2015年08月30日21時21分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201508302121030

政治

8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声2 ハンガーストライキ

  国会前10万人集会と銘打たれた8月30日。国会正門近くの一角で若者たちがハンガーストライキを続けていました。始めたのは8月27日ですから、今日で4日目だそうです。ハンガーストライキを行っているのは4人の大学生です。 
 
  そのひとり、大学一年生の木本将太郎さんに聞きました。 
 
Q「ハンガーストライキを始めた理由はなんでしょうか?」 
木本「安保法案を阻止するためにやっています。そして安倍内閣の退陣も要求しています。」 
Q「ハンガーストライキという手段を選んだのはなぜですか?」 
木本「戦争に反対していますが、身体的に意見を表明できないかと思ったんです。肉体のレベルでです」 
Q「ハンガーストライキをやってきつくないですか?」 
木本「最初のうちは思ったほど辛くありませんでした。でも、今日になって抗議で大きな声を上げると消耗しているのを感じました」 
Q「後悔したことはありませんか?」 
木本「後悔はありませんね。」 
Q「いつまで続けますか?」 
木本「無期限ストライキと掲げていますからね。法案が廃案になるまでです。ただ、医者がストップすれば止めざるを得なくなるでしょう」 
 
  ハンガーストライキ中の4人は毎日、医者の診断を受けているそうです。肉体レベルで何かを起こしたい、というとき、かつての運動家や闘士なら、暴力的な行動をイメージする言葉だったと思いますが、木本さんにとっての肉体レベルの行動が「自らの食を断つ」ことだったことに私は強い感銘を受けました。食をこんな風に断ったことは初めての経験だそうです。 
 
  今年大学4年生の元木大介さんにも聞きました。 
 
Q「ハンガーストライキという行動をどのような経緯で採択したんですか?」 
元木「最初は24時間座り込みという意見もありました。しかし、真剣にやらないとと思ったのです。抗議の声を上げることも大切だと思いますが、それだけでは変わっていかないので、自らの食を断つということを考えたのです。抵抗の本気度を示すためにはハンガーストライキがいいのではないか、と。」 
Q「大学4年といえば就職活動の年ですが。反対運動をしたら就職に差しつかえる、と言っている議員もいるようですが、不安などはなかったですか?」 
元木「実は就職が決まりまして。」 
Q「こうした運動に参加していることは会社の人は知っているんでしょうか?」 
元木「はい。個人の意思表明をすることを認めてくれています」 
Q「夜はどうしているんですか?」 
元木「参議院議員会館前で寝泊りしています。寝袋を持っています。ただ、初日の夜に雨が降ったとき、雨よけを設置したら、警察の人に取り除くように言われました。2日目もパラソルを立てたら、閉じるように言われましたね」 
Q「ハンガーストライキで後悔したことはありませんか?」 
元木「後悔はありませんね。しんどいですが。水分は補給していますし、医者にも診てもらっています」 
 
  4人の大学生たちには疲れが感じられましたが、その本気の度合いがまさに伝わってきました。取材させていただいた午後の時点で75時間経過と表示されていました。 
 
村上良太 
 
 
■ハンスト大学生たちのブログから 
http://blogs.yahoo.co.jp/hansutojitsu 
「戦争とは、自分が命を落とすと同時に他者を殺すことです。戦争に反対するとは単に自分が命を落としたくないという表現であるだけでなく、他者を殺すことを拒否するという宣言でもあります。」(ハンスト戦術について) 
 
■上林裕子「安倍政権の戦争準備を阻止し、世界中のあらゆる戦争に加担することを拒否する」と、学生たちが無期限ハンストを開始 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201508292048166 
■8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201508302035170 
■野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711182139086 
 
 
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080022143 
 
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080111133 
 
 
■政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日   その1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711141923462 
 
■政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日  その2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711141939422 
 
 
■民進党はどうなるのか? 民進党・参議院議員会長の小川敏夫氏に聞く 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710121409534 
 
 
■ジョン・ロック著 「統治二論」〜政治学屈指の古典〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201312221117340 
■在特会が京都朝鮮第一初級学校周辺でまたデモ、 警察は厳重な警備を敷く 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201001151149575 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。