2026年07月02日13時46分掲載  無料記事
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入管

ウィシュマさん映像開示訴訟 遺族側、国に非開示理由の説明求める

名古屋出入国在留管理局で2021年3月に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡前の監視カメラ映像の全面開示を求める訴訟の口頭弁論が6月25日、東京地裁で開かれた。 
 
この訴訟で遺族側が求めているのは、ウィシュマさんが死亡するまでの監視カメラ映像約295時間分の全面開示である。これまでに国側から提出された映像は約5時間分にとどまっており、遺族側は、死亡に至る経緯を検証し、ウィシュマさんに何が起きたのかを知るため、全映像の開示を求めている。 
 
この日の弁論では、原告側が国側に対して行っていた求釈明への対応が焦点となった。求釈明とは、訴訟の中で相手方の主張や根拠が不明確な点について説明を求める手続きである。 
 
国側はこれまで、映像には職員や他の収容者の顔、施設内の構造、監視カメラの位置、鍵や窓などが映り込み、巡回の時間帯や警備体制が推測される可能性があるとして、開示には支障があると主張している。 
 
原告側は、こうした非開示理由の根拠について、国側に具体的な説明を求めていた。原告側代理人の指宿昭一弁護士によると、原告側が最初に求釈明を行った際、裁判所側からもこの点に関心を示す発言があったという。 
 
しかし、国側は求釈明の大半に回答せず、今回の弁論でも「回答する必要はない」とする姿勢を示した。これを受け、原告側は、国側の主張の前提が明らかにされないままでは審理を進められないとして、裁判所に対し、改めて国側に釈明を促すよう求めた。 
 
閉廷後には、国側の非開示理由や今後の審理について、原告側代理人から説明があった。 
 
原告側代理人の駒井知会弁護士は、国側の非開示理由について疑問を示した。国側は、監視カメラの位置や鍵、窓などが映ることを保安上の支障として挙げているが、駒井弁護士は、過去に入管施設内部を撮影した映像が公開されている例もあると指摘。国側が開示に支障があるとする理由について、審理の中で説明が尽くされる必要があると述べた。 
 
指宿弁護士は、報道や傍聴への関心が薄れていくことへの懸念を示した。期日を重ねる中で傍聴席の空席が増え、報道も少なくなれば、事件への社会的関心は弱まっていく。そうした状況を避けるためにも、裁判を見続ける人がいること、報道を通じて社会に伝え続けることには意味があると説明。傍聴や報道、SNSでの発信を通じて、この訴訟が社会から注目されていることを示し続けることが重要だと呼びかけた。 
 
また、駒井弁護士は、ウィシュマさんが亡くなった当時は事件を知る人も多かったが、現在は事件を知らない若い世代もいるとして、報道が「何があったのか」を知るきっかけになることへの期待を示した。 
 
ウィシュマさんの死亡をめぐっては、名古屋地裁で国に損害賠償を求める別の訴訟も続いている。指宿弁護士によると、名古屋地裁の国賠訴訟は7月22日の期日で結審する可能性が高く、その後は判決を待つ段階に入る見通しだという。 
 
東京地裁で続く映像開示訴訟の次回期日は、10月1日午前11時から、同地裁419号法廷で開かれる予定である。 


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