2026年09月26日13時57分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202609261357366

環境

つくば市に国内最大級のデータセンター、住民が公開説明会を要求

 茨城県つくば市大穂の「高エネ研南側用地」で、大規模なデータセンター開発が進んでいる。約45ヘクタールの土地に複数棟を建設する計画で、完成時の最大受電容量は1,000MW。国内最大級のデータセンターとなる見通しだ。 
 
 開発を手がけるのは、オーストラリアに本拠を置くグッドマン・グループの日本法人「グッドマンジャパン」。つくば市土地開発公社は2022年、同用地をグッドマンジャパンつくば特定目的会社に約110億円で売却した。1棟目は受電容量50MWで、今年2月に着工している。 
 
 しかし、この大規模開発をめぐり、周辺住民からは生活環境への影響を懸念する声が上がっている。今年4月には、建設計画について十分な説明を受けていないとして、住民団体「データセンターから市民を守る会」が発足。9月6日につくば市内で開かれた設立総会には約200人が参加した。 
 
 同会の柳町弘幸会長(63)は「つくば市内に国内最大級のデータセンターができるというのに、グッドマンジャパンは周辺住民に対し、市民生活への影響などについて丁寧な説明をしていない」と話す。 
 
 住民側が懸念しているのは、排熱や騒音、水の利用、非常用発電機からの排ガスなど、施設の稼働に伴う生活環境への影響だ。これらについて、住民側は事業者や市から十分な説明を受けていないとしている。 
 
 柳町会長によると、同会は今年6月、グッドマンジャパンに説明会の開催を求める要望書を提出。その後も回答を求める再要望書を提出したが、「回答は得られていない」としている。 
 
 一方、グッドマンジャパンは8月中旬、事前に案内した住民らを対象に説明会を開催した。会場はレストランなどで、食事や手土産が用意されたという。柳町会長は、参加者の選定方法や説明会のあり方について疑問を呈し、「説明会というよりも接待に近い」と指摘する。 
 
 また、住民側は、事業者だけでなく、土地を売却したつくば市にも説明責任があると訴えている。同会は8月31日、つくば市議会に請願を提出した。〈つくば市による市民向け公開説明会を開催すること〉、〈環境及び生活環境への懸念について説明すること〉、〈グッドマンジャパン株式会社に対し、公開説明会への出席及び説明を求めること〉などを求めている。提出時には周辺住民ら約470人分の署名も添えられた。請願は9月定例会で審査される。 
 
 柳町会長は「つくば市は、日本データセンター協会が策定した『データセンター地域共生ガイドライン』に則り工事を進めていくと説明するが、ガイドラインに書いてある“住民との共生”については全く守られていない」と指摘する。 
 
 公有地の売却を起点に進められてきた大規模開発は、地域社会との共生をめぐる問題へと広がっている。1,000MW規模の施設が地域社会にどのような影響を及ぼすのか。行政と事業者がどのような根拠やデータを示し、住民の疑問にどう向き合うのかが問われている。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。