2012年01月24日13時46分掲載  無料記事
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市民活動

山羊を飼おう 山羊を連れて東北の被災者を慰問

  山羊は心を癒す伴侶動物でもある。前回紹介した全国山羊ネットワーク代表の今井明夫さん(新潟在住)から、宮城教育大学のチームが山羊を連れて東北の被災者を慰問しているレポートが寄せられた。 
 
  「宮城ヤギプロジェクトは7月に私が子ヤギ2頭を連れて仙台市と多賀城市を慰問した後、宮城教育大学環境教育実践研究センター(斉藤千映美教授)に預かってもらって、各地で慰問活動を続けています。春になったら、慰問活動が再開されるでしょう。」 
 
  以下は現地の体験レポートである。宮城教育大学のチームが今井さんから預かった山羊二頭を車に積んで仮設住宅を訪ねる。教育大のチームも山羊の飼育には日が浅いらしく、試行錯誤を重ねている様子がうかがえる。しかし、山羊を連れた訪問は被災者たちに歓迎されたようだ。 
 
12月11日に訪れた仮設住宅への訪問について、「ヤギのあしあと」です。 
 
■日時と天気 
12月11日(曇り)一時雨あり、風が強く、すこし肌寒い日 
 
■メンバー 
宮城教育大学佐々木さん、池澤しゅうさん(学生) 
10-BOXやまき、いしかわ 
 
■訪問場所 
卸町五丁目公園 仮設住宅(95棟) クリスマス会 
 
■スケジュールとふれあいの様子 
10:10 
やぎ小屋前で合流 
*「仮設のための情報誌『みらいん』」の編集者2名も同行 
 
10:55 
一旦10-BOXに寄り、ブロック代わりのテントシズを3つ積み込み会場へ 
 
11:00 
仮設住宅前の広場に到着。一旦裏側の草のあるところでヤギ休憩。2頭は公園の草や葉をムシャムシャ食べていた(とくにハルちゃん)。 
 
11:15〜13:00 
イベント内でのマイクで、ヤマキさんがヤギ登場の告知のあと、佐々木さんと池澤さんに連れられて、ハルちゃん、元気くん登場。イスに腰かけていた年配の方が多かったので、ヤギと一緒に近づいて順番に回っていった。その後はイベントのほかのプログラムの進行もあり、広場内に人工芝を敷いたなかで、来場者と触れ合った。 
 
・宮教大の近くに住んでいる、菊地さんという男性とお話した。以前、ヤギを飼っていたらしい。自分の家の近くは草木豊富なところなので、ヤギといっしょに遊びに来てといっていた。 
・仮設に住む農業学校に通っているという高校生の女の子が楽しみに待っていたらしく、ニコニコしながらやってきて、ヤギを抱っこしていった。 
・他の仮設の方や、仮設に住まれているご家族の方なども参加されていたらしく、小さいお子さんの姿もみられた。 
・最初ヤギには近寄れなかった男の子がいた。最後にお父さんに抱っこされながら、触れ合っていた。 
・5歳くらいの女の子が、ヤギが休憩している場所にきて、しばらくヤギのロープを握っていた。「黒ヤギさんからお手紙ついた〜」を口ずさんでいた。 
・ご年配の方は、昔ヤギを飼っていたお話や、近所にヤギがいたお話、ヤギの 乳を飲んだ話などをポロリポロリと語り始めた。 
・帰り際、ご年配の方から「ヤギに会えて癒されました〜ありがとう」と声を掛けていただいた。 
・芋煮とお餅(きなこ餅とあんこ)をご馳走になった。きなこをハルちゃんは喜んで舐めていた。 
 
13:00〜14:00 
10-BOXに戻り、box-1建物裏の草のあるところで休憩。演劇公演に来たお客さんや10-BOXに練習に来ていた利用者の方とも触れ合った。 
 
14:40 
宮城教育大のヤギ小屋へもどり、解散。 
(佐々木さん、池澤さん、その後の片付け等々、お世話様でした。ありがとうございました。) 
 
■感想 
 
・後部座席に佐々木さん、池澤さんが座り、荷台に人工芝を敷いて2頭を乗り込んだ。その体制や状況にだいぶハルちゃんたちが慣れてきたように感じられた。とくに帰りは、ほとんど立ち上がらずに2頭ともまったりと落ち着いていた。 
 
・12月に入り、だいぶ冷え込んできたことと、風が強かったこともあり触れ合う時間の場所や寒さ対策などはこの時期は考慮にいれておくとよいと思った。 
 
・広場はジャリだったので、人工芝を敷いて触れ合ったが、土や草の上とは違い、2頭はちょっと疲れたかもしれない・・。また、他の催しもあるイベントの中でのヤギ訪問だったので、少しヤギには慌しく、触れ合うほうも、ゆったりできなかったところもあったかもしれない。 
 
・2頭とも冬毛がフカフカだった!!なんて気持ちよいのでしょう。 
・芋煮の野菜くずをとっておいてもらい、主に人参の皮や大根の皮をあげた。ただし、その中にたまねぎが混じっていてにおいがついてしまったためか、あまり2頭の食が進まなかった。(今後、用意していただくときには、お伝えしておかなければと思った。)また、白菜もどうやらあまり好きではないのかもしれない。(大根の葉が付いていた首のところを、元気くんがムシャぶりついていたので、もしかしたら大根の葉は魅力的なのかもしれない) 
 
■その後 
 
12/12(月)午前中に、写真をいくつかピックアップし、仮設の集会所に持っていきました。会長の松木さん他、居住者の方3名、と「みらいん」の編集者の方と、仮設の仙台市の担当者の方がお茶を飲んでいて、一緒にコーヒーをご馳走になりました。ちょうど、その場にいらっしゃった方の姿も写真に映っていたらしく、とてもよろこんでいただき、集会所に貼ってくださるそうです。 
ヤギの訪問もとても喜んでくださっていました。 
 
 
■山羊を飼おう 「全国山羊ネットワーク」(1月10日付) 
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