2026年10月03日10時20分掲載  無料記事
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国際

「ガザ戦争は4年目、西サハラ紛争は51年目」【西サハラ最新情報】  平田伊都子

 9月24日、ネタニヤフ・イスラエル首相はマムダニ・ニューヨーク市長などがICC逮捕状の執行を求め、殆どの加盟国が抗議の退席をする第81回国連総会で、「イスラエルはジェノサイドなどやってない」と叫び、ニューヨークから逃げ去りました。 
 9月30日、西サハラ外交団は国連でも何かと物議を醸し出しているトランプ米政権のニューヨーク国連代表部を直撃しました。 
 
��4年目に突入したガザ戦争: 
 2026年9月24日、トランプ米大統領は結局パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長にビザを出さず、議長は国連総会へ録音メッセージを送った。その数時間後、ニューヨーク市や世界各国やICC国際刑事裁判所の反対を無視して国連に乱入したネタニヤフ・イスラエル首相は、英雄気取りで演説し、イランやパレスチナ・ガザ地区など中東各地での軍事作戦を「我々は勝つ。他に選択肢はない」と、ガザ戦争4年目突入を宣告した。 
 ネタニヤフ首相に反発して会議場を去っていく代表団に「道徳的に弱腰の臆病者がまだ会議場に残っているなら、今すぐ出て行け」と、罵声を浴びせた。 
 ネタニヤフ首相は、イスラエルがガザ地区でジェノサイド(集団虐殺)をしているという批判を否定し、自分を批判した国々や指導者たちを激しく逆批判した。 
 しかし、2023年10月7日から2026年9月26日まで、イスラエル首相が74,016のガザ市民を殺したのは、事実だ。 
 「(自分を批判する者たちは)イスラエルを、ごくごく小さいイスラエルを、植民地主義だと非難している。我々を非難するのは、いったい誰か? その中にはイギリスやフランスの人々も含まれる。なんていうことだ。そもそも植民地主義という表現を作り出したのは、彼らなのに」 
 ネタニヤフ首相はさらに、トルコのエルドアン大統領を「暴君」と呼び、パレスチナの武装組織ハマスを支援していると述べた。エルドアン大統領は9月22日の国連総会演説で、ガザ地区とヨルダン川西岸地区の人々が直面している不正義は「人類の良心を深く傷つけるものだ」と批判していた。 
 ネタニヤフ首相は、国連本部のあるニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長も批判した。マムダニ市長は今年7月、ネタニヤフ首相を拘束すると公言していたが、後に自分にはそのような権限がないと撤回している。「あんたが市長に選出されて以来、多くのユダヤ人がニューヨークで身の安全を感じられなくなっている」「Shame on you!くそったれ!!」と、罵倒した。 
 マムダニ市長の事務所は声明で、ネタニヤフ首相が「パレスチナ人虐殺を正当化するために、根拠のないうそを繰り返した」と述べた。 
 マムダニ市長は、「ネタニヤフ・イスラエル首相がどんなにたくさん嘘を言おうとも、ICCが出した逮捕状は厳然として存在する。紛れもなく、戦争犯罪人だ」 
 ガザ戦争は、4年目に突入した。パレスチナ・イスラエル戦争は1948年から78年続いている。一方、西サハラ紛争は51年目に突入した。 
 
��51年目に突入したモロッコの西サハラ占領; 
 2026年9月16日、アメリカ・イスラエル・モロッコの外交官3人、ウォルツ米国連大使、サール・イスラエル外相、ブリタ・モロッコ外相が、米国連代表部で会談をした。そして、「米国とイスラエルは、西サハラの南部諸州(西サハラ)に対するモロッコの主権を改めて承認した。」と、三国共同声明を発表した。モロッコは完璧に西サハラをものにしたと、大喜びした。 
 国連も西サハラも排除したこの共同声明に、西サハラ難民政府は大反発した。 
 9月30日、劣勢に立たされた西サハラ難民政府はサレク元外相とオマル西サハラ国連代表とベイサット外相からなる西サハラ外交団を米国連代表部に送り、ウォルツ・トランプ米政権国連大使と直談判をさせた。 
 オマル西サハラ国連代表はSPS(サハラ・プレス・サービス)に「西サハラ代表団は会談の中で、西サハラの脱植民地化に向けた和平プロセスを推進するための国連の取り組みを、西サハラ側は支持したいという意思を改めて表明した」と、語った。「代表団は、いかなる解決策も、国連総会決議と国際法に基づく西サハラ民族自決権と独立権を保証しなければならないとし、モロッコの占領を正当化する解決策は、断固として拒否することを主張した」と、報告した。 
 西サハラ代表団が、「友好国アルジェリアの難民キャンプに現在滞在している西サハラ人は、自然災害や環境要因によって難民になったのではなく、1975年以来のモロッコ軍による西サハラ侵攻と占領によって難民にならざるを得なかった」と、説明すると、ウォルツ米国連大使は納得し、写真に納まった。トランプの元大統領補佐官ウォルツがどこまで理解したのか疑問だ? 
 が、1991年にアメリカの共和党強硬派ボルトン達が国連西サハラ人民投票という和平解決策を出し、モロッコも西サハラも承諾し、共和党元国務長官ジェームス・ベーカーが人民投票の実現を目指したのは事実だ。筆者は人民投票のための西サハラ住民認定作業を取材し、短編動画にまとめている。 
 10月8日、ギリシャ議長国の下、安保理がMINURSO(ミヌルソ西サハラ人民投票国連監視団)に関する非公開協議を行う予定だ。安保理は、国連事務総長が提出する西サハラ情勢に関する報告書を検討する。慣例に従い、安保理メンバーは、西サハラ担当事務総長個人特使スタファン・デ・ミストラ氏から和平プロセスの現状と見通しについて、また、事務総長特別代表兼MINURSO代表のアレクサンダー・イヴァンコ氏から当該地域の現地情勢について説明を受ける予定だ。 
 そして、10月末に2027年の西サハラ運命を決める安保理決議が採択される。 
 
��アルジェリアの西サハラ難民とモロッコ占領下避難民は、諦めない: 
 アルジェリア西端で西サハラ亡命政府を作る西サハラ難民と、モロッコ占領下で<西サハラ政治囚と家族を救う協会>を支える西サハラ被占領民は、諦めない。 
 2026年9月23日からモロッコのケニトラ刑務所で、6人の西サハラ政治囚がハンガーストライキを行っている。<西サハラ政治囚と家族を救う協会>が、ハンガーストライキ中の政治囚たちの身体状況を報せるようにモロッコ当局を促したが、無視された。特別な折に本人から家族にかかってくる電話だけが、情報源になっていた。 
 「母さん、俺、ラユーン刑務所の入り口にいるよ、、」と、政治囚バシール・ハッダ(写真の右下)から家族に電話が入り,慌てて家族が様態を聞こうとしたが、ツ〜ツ〜と信号音になり、切れた。9月25日の事だ。ラユーンはモロッコ占領地・西サハラにあり、彼は国外追放された事になる。 
 外部との連絡や医療や獄の改善を求めてハンガーストライキに入って9日後、国際アムネスティや政治囚家族などの絶え間ない強い要望に屈したモロッコ刑務所当局は、10月1日に緊急時の家族面会を許した。 
 10月1日の朝、西サハラ政治囚フセイン・ザウイ(写真下段の左隅)は、妻に会えた。妻は、ほとんど身動きができない、弱り切った二枚目の夫の姿にショックを受けた。フセイン政治囚は途切れ途切れに、「ハンガーストライキ初日から6日目まで独房に収容され、その後、最低限の生活必需品もなく、湿気と悪臭に満ちた独房に移送され、腎臓と脊椎の激しい痛みを訴えたが、刑務所の医者は診察しなかった」と、妻に語った。 
 そして、「仲間のハッサン・アル・ダ(中段左端)が移送される前に衣服を剥ぎ取られ、暴力を受けていた」と証言し、安否を気遣った。 
 アフメド・セバイ(上段右端)政治囚の妹も面会を許可され「やつれはてた兄は看守に支えられ、話すのも困難な状態だった」と述べた。彼は妹に、着ていた薄着以外すべての服を剥ぎ取られ、強制的に別の独房に移送されたと話したという。妹はさらに、「兄は慢性の心臓疾患を患っているにもかかわらず、何の治療も受けていない」と、付け加えた。 
 国際アムネステイーや国際人権団体が、モロッコ当局に西サハラ政治囚のハンガーストライキを調査するように求めた。究極の抵抗手段ハンガーストライキは、内臓を破壊するだけでなく神経も脳も、機能不全にしてしまう、、 
 素晴らしい西サハラの若者たちが廃人になっていくのは、辛いものがあります! 
 
 2026年9月29日、ムハンマド六世・モロッコ国王陛下は、真正近代党のファテイマ・エル・マンスーリ(50)女史を、モロッコ初の女性首相に任命されました。マスコミは「モロッコ国王大英断」と、国王を称えました。が、英断させたのがイスラエルであることを明確にしませんでした。 
 エル・マンスーリ女史はアンドレ・アズレ(イスラエルのユダヤ系モロッコ人ロビースト)の子分であることを、ベンキラーネ野党<公正発展>党首が暴露しています。 
 ベンキラーネ氏は、「エル・マンスーリを首相にするのは、モロッコをイスラエルに売ったことになる」と、反発しました。 
 
 
「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー 
定価:本体1,800円+税、 
発行人:松田健二、 
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―12―9、クランデイ―ルお茶の水201電話:03-3814-3861 
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 
「人民投票」日本語版 URL : 
https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
 
「Referendum」英語版 URL: 
https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL: 
https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
 
「Last Colony in Africa]  英語版URL: 
https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
WSJPO西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十2026年9月26日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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