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2017年05月11日16時07分掲載
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欧州
マニュエル・バルス前首相の造反 社会党からマクロン新大統領のEn Marche! へ ところがマクロン新大統領が拒否
「左でもなく、右でもなく」をキャンペーンPRで打ち出して見事大統領の座を射止めた新党”En Marche!”(始動!)のエマニュエル・マクロン氏。フランス政界へのインパクトは大きい。筆者には日本の1990年代半ばにおける社会党から民主党への左派議員の移行を思い出させる。日本では中道政党・民主党が生まれ、旧・社会党議員が多数そこに移動した結果、かつて野党第一党だった社会党は今では非常に小さな政党になってしまった。その結果、日本の政界は大きく右に移行し、憲法改正を阻止してきた「議員の3分の1以上を野党が占める」という体制がついに崩壊することになった。
さて、フランス政界では新党のEn March!の勢いを前に、社会党がどこまで勢力を維持するかに注目が集まっている。昨日、パリのある新聞には「社会党の終焉」というインパクトのある大きな見出しが掲げられた。オランド大統領から首相に抜擢された社会党のマニュエル・バルス前首相が早々とマクロン氏のEn Marche!に鞍替えすることを宣言したからだ。その際、バルス氏は「社会党はもう終わりだ」と語ったとされる。筆者から見れば社会党が築き上げてきた労働法制などの社会福祉的な政策を崩して右傾化したのはバルス前首相やマクロン前経済大臣たちであり、もし社会党が終焉だとしたら、終焉させたのはバルス首相たち自身ではなかっただろうか。とはいえ、社会党は1980年代のミッテラン政権時代からすでに右寄り、企業寄りの政党に少しずつ移行してきた、と語る人もいる。
この新聞の記事では社会党を研究してきた大学教授のコメントが寄せられ、そこには「社会党は未だ終わりではない」と書かれていた。フランスの社会党には日本の旧・社会党よりははるかに強靭な歴史と勢力があるからだ。ただ社会党の再構築は首都パリにいる幹部たちには無理だろう、各地で地道に活動している地方議員たちにしかできない、とこの教授が語っているのが印象深い。何しろ、社会党は未だ今週は政権党なのだ。いずれにしても、来月には国会議員選挙を控えており、迂闊に社会党からEn Marche!に移行しても当選できるかどうかは未知数だろう。
そんな中、マクロン新大統領がバルス氏のEn Marche! からの国会議員選挙への立候補を拒んだ。バルス前首相にとっては晴天の霹靂だっただろう。そして古巣の社会党のメンバーもバルス首相の造反に怒りを示しているため、バルス氏は新党からも社会党からも拒絶される事態に陥っているようである。
村上良太
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「社会党の終焉」 バルス首相の造反がインパクトを与えた。





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