2026年09月13日16時58分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202609131658270
人権/反差別/司法
日本に「国内人権機関」を JCoNが設立推進へ、2028年度中の実現目指す
日本に国内人権機関「National Human Rights Institution (NHRI)」を設立しようと、「NHRI設立推進ネットワーク」(JCoN)は10日、都内で結成記者会見を開いた。
会見には、JCoNの発起人である英国エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗さんが英国からオンラインで参加した。藤田さんは、NHRIとは国際人権条約などで定められた基準を国内の人権保障に生かすための機関だと説明。世界では119機関、アジア太平洋地域には26機関が存在する一方、日本にはいまだ設置されていないと報告した。
NHRIは政府から独立した機関であるため、人権侵害の申し立てを受理し、関係者への事情聴取や証拠書類の提出を求める「調査権限」などが与えられるという。さらに、政府や議会などに対して人権保護のための立法・行政措置や、既存の法令・慣行の変更を勧告する「勧告・意見表明権」なども持つとされる。
日本政府はこれまで再三再四、国連人権機関からNHRIを整備するよう勧告を受けてきた。しかし、政府は「法務省の人権擁護局で十分だ」と反論し続けているという。これについて藤田さんは、法務省の人権擁護局にはそもそも独立性がないため、NHRIのような役割は果たせないと指摘した。
また、藤田さんは政府だけでなくメディア側にも課題があると指摘した。日本政府が国連からNHRIを設置するよう求められている事実について、これまで積極的に報道してこなかったメディア側にも一定の責任があるとの考えを示した。
JCoNは、個々の団体や個人がそれぞれの現場で活動を続けながら、NHRI設立という共通の目標に向けて連携することを目指している。JCoN事務局長を務める山本悠一弁護士は「各団体や各個人がそれぞれの現場で活動を継続しつつ、NHRI設立という共通の課題に向かって連携し、横断的なプラットフォームを作りたい」と語った。
会見では、JCoN事務次長の小田佳祐さんがJCoNの「中期事業活動計画」を公表した。2028年度中のNHRI設立を目標とし、2026年度は地域イベントや勉強会などを開催してNHRIの認知拡大を図るほか、設立に向けた基盤形成に注力するという。
日本には現在、政府から独立した立場で人権問題を扱うNHRIが存在しない。JCoNは今後、さまざまな分野で活動する団体や個人を横断的につなぎながら、NHRI設立の必要性を社会に広げていく考えだ。2028年度中の設立という目標に向け、NHRIをめぐる議論が日本社会でどこまで広がるかが注目される。
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。