2026年10月11日13時14分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202610111314340

核・原子力

【たんぽぽ舎発】原発延命の費用は誰が負担するのか(上)脱炭素電源オークションという仕掛け 山崎久隆

 政府は、脱炭素電源への投資回収の予見性を高める施策として、初期投資額が大く投資回収リスクが高い事業を対象とする「長期脱炭素電源オークション」制度を2023年度(令和5年度)に創設し、原発も対象としました。 
 
 2023年度の第1回入札では原子力の新設が、2024年度の第2回入札からは既設原発の安全対策投資が対象となりました。 
 同制度は、事業者が建設や大規模修繕等の投資を行った場合、運転開始後は発電量にかかわらず、固定費水準の容量収入を原則20年間得 
られる仕組みです(希望すれば20年より長い期間も可能です)。 
 
 ただし、他市場で得た収益の約9割は事後に還付されます。この制度は、原発の利活用推進に向けた事業環境整備の一環として位置づけられています。 
 
 その結果、既設原発の安全対策投資の区分では、第2回入札で、東電柏崎刈羽原発6号機(119.5万kW)、北海道電力泊原発3号機 
(90.2万kW)、日本原電東海第二原発(105.6万kW)が落札しました。 
 
 この区分の対象は、2013年7月の新規制基準の施行後、初めて再稼働する前の原発です。 
 新設の区分では、第1回で中国電力島根原発3号機(131.6万kW)、第3回で電源開発大間原発(138.1万kW)が落札しています。 
 第3回の既設原発の安全対策投資区分でも泊原発1号機で55.8万kWが落札されています。 
 
 これにより、事業者が運転開始後に得る固定費水準の収入は、小売電気事業者が負担する「容量拠出金」を通じて、最終的に電気料金 
から回収される仕組みが整備されました。 
 
 この制度は、もともと巨額の費用を投じなければ展開できない再生可能エネルギーや蓄電設備など、脱炭素電源の建設段階での投資回収 
を可能にすることで普及を促す趣旨で設けられたものです。 
 
 したがって、入札にかけるのは「設備容量(kW)」であり、発電電力量(kWh)ではありません。 
 つまり、実際にどれだけの電力量(kWh)を発電するかは結果であり、設備容量(例えば東海第二原発(110万kW)ならば、所内電力を差し引いた送電端で105万6千kW)を入札に出しています。 (中)に続く 
 
(たんぽぽ舎共同代表) 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。