2011年01月15日04時01分掲載  無料記事
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反貧困

フェアトレードの現場から 〜ニット製品1着で本を1冊ネパールへ〜

  フェアトレードの専門ブランド「ピープル・ツリー」は1月14日(金)〜2月14日(月)の期間、ネパールの生産者団体「クムベシュワール・テクニカル・スクール(KTS)」の女性が手編みしたニット製品を売りだす。このキャンペーンではニット製品が1点売れるごとに、本を1冊ネパールの小学校の図書館に寄贈する。 
 
  目標は日本とイギリスのピープル・ツリーから、KTSが運営している小学校の全生徒320人分の本を贈ること。購入したい本は算数、地理、スペリング(英語のつづり)や環境クイズ、物語など。 
 
  KTSは1983年にカトマンズで、「ポデ」と呼ばれる最下層カーストのコミュニティを支援するために設立された。ポデの人びとは、街路の掃除と人間の排泄物処理を仕事とするよう定められていた。報酬は少なく、家庭の残飯しかもらえないこともあった。極度の貧困生活を強いられ、仕事を変わりたいと思っても、生産手段や技術を持たない彼らには不可能な話だった。 
 
  カトマンズ渓谷にあるKTSでは、直接・間接雇用あわせて2,500人を超える女性たちが手編みの仕事を得ている。フェアトレードによって、彼女達は公正な対価が得られるだけでなく、仕事も継続することができるようになった。さらに技術指導に加え、医療・社会的サポート、保育、成人の識字教育、ローンなどのサービスも受けることができるようになった。 
 
  ピープル・ツリーとKTSは、過去16年間にわたりパートナーとしてフェアトレードを行ってきた。現在、KTSの売り上げの7割がピープル・ツリーからの受注による。ピープル・ツリーはKTSに技術指導やマーケティング、デザインなどの支援を行っている。 
 
(ピープル・ツリーの広報資料をもとにした) 
 
■ピープル・ツリーのホームページ 
http://www.peopletree.co.jp 
■昨年秋のキャンペーン記事 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201009280145022 
■創設者サフィア・ミニーさんの紹介記事 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201003180011454 


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