2018年05月13日09時36分掲載  無料記事
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社会

50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」 ルモンド紙でも報じられる  署名活動中

  昨年、何度か日刊ベリタでも紹介したフランスの女優たちによる<50歳以上の女優にもっと出演の機会を!>という運動がこのたび、ルモンド紙でも取り上げられました。この運動は「50歳の女優のトンネル」と名づけられていて、女優だけでなく男優の中にも協力して声を上げている人がいます。50歳以上65歳未満のフランスの女優たちが干されている現実を実際に女優たち自身が立ち上がって調査を行い、改善して欲しいと署名を集めています。 
  この運動は単に女優の失業対策というだけではないようです。俳優が社会に対して果たしている役割を考えれば50歳から65歳の女性が実社会で、家庭や地域や職場で大切な役割を果たしていることが映画の世界で忘却されてしまうことを意味します。そのことは映画がある種のロールモデルを果たしていることを考えた時に大きな問題があるということなのです。 
 
  以下はこの運動の母体となっている俳優組合AAFAによるメッセージです。 
 
En attendant l'article sur Le Monde en ligne, vous pouvez lire l’integralite de la tribune sur notre site : 
http://aafa-asso.info/tribunne-aafa-tunnel-de-la-comedienn…/ 
Et pour signer en ligne le Manifeste : https://chn.ge/2GSu2Qm 
 
 ルモンド紙のネット記事を読むまでの時間にあなたは私たちのウェブサイトで出演機会をめぐる不平等な現実に関する報告を読むことができます。 
http://aafa-asso.info/tribunne-aafa-tunnel-de-la-comedienn…/ 
  そして、私たちの声明に対して署名をお願いします。 
https://chn.ge/2GSu2Qm 
 
  (メッセージは以上) 
 
 フランスにおける「政治」に対する感覚は日本と大きく異なり、もっともっと日常に根を置いています。日本では憲法改正かどうか、新自由主義かどうか、と言ったかなり大きなテーマで政治が語られますが(しばしばイデオロギーに基づく)、フランスでは「授業料が高すぎる」とか、「労働時間を長くするな」とか、「食品廃棄を減らそう」とか、この運動のように「映画出演の機会を公正に」と言ったもっと身近な暮らしや生活に関わる事象から取り組み、そこが政治との接点になってることが多いです。政治は政治家が行うのではなく、政治家の役割は市民が政治参加できる仕組みを作ることにある、とはフランスの現代のある哲学者の言葉です。 
 
  50歳以上の女優が出演機会が不当に少ない、という問題は高齢化が進む現代にあってフランスに限らず、また女性に限らない問題でもあると思われます。 
 
 
■50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメ氏に聞く Intreview : Marina Tome  (l’AAFA-Tunnel de la comedienne de 50 ans) 
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