に関する政策演説を行ったところ、250名ぐらいと考えていたが、570名の方が参加した」と、日本に対するアフリカの関心の大きさを、語った。
2026年5月11日の国連定例記者会見でファルハン副報道官が、「本日(5月11日)ナイロビにおいて、事務総長は、ケニアのウィリアム・ルト大統領、アミナ・モハメッド副事務総長などと、UNON(ナイロビ国連事務所)敷地内で行われた新会議場の起工式と新オフィス複合施設の落成式に出席した。事務総長は、アフリカそしてケニアが国連の活動と未来において果たす中心的な役割を果たすと述べた。」と報告した。
5月13日の定例記者会見で副報道官は、「事務総長はアジスアベバAUアフリカ連合本部で、アフリカ連合委員会のマフムード・アリ・ユスフ委員と、第10回アフリカ連合・国連ハイレベル対話に出席した。」と、言及した。
安保理5月議長国中国の傅聡国連大使は、「5月安保理の3方針は、第1に国連憲章の権威と国連の役割を再興、第2に中東問題の政治的解決を促進、第3にアフリカ諸国の安定した発展を支援」と発表した。
5月10日、ブラヒム・ガリ西サハラ共和国大統領兼ポリサリオ戦線事務総長は、安保理5月議長の中国国連大使に書簡を送り、一部の政府が最近発表した無責任かつ不正確なポリサリオ軍事活動批判声明を強く非難した。そして、「これらの政府から、西サハラで民間人を標的にして殺害し、民間施設を破壊したモロッコ占領軍を非難する声が上がったことは一度もない、、」と、西側諸国の一方的なモロッコ軍事行動支持に異論を唱えた
さらにガリ西サハラ共和国大統領は具体的な事例を挙げて、「2020年11月13日の停戦協定違反以来、モロッコ占領軍が無人航空機(UAV)を含むあらゆる種類の兵器を使用し、西サハラ出身者だけでなく、アルジェリア、モーリタニア、および西サハラ解放地域を通過する他の国の罪のない民間人を冷酷に殺害してきたことは否めない」とし、国連安保理メンバー諸国にこの書簡を回覧するよう、中国国連大使に要請した。
5月14日の国連定例記者会見で報道官が、「事務総長は今週末、日本の東京を訪問し、国連システム調整委員会(CEB)の隔年会合の議長を務める」と、発表しました。 日本は国連加盟70周年にあたります。
事務総長は<70周年を祝して:日国連協力、EXPO 2025、そして多国間主義の未来>と題されたシンポジウムに参加し、国連とのパートナーシップと多国間主義を強調する予定です。 詳細は国連大学にお問い合わせください。
「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :
https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL:
https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:
https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL:
https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2026年5月16日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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