2020年02月22日12時53分掲載  無料記事
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講談社のお料理BOOK 「わが家の自慢カレー〜人気料理研究家イチオシ!〜」

  日本には写真をたくさん使った料理の指南書が多数出ていますが、その多くが極めて高度のテクニックがあり、美しく仕上がっていていつも感心します。こういう料理の本を作るのには手間をかけているだろうな、と想像されます。そして、そうした素晴らしい本にもかかわらず、何年かすると新しく出版された本におされて書店から姿を消してしまうのは悲しいことでもあります。料理の本を一堂に集めた書店とか、図書館とかがあってもよいですね。 
 
  講談社のお料理BOOK 「わが家の自慢カレー〜人気料理研究家イチオシ!〜」もそのような手間をかけた一冊です。10人の料理人や料理の研究家が「自慢のカレー」とカレーにつけるおかずを披露しています。四角くなって箱入りで売られているような市販のルゥを使うものと、ターメリック、カイエンペッパー、クミンパウダーなどのスパイスを自分で組合わせて使って作るものとありますが、本書の多くはスパイスを使った手作りのカレーです。バリエーションとしてタイのカレーの説明もあります。さらにキーマカレーや、創作的なカレーの作り方も解説されています。 
 
  日本人にとってカレーライスはあまりにも身近な食べ物ですが、ルゥを使ったカレーとか、レトルトカレーとかを別にすると、一念発起して勉強する気持ちにでもならないと、なかなか本格的なカレーの作り方を知る機会がありませんでした。まずカレーとは何か、というところから筆者自身無知であり過ぎました。むしろ、本書は既存の「カレー」というイメージがぶち壊される本だと言って過言ではありません。これだけのバリエーションを持つカレーの料理書は、カレーの常識から自由にしてくれるものです。と、同時に、矛盾するようですが、カレーが3種の基本的なスパイスを使った料理である、というようにベーシックな知識を持つことができます。そう思ってみた時に、いかに画一化する消費生活の中で、身近な料理への無知にさらされ選択肢の乏しい生活を営んでいたのだろうとはたと気がつかされました。 
 
わが家の自慢カレー 人気料理研究家イチオシ! 
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■嬬恋村のフランス料理7 無限の可能性をもつパスタ 原田理(フランス料理シェフ) 
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■「嬬恋村のフランス料理」11 我らのサンドイッチ  原田理(フランス料理シェフ) 
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