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提携・契約メディア労働情報新自由主義による矛盾が深まり、人と人として扱わない二極社会が到来しつつあるなか、「労働情報」は、「労働を 生活を 社会を変える」をキーワードに貴重な記事を掲載し続ける情報誌。2006年8月1日号には第700号を発行、2007年2月には創刊30周年を迎える。ウェブサイトと購読申し込みはこちら(www.rodojoho.org)から。 喜多幡佳秀のアジア&世界 メキシコ電子産業 「自由貿易協定」の悲惨な結末 メキシコシティーの人権団体、CERAEL(「労働者の行動と学習のためのセンター」)は、メキシコの電子産業における労働者の状態に関するレポートを発表した。このレポートは、金融危機の影響による雇用の減少と不安定化の実態を明らかにしている。ノキア、フィリップス、パナソニック、IBM、HP、レノボ等の有力多国籍企業の工場で数千人が解雇され、賃金が10%削減され、臨時雇用契約(3ヵ月あるいはIカ月)の労働者の割合が08年には40%だったが、現在では60%に増えている。(2010/01/18) 喜多幡佳秀のアジア&世界 スウェーデンも格差の拡大と失業の増加 スウェーデン労働組合連盟(LO)の調査によると、1991年から07年の間に、上位10%の富裕層の可処分所得が88%増えたのに対し、下位10%の貧困層の可処分所得の伸びはわずか15%だった。最近6年間に有給の雇用者の実質所得は年平均3.3%増えている。病気などによる非就労者の実質所得の伸びは年平均わずか0・86%、学生のそれはI・26%である。(『労働情報』特約)(2010/01/12) 喜多幡佳秀のアジア&世界 イスラエルの農場で移住労働者を搾取 人権団体が報告 人権グループ「カブ・ラ・オベッド(労働者ホットライン)」の報告によると、イスラエルの農園で雇用されている約3万人の移住労働者は仲介人に数千ドルの斡旋料を支払っているが、受け取る賃金は最低賃金以下で、超勤手当もごまかされている。移住労働者の多くはタイ、ネパール、スリランカとパレスチナ占領地から来ている。(2010/01/06) 喜多幡佳秀のアジア&世界 学生がコカコーラの派遣労働を調査 偽装派遣で長期間雇用、労働契約法違反が続々 中国のいくつかの大学の学生たちが昨年、コカコーラの工場で働く派遣労働者の待遇改善支援のために、「学生コカコーラ・キャンペーン・チーム」を設立した。学生たちはコカコーラ社に労働者として就職して、実際の体験に基づいた労働法違反に関する調査報告をまとめ、公表することを計画した。(『労働情報』特約)(2009/10/26) 喜多幡佳秀のアジア&世界 スウェーデンでベトナム人農場労働者のストがあった 低賃金と過酷な労働条件に抗議 スウェーデンのブルーベリー農場で働くベトナムからの出稼ぎ農民がストライキに入るという出来事があった。出稼ぎ農業労働者の過酷な労働条件は、自由貿易の下で農産物の市場競争が激しくなる中で世界的に広がっていることがわかる。(『労働情報』特約)(2009/10/07) 喜多幡佳秀のアジア&世界 英女性、イスラエル輸出会社前で抗議 「バレンタインのバラはユダヤ人不法入植地で生産された」 バレンタインデー前々日の2月12日に、イスラエルの輸出会社カーメル・アグレクスコ社の門前で、15人の女性たちが、パレスチナのユダヤ人不法入植地からのバレンタイン用のバラの輸入に抗議して門に体を縛り付けた。(『労働情報』特約)(2009/03/17) 喜多幡佳秀のアジア&世界 オーストラリア 反組合的法律初適用で労組リーダーに禁固6ヵ月の危険? ハワード政権の下で、建設産業における労働組合の活動規制を目的に特別立法に基づいて設立されたABCC(オーストラリア・ビル及び建設委員会)が行う組合活動に関する調査会への出席を拒否して告発された労働組合オルグが禁固刑になる恐れがあると、オーストラリアの労働組合が緊急支援要請を発した。以下はAAWU(オーストラリア・アジア労働者リンク、APWSLオーストラリア委員会)からの緊急支援要請(11・16付)である。(『労働情報』特約)(2008/12/09) 中国 企業倒産で失業する労働者が急増、賃金未払いでデモが頻発、帰村する労働者も 中国でも金融危機の影響は農村からの出稼ぎ労働者(民工)など最末端の労働者を直撃、中国経済成長の拠点とも言える深センでは企業倒産が相次ぎ、未払い賃金の支払いを求める労働者のデモが頻発している。また、工場閉鎖による失業で,農村出身労働者の帰村が各地で目立っている。以下は香港の「チャイナ・レイバー・ブレティン」のウェブに掲載されたレポートの要約である。(翻訳・稲垣豊)(2008/11/26) 喜多幡佳秀のアジア&世界 中国・デンマーク企業が組合結成のリーダーを解雇、組合はブログの活用して真相を訴える 山東省煙台にあるデンマーク資本のオレウルフ社(電子部品メーカー、従業員数は約100人)は労働組合を結成したリーダー6人を解雇、組合側はブログを活用した創意的な運動で真相を訴え、全国的な注目を集めている。全国放送のラジオやテレビでも取り上げられ、総工会も組合の要求を支持している。他の外資系企業の労働組合とも交流し、情報交換している。(翻訳:稲垣豊)(2008/11/24) 社会 東京都が都立病院切り捨て!? 自治体病院を企業の食い物にさせてはいけない 大利英昭(都庁職病院支部駒込分会) 妊婦をたらいまわしにして死に至らしめた東京都内の出来事の発端は、都立墨東病院の医師不足による受け入れ拒否にあった。この事態の責任をめぐり、舛添厚労相は「都には任せられない」、石原東京都知事は「国に任せてられないんだ。舛添くん、しっかりしてもらいたいよ」と、お互いに非難合戦を繰り広げた。だがこの背景を探っていくと、全国の自治体病院に先駆けて進んでいる都立病院を不採算部門として位置づけ、民営化・合理化していく政策に行き着く。それは国・自治体が一体となって進めている政策でもあり、同じことは全国でも進んでいる。いま自治体病院で何が起こっているか、『労働情報』737号に掲載された大利英昭氏の病院労働現場からの報告と提起をお送りする。(ベリタ編集部)(2008/10/27) 喜多幡佳秀のアジア&世界 テスコの衣料品心仕入先はインドのスウェットショップ(搾取工場)」 英国の市民団体「ウオー・オン・ウオント(貧困との戦い)」と「レイバー・ビハインド・ザ・ラベル(商標の裏側の苦役)」は、6月26目、英国最大の小売店チェーンのテスコに衣料品を納入しているインドの工場で、労働者が1日16時間、生活賃金の半分で働かされていることを明らかにし、同27目に開催される年次株主総会に、この問題を調査したインドの研究者を出席させ、抗議すると発表。同23目にはBBCが、スラムの工場や難民キャンプでプリマークの衣料品を作っている貧しい人々(子どもを含む)の低賃金・長時間労働告発番組を放映した。(『労働情報』特約)(2008/10/18) 喜多幡佳秀のアジア&世界 農場労働者がファーストフード・チェーンとの争議に勝利 自由貿易の波に乗って世界を席巻するアメリカ農業は、メキシコを始めとする移民労働者の過酷な労働に支えられている。その移民労働者とこれまた安さと簡便さで世界を席巻するアメリカジャンクフード業界とのたたかいが、激しさを増している。以下はその一端――。(2008/10/07) 喜多幡佳秀のアジア&世界 中国 独立労組リーダーが16年ぶりに釈放 中国で労働者の権利と民主主義を擁護している最も先進的な活動家の1人である胡石根(フ・シゲン)氏(53歳)がついに釈放された。彼は1990年代初めに、独立労組と政党を設立しようとしたという罪で20年の刑を宣告され、16年間服役してきた。彼は8月26日に北京第2刑務所から釈放された。以下、「チャイナ・レイバー・ブレティン」のウェブ8月27日付けから。(『労働情報』特約)(2008/09/29) 喜多幡佳秀のアジア&世界 インド政府が湾岸諸国に移住労働者の最低賃金導入を要求 労働争議の続発に直面している湾岸産油国は、新たにインド政府からも、非熟練労働者の最低賃金導入を求める圧力を受けている。以下はAP通信ウェブ版に掲載された「インドが湾岸諸国の労働者の権利を要求(3月26日付、ドバイ発)の要約である。(『労働情報』特約)(2008/09/26) 喜多幡佳秀のアジア&世界 米国 食肉加工工場での外国人労働者の搾取に抗議のデモ 7月27日、アイオワ州ポストビルで、アグリプロセッサーズ社の食肉加工工場の奴隷的な労働条件に抗議するデモが行われ、ラビ(ユダヤ教の聖職者)、ヒスパニック系(ラテンアメリカ出身)の移住者、カトリック聖職者など約1千人が参加した。(2008/09/20) 経済 貧困の連鎖の中の食−食料問題を捉えなおす−
農と食を巡り、世界が揺れ動いている。食料価格の高騰がまるで津波のような勢いで世界を覆い、すでに8億5000万人を数える飢餓・栄養不足人口をさらに1億人積み上げるだろうといわれている。食料問題は国際政治の大問題となり、7月に北海道・洞爺湖で開かれたG8サミットや、6月に国連農業食糧機関が開催した食糧サミットは、新品種、化学肥料や農薬、灌漑などインフラ整備を伴う農業生産性向上政策と自由貿易による市場拡大を食料危機対策として打ち出した。いったいこの「対策」が本当に対策になるのか、いま進行する食料危機の根っ子を探り、食料問題とは何かを考えてみた。(大野和興)(2008/08/17)
二極化社会を問う 秋葉原事件と派遣労働 背後に人を使い捨てる非人間的搾取の構造 小谷野 毅(ガテン系連帯事務局長)
次から次へと事件が起こり、メディアが騒ぎ、消費され、そして忘れ去られていく。人間として決して忘れてはいけないものも、ここでは情報という商品に過ぎない。08年6月8日、歩行者天国でごった返す日曜日の秋葉原で起きた殺傷事件もまた、事件の背後にある、この国の働く若者がおかれた現実を置き去りにしたまま、忘れられていく。事件10日後の6月18日、衆議院議員会館でで開かれた「秋葉原事件と派遣労働を考える懇談会」(主催・ガテン系連帯)での小谷野毅ガテン系連帯事務局長の話を採録し、あらためてこの事件の背後にある問題を考えてみた。(大野和興/構成・浅井真由美)(2008/08/08)
労働問題 賃金未払いと経営者による暴行を訴える外国人研修生をなんと会社が提訴 研修生も反訴して訴訟合戦 外国人研修生に対する賃金未払いや過重労働、使い捨てなどがようやく社会問題になっている中で、未払い賃金の支払いを求めた外国人技能実習生を、会社が提訴するという信じられない事件が起こっている。実習生側も直ちに会社を反訴し、横浜地方裁判所川崎支部で裁判がスタートした。以下は、研修生を支援する全統一労組からの報告。(編集部)(2008/07/29) 小さな国エクアドルの大きな挑戦 不当な巨額債務拒否にIMF驚愕 社会セクター重視に民衆は熱狂 第三世界では、世界銀行やIMF(国際通貨基金)から長期融資を受けながら借金が雪達磨式に膨れ上がり、泥沼の貧困状態から脱出できない国が少なくない。南米の小国エクアドルも例外ではなかった。豊かで多様な生態系と石油を始めとする鉱山資源、コーヒー、バナナなどの農産物といった輸出産品に恵まれているにも関わらず、国民の4人に1人が極貧状況にあった。弱冠43歳で大統領に選出されたラファエル・コレアは2007年1月、米州自由貿易協定の交渉打ち切り、米軍マンタ基地の契約更新拒否、IMF(国際通貨基金)への債務返済と決別宣言、世界銀行・現地駐在代表の追放、と矢継ぎ早にワシントンと新自由主義から決別する政策を打ち出した。そして、これまで見捨てられてきた民衆や先住民に熱狂的に歓迎されている。エクアドルからの最新の報告である。(『労働情報』特約)(2008/03/05)
二極化社会を問う 野宿者を生む社会との闘いを 隅田川キャンプアウト行動 横山晋(山谷労働者福祉会館活動委員会) 年末の年始の寒風が吹きすさぶ街頭では毎年、野宿者の生存をかけた闘いが続けられてきた。昨年12月、山谷争議団/反失実、山谷労働者福祉会館活動委員会、対都行動を闘う全都野宿労働者実行委員会の呼びかけによる、「路上から居住権を!隅田川キャンプアウト行動」が闘われ、野宿の当事者と共に多くの若者が「真冬の野宿体験」行動を闘った。参加者は約70人、宿泊したのは50人。貧困層の切捨てが露骨になる中で、路上から居住権を求める闘いは、少しずつではあるが尽きようとする命を救い、社会に正義の声を届けようとしている。(『労働情報』特約)(2008/02/27)
沖縄/日米安保 なぜ米軍は自国の法律を守らないのか 米国訴訟の可能性も 宇根悦子(平和市民連絡会・平和ガイド)
「市が作成した普天間基地周辺図の資料を広げて(米政府・米軍関係者に)説明すると、その危険な状況に、みな凍り付いてしまう」と毎年、米国への陳情を繰り返す伊波洋一・宜野湾市長は語る。米国内では、国防総省が「重大な環境への影響や住民の安全を侵す場合」はそれを取り除く義務を内規で課している。ではなぜ、海外では野放図に許されるのか。昨年12月、宜野湾市で「沖縄 普天間基地問題シンポ『米国訴訟の可能性』」と題したシンポジウムが開催された。ここでは、米国で結審したジュゴン訴訟や判例を参考に、普天間米軍基地爆音訴訟や横須賀を原子力空母が母港化した場合の法的問題をグローバルな視点から討議した。ひとつの新しい社会運動が生まれようとしている。(『労働情報』特約)(2008/02/15)
労働現場では今 外国人研修生は使い捨てなのか 不当労働がばれたら「強制帰国」 中島 浩(全統一労働組合) 外国人研修生や技能実習生に対して制度上禁止されているノルマや残業が課される事例が後を絶たないという。こうした事実が発覚した後、心身ともボロボロになった中国人研修生が、経営者から殴る蹴るの暴行を受けながら空港まで連れ去られ、強制帰国されてしまうという事件が起きた。受け入れ機関であった東西商工協同組合と�螢汽鵐薀ぅ此碧抂羸觜絢卍后∨楴辧甞訃�区細田1−17−7)は、全統一の団体交渉要求に対して「5人は研修生であり、労働法の適用を受けない。よって団体交渉にも応じる義務はない」と堂々と答えている。こんなことが許されるのだろうか。事件の経緯は以下の通りである。(『労働情報』特約)(2008/01/16)
労働問題 米国初100万人メーデーデモ支えた移民労働者 高揚する米労働運動 ケント・ウォン(カリフォルニア大学ロサンゼルス校労働研究教育センター)
ピラミッドの頂点をなす富裕層への富の集中が進み、街頭に放り出される労働者が溢れる米国で2006年、全米で数百万人の労働者がメーデーデモに参加した。ロサンゼンルスでは、100万人が街頭を埋め、米国史上、初めての出来事となった。疲労と貧困で苦しむ人たちが自由を求めて参加した舞台裏には、米国経済を縁の下で支えてきた移民労働者の存在があったのだと30年にわたって米国の移民労働者の組織化に取り組んできたケント・ウォンさんは指摘する。なぜ、100年前の急進的な抗議活動が嘘のように鎮まり返った米国の労働運動がいま、高揚しているのか。米大統領選の行方まで左右しだしたという米労働運動の最新事情をウォンさんに語っていただいた。(『労働情報』特約)(2008/01/09)
労働現場では今 水道事業の民営化巡り労使攻防 実態は公共資産の横領 小泉尚之(全水道東京水道労働組合) 首都東京では蛇口をひねれば水が溢れ途絶えることはない。水源涵養林・貯水池管理・浄水・配水・給水・営業と、まさに「山に降る雨の滴から蛇口の水まで」の一体的管理体制の下、100年に及ぶ東京水道の公営事業に支えられてきたからだ。ところが石原都政の下、この水道事業の実質的民営化をめぐって、昨秋から本格的な労使攻防に突入している。公営事業を民営化することが営利を追求する民間企業にはなじまない上に、一つの水道職場で働く労働者の中に重層的な雇用形態(局退職派遣・監理団体社員・メーカー派遣社員・派遣社員・パート社員など)を生み出してしまうことに労働者側が抵抗しているからだ。1000万を超える給水人口を抱え、営業収益は毎年黒字、膨大な資産を有する東京水道は民間の水企業にとっては垂涎の的だ。攻防の現場からの報告である。(『労働情報』特約)(2008/01/02) 労働問題 注目される非正規労働センター 問われる実践−連合大会報告 中野隆宣(労働ジャーナリスト) 日本労働組合総連合会(連合、約665万人)が東京都内で第10回定期大会を開き、「非正規労働センター」の創設などを盛り込んだ向こう2年間の運動方針を決めてから2カ月以上が経過した。「正社員クラブ」と揶揄(やゆ)されて久しい連合が運動方針のなかで、格差・二極化は一部の労働者だけの問題でなく、「不公正で不条理な労働がまかり通れば、その悪影響はすべての労働者におよぶ」と指摘した点は大きな前進であろう。ただ裏を返せば、座視できないほど非正社員が置かれている状況が深刻なことを示している。参院における与野党逆転という新たな政治情勢の下で、何が問われているのか。今年を振り返り、新年を展望する。(『労働情報』特約)(2007/12/29) 1%の支持率が「開発独裁」を超えるのか? オルタナティブ社会を模索する韓国大統領選挙 李泳采(恵泉女学園大学教員)
韓国大統領選挙が2ヶ月後に迫っている。反共保守の象徴・朴槿恵氏を破って大統領候補になった「開発独裁」を象徴する企業家、前ソウル市長・李明博氏が最有力候補といわれ、10年ぶりの与野党交替で大勢が決したかのような報道一色だ。5年前の大統領選挙では泡沫候補に過ぎなかった盧武鉉候補が、ネットを通じた若年層による投票呼びかけで大逆転を果たして大統領に当選したのは“まぐれ”だったのか。しかし、ここに来て「台風の目」が現れた。与党でも民主労働党の候補者でもない。支持率がたった1%の文国現・前ユハンキムバリー社長だという。なぜインターネット新聞「オーマイニュース」に掲載された彼のインタビュー記事に若者からのアクセスが爆発的に集中しているのか?何が起こるのか分からないのが韓国大統領選挙だ。(『労働情報』特約)(2007/10/28)
新任教員免職裁判 「教室に戻りたい」 政治裁判の恐怖に抗して いざわえりこ(大阪市新任教員免職裁判原告) 教育現場で今、何が起きているのか。子どもを愛し、教育に情熱を傾ける教員が病気で倒れる。精神疾患で長期病気休暇を取る教員が増え続ける。学級崩壊で倒れた後、何ヵ月も後任の教員が決まらない、担任不在の教室が全国に広がり、定年前に多くの教員が教育現場を去る状況が示す日本とは、どのような社会なのか。そうした中で免職された一人の新任教員の戦いが続いている。行政裁判は、原告に勝ち目がないというのが相場だ。司法反動の波は「怖さ」まで感じさせるという。それにもかかわらず、なぜ原告は裁判闘争に打って出なければならなかったのか。それは、正しいことは正しいと言えるモラルと自由を窒息させようとする理不尽な支配論理との戦いでもあるからだ。(「労働情報」特約)(2007/10/25)
労働問題 21世紀の女工哀史 外国人研修生に人権はないのか? 早崎直美(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク) 外国人研修の名の下に日本に連れて来られる中国の若年労働者は後を絶たない。しかし研修とは名ばかりで、即製造ラインに放り込まれるのが相場だ。パスポート、通帳、印鑑は会社が預かる。100年前の話ではなく、今こうしている間にも起きている出来事なのだ。実際に支給されている金額を聞いたら誰もが耳を疑うだろう。外出は禁止されている。真夏の日曜日には、外国人研修生の存在が知られないように冷房のない部屋の窓を閉め切って働かせている事例もある。そうしなければ中小企業は成り立たない、と摘発された多くの事業主はいうが、社長宅の草取りや、窓拭きをさせられたり、しょっちゅう大声で「ばか」とどなるなど、凄まじい労働法と人権無視の実態が告発されている。(「労働情報」特約)(2007/10/21) 労働問題 NOVAの危機 カウントダウンへ 猿橋社長と行政は確信犯? 山原克二(ゼネラルユニオン委員長) NOVA―倒産か?その瞬間を報じようと群がるマスメディアをよそに、NOVAの危機はますます深刻化している。レッスン予約が困難なうえ、解約に高額な手数料をとるなどしていた「NOVA悪徳商法」は、今春の最高裁判決と、経産省による「業務停止命令」で断罪された(『労働情報』722号既報)からだ。新規生徒の激減と解約の殺到は、「取付け」パニックさえも生んでいる。さらに敗訴してもNOVAは法に従わない。こんな企業がどうして存続可能だったのか? 猿橋社長と自民党の中山代議士が「消費者問題や偽装請負モミ消し」を経産省に働きかけたように、行政とのズブズブの関係が見え隠れする。NOVA悪徳商法を最後まで擁護しながら、突然「引き金を引いた」経産省が、一切責任をとらず、消費者や教職員への救済に全く動こうとはしていないのは、ある意味、必然でもあるのだ。(『労働情報』特約)(2007/10/19) 労働問題 もう一つの韓流 非正規職労働者が占拠闘争 正規労働者も連帯 産別労組再編へ 韓国労働運動
日本で韓流といえば映画やTVドラマにグルメ番組が定番だ。来年2月の新大統領選出に向けての報道はあっても、日本のニュースには登場しない韓流のもう一つの顔がある。韓国の民主化にも大きな影響を与えてきた戦闘的な労働運動の存在だ。韓国の非正規職法施行を翌日に控えた6月30日、ソウルで非正規職の流通労働者600人がストライキに突入した。非正規職の正規雇用前に解雇し、雇用を繰り返すという資本の露骨な政策に抗議したストライキが、労働運動で最も組織され難いといわれてきた流通労働者によって決行されたことが社会に大きな衝撃を与えたというのだ。正規労働者も連帯を表明しているという。何が起きているのか、韓国の労働運動にも詳しい恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)さんに解説していただいた。(「労働情報」特約)(2007/08/24)
労働現場では今 住民・市民団体との連携で影響力拡大を 米国で甦る労組(下) 染裕之(東京清掃労働組合書記次長) 路上デモや市民的不服従、そして革新的な対企業戦略でホテル労働者を社会的正義のための闘いの最前線に立たたせてきた労組まで米国では登場してきた。労働組合が官僚化して企業内の組織労働者に分配を調整するだけの組織になっていた頃からは想像できないという。米国の労働運動で何が始まっているのか。「レイバーネット(USA)」に代表されるように、若者を惹きつけるインターネットやTVの活用が旧来の労働運動のイメージを刷新してしまったという。マイノリティー出身の組合指導者の活躍、労組の目覚しい実践の数々が染裕之さんの口から語られる。(「労働情報」特約)(2007/08/12) 労働現場では今 住民・市民団体との連携で影響力拡大を 米国で甦る労組(上) 染裕之(東京清掃労働組合書記次長) 人種のるつぼと言われる米国社会の足下で今、影響力のなさから忘れ去られた観のあった労働組合運動が社会の支持を急拡大しているという。移民労働者への排外意識や人種差別、性別差別など長年の課題が山積していると言われてきた米国で何が起きているのか。急激に貧困が拡大している米国では、多人種的な労働運動が芽生え、新しい労働運動の担い手の多くは、それら移民やマイノリティー、女性の活動家たちであるという。彼らは創意工夫と意識変革によって未組織労働者の組織化に成功し、住民・市民団体との連携で社会への影響力拡大を実現している。現地で交流を重ねてきた染裕之さんに新鮮な驚きの体験を2回にわたって語っていただいた。(「労働情報」特約)(2007/08/10)
労働問題 JRの迷走 深刻な人手不足で事故多発 無人化で駅機能破壊 ローカル線廃止で地方切捨て 立山学(ジャーナリスト) JRの迷走が続いている。効率化の名の下に進めてきた人員削減政策が深刻な人手不足を招き、運転手を駅員に配置換えするなど混乱が続いているというのだ。尼崎事故の後だけに、スローガンとしては安全重視が唱えられるが、現場からの安全要員配置の要望は無視され、むしろ、駅の無人化、ローカル線の廃止に拍車がかかっているという。慣れない券売機の操作に手間取った方も多いように、サービスの拒絶状態が各地で発生し不評を買っている。さらに、国鉄の民営化は国労組合員の怠慢攻撃から始まったように、社会保険庁の労使関係を槍玉に上げた民営化も同根だと立山さんは警鐘を鳴らす。国民の資産を民営化することで誰が得をするのか、同じことが繰り返されようとしているからだ。(「労働情報」特約)(2007/07/16)
労働問題 過労死は自己管理の問題か 安倍政権の狙いは労働法解体 平賀健一郎(中小労組政策ネットワーク) ピーテル・ブリューゲルの寓意画作品に『盲人の寓話』がある。盲人に手を引かれた盲人が穴に落ちようとしている風刺作品だ。参院選での自公政権の敗北予想も出る中で、テレビや新聞記者の前で安倍首相は突然、労働者の最低賃金の引き上げに口にし出した。しかし、騙されてはいけない。内閣総理大臣の諮問機関である規制改革会議は、あらゆる労働者の権利を剥奪するために労働法制の無力化を意図した「労働タクスフォース」をまとめ公表しているからだ。痛みはわが身に降りかかる。この杜撰な意見書の恐ろしい狙いに気づかないのは誰の責任か。(「労働情報」特約)(2007/07/06)
労働現場では今 偽装請負の元請責任を認めさせた 上場企業の最高益支える非正規労働者 藤原千織(神奈川シティユニオン) ビジネス街はどこを見ても株主総会シーズン真っ盛りだ。多国籍企業化した上場企業の決算発表が軒並み最高益を上げていることが連日、報じられている。この華やいだ風景の裏側では、いかに国内外での製造コストを圧縮するかに「企業努力」が傾注され、多くの下請け企業と孫請け企業が、発注先である上場企業からのコスト削減要請に喘いできた。こうした構図の中で、偽装請負が導入され、非正規労働者の採用と解雇がマッチポンプのように繰り返されてきた。その多くに日本製造業を支えている外国人労働者たちがいる。彼らは実際にどのような環境と労働条件で働いているのだろうか。日系3世ペルー人労働者が派遣先(元請)企業に偽装請負の責任を認めさせるまでの困難な戦いの軌跡を、支援者の藤原さんに語っていただいた。(「労働情報」特約)(2007/06/28)
新任教員免職裁判 新任教員免職取り消し裁判で不当判決 杜撰な判決理由がまかり通る日本社会の病理 武井博道(大阪教育合同労働組合副執行委員長) 荒れる小学校に赴任した新任教員が条件附採用期間の終了をもって一方的に受けた免職通知の取り消しを求めた大阪地裁訴訟で、「原告の請求を棄却する」との不当判決があった。辞職者や精神を病む小学校教員が増加するなかで、そもそも免職の理由として示された内容は、「声が小さい」「板書の字がきたない」というお粗末なものだった。免職理由については何の基準も示されず、全てが市教委の裁量で決まってしまう危険性を裁判では告発してきた。原告は「自分に嘘をついて生きていくことはできない」と9割が敗訴すると言われている行政訴訟に訴えた。全ての労働者の権利にかかわる問題として闘うためだ。市教委の恣意性を追認するだけの判決理由からは、なぜ教育現場が荒廃するのかが垣間見える。(「労働情報」特約)(2007/06/27)
東京都知事選挙2007 「共産党は敵を間違え敵に勝ちを与えていないか」 浅野氏の選挙を見て 福士敬子(東京都議会議員) 石原慎太郎に負けた、というより考えることを放棄した都民に負けた、と都議会議員の福士敬子さんは今春の都知事選を総括する。そして、もうひとつの大きな特徴は、日本共産党による浅野候補バッシングだったと指摘する。共産党の吉田候補の庶民受けするキャラクターを評価しながらも、どうあがいても単独では石原知事と対等に戦えないのが明らかだったのに、敵は浅野のとばかりにバッシングが続いたというのだ。そして、選挙後の吉田氏の総括が「前進を勝ち取った」となり、石原知事の反省の弁を真に受けて「福祉もやるといった」と本気で考えてしまう。せっかく正論を述べても一般の人から捨てられる理由に気づかないのかというのだ。参院選は1ヵ月後に迫っている。(「労働情報」特約)(2007/06/13)
東京都知事選挙2007 市民派選挙は何を目指すべきか 都知事選の敗因と教訓から 三橋正邦(「自治市民93」政調事務局) 運命の参院選挙が来月に迫ってきた。与党自民党は、石原東京都知事が3選前にそうであったように、スキャンダルと身内の不祥事に揺れている。しかし結果は、石原都知事の場合は勝利であった。参院選はどうなのか。9条ネットや無所属候補の立候補表明が相次ぐ中で、野党の足並みは依然として揃わない。共産党はこれまで通り独自の道を行き、全選挙区で候補者を擁立する方向だ。「自治市民93」政調事務局で今春の都知事選を間近で見てきた三橋正邦さんは参院選を前に、浅野史郎氏の敗因と教訓を分析した上で、今回の知事選で作り上げた勝手連の連携を持続し、選挙戦におけるウィークポイントを克服していくことで、政治を変えることは充分に可能なはずだという。(「労働情報」特約)(2007/06/11) 北朝鮮 北朝鮮が核問題に慎重なわけ 米韓軍事演習に北侵の意図はないのか 李泳采(日韓問題研究者) ドイツで始まったG8サミットでも北朝鮮の核問題について協議されるという。日本政府は、北朝鮮政府による2・13核合意の不履行を非難しているが、その一方で必ずといっていいほど繰り返される米韓軍事演習が問題視されることはなかった。米国の国防予算は、世界の軍事費の40%を占める。しかも毎回、最新兵器が投入されている。北朝鮮はその期間、なけなしの資金や燃料を消耗するのを承知で、全土に準戦時体制を敷いて北侵に備えてきた。そして、北朝鮮の核合意不履行を一斉に非難する。日韓問題に詳しい専門家、李泳采さんは、米韓軍事演習が南北和解の雰囲気を何回も緊迫化させてきた歴史的経緯に触れながら「侵攻の意思がなければどうして軍事演習をするのか」と問いかける。(「労働情報」特約)(2007/06/06)
なぜニュージーランドで規制緩和の見直しが始まったのか 棣棠浄(郵政労働者ユニオン副委員長) 日本より公共セクターの民営化が進んでいたニュージーランドで、「民営化」を否定する動きが顕著になってきた。規制緩和による効率化を旗印に断行された国営事業40以上の民営化・売却(海外資本)は、社会的インフラを根底から揺るがし、国内産業を疲弊させただけでなく、国民生活・社会格差を拡大させたからだという。民営化の見直しによって、国営銀行の創設、鉄道の線路などが国営に戻された。その結果、労働組合の復権・ナショナルセンターの統一が非正規労働者の権利闘争につながってきているというのだ。小泉・安倍政権と続く中で、規制緩和と民営化が万能薬のように語られてきたが、 ニュージーランドの現実は日本の来るべき姿ではないのか。(「労働情報」特約)(2007/05/07) 二極化社会を問う 駅の外注化は本当に必要なのか 時給970円がもたらす安全性 小松玲子(ジャーナリスト) 朝のラッシュ時や事故でホーム上が大混乱していても駅員が1人しかいない、いても要領を得ないという駅の風景は珍しくなくなってきた。今、日本全国の路線でコスト削減の旗印の下、JRほか私鉄などが続々と駅の外注化・非正規労務化を進めている。 元来、駅務は、安全性・公益性に鑑み、外注・委託労務等々が規制されていた分野だった。駅員や運転手は、鉄道が大好きな少年が、鉄道系の学校などを経て就職する、いわば「好きが仕事になる」職業だったという。規制緩和は、駅務をコンビニより安い時給970円の職場に変え、“安く働いてくれる”という価値だけで採用されるようにしてしまった。これは個人にも社会にも、不幸なことではないか? (「労働情報」特約)(2007/04/29) 企業に行動規範は「馬の耳に念仏」? ブランド企業の収益支える年収20万円以下の中国人労働者 遠野はるひ(横浜アクションリサーチ・センター) 海外展開している日本企業の収益はうなぎのぼりだ。春闘の要求にも反映されホクホク顔である。しかし、その舞台裏では、劣悪な労働条件で働かされ、ある日突然、解雇を告げられる中国人の低賃金労働者に支えられているという現実がある。日本企業は、行け行けドンドンで中国での生産拠点の拡大に走ってきた。90年代から欧米ではブランド企業に対して、行動規範を求め、ILOの国際労働基準を遵守させようとする消費者行動が起きてきた。多国籍化した日本企業も例外ではない。しかし、企業規範を無視する抜け道として、労働条件の改善を求めようものなら、注文のカットと工場の閉鎖が容赦なく断行されているという。中国のシンセンで閉鎖された日系企業の場合も例外ではなかった。(「労働情報」特約)(2007/04/05) 「あきらめず闘えば勝つ、夢はかなう」 池田実さん、28年ぶりに郵便局復帰へ 最高裁で確定 28年ぶりに不当解雇された郵便局員たちが職場に帰ってきた。個人が国や企業相手に裁判に訴えた場合、上級審の判決が国や企業にとって都合のいい内容から覆されることが難しいことから、最高裁が「最低裁」と呼ばれるようになって久しい。その最高裁で画期的な判決が下された。郵政省による長年の組合差別や人権侵害に反対して闘った1978年暮れの「反マル生闘争」への報復として、郵政省が発令した61名の首切り処分の取り消し訴訟を闘ってきた郵便局員7人に、最高裁第3小法廷が07年2月13日、裁判官全員一致の意見で、郵政公社による上告受理申し立ての不受理を決定したからだ。しかも、労働組合が組合員の雇用を守る立場を放棄する中で、諦めずに28年間も闘い抜いた条件とは何なのだろうか。郵便局に職場復帰した池田実さんに語っていただいた。(「労働情報」特約)(2007/03/26) 二極化社会を問う 夕張市の財政破綻が物語る国策の爪あと 「国に責任はない」と武部前幹事長 国は基本的生存権の補償を 山口たか(「市民自治を創る会」代表) 北海道夕張市の財政破綻が報じられてから9ヶ月が経過した。かって国策である石炭産業で栄えた地方都市に、国のエネルギー政策の転換の波が押し寄せ、観光産業に活路を見い出そうと巨額投資に走った地方都市は、あっ気なく破綻した。自民党の武部前幹事長は「国に責任はない」と地元で語り、国策に翻弄されてきた地元住民の怒りを買い、発言を撤回した。「市民自治を創る会」の山口たか代表は、石炭産業の変遷も含め、20年前に効率の名の下に断行された国鉄分割民営化が、地方の足であるローカル路線の廃止につながり、国鉄労働者が街頭に放り出されてきた歴史を目撃してきただけに、典型的な地方切捨ての実例だと指摘する。第二第三の夕張市の存在が報じられる中で、国こそが基本的生存権を補償しなければいけないはずだと訴えている。(「労働情報」特約)(2007/03/15) 国鉄分割民営20年(2) 効率的経営とJRの安全問題は両立するのか 事故が頻発する構造とは 「民営化を後悔する」とは、JR西日本が引き起こした尼崎事故に際して、橋本龍太郎元総理が述べた言葉だ。民営化推進陣営では今、「国鉄改革大成功論はもう通用しない。株主優先より公益優先の鉄道経営を」という声が噴出しているという。ジャーナリストの立山学さんは、民営化成功神話を伝える「本州JR3社の驚異的黒字経営化」というキャッチフレーズに対して、「過大な黒字づくりには、過大なリストラ、下請け化、安全手抜きとなり、儲ける路線は過密ダイヤ化し、赤字路線の安全コストは危険なレベルにまで切りさげる」と鉄道事業に右肩上がりの黒字がそもそもありえないことを指摘している。JRの安全性は、国鉄の遺産を食い潰すことで辛うじて維持してきたに過ぎず、JRで頻発している事故がさらに拡大する危険性が構造的に避けられないと、立山さんは警鐘を鳴らしている。(「労働情報」特約)(2007/02/18)
国鉄分割民営20年(1) 「国家的払い込め詐欺」の実態が明らかに 借金の山は国民負担へ 20年前の2月16日は、国鉄分割民営化に反対していた国労組合員に屈辱的なJRへの不採用通知があった日だ。今も1047名の組合員が不当労働行為の撤回と職場復帰を求めて家族とともに闘っている。この闘いが個人のレベルを超えて、国民の安全を守り、その利益を代表していたことが明らかになってきた。長年、国鉄分割民営化問題に取り組んできたジャーナリストの立山学さんは、保守政治家と特定の企業が組んで、意図的に国鉄に高利で借金させた新幹線開発で儲け、分割民営化後に国有地を二束三文で売って利益を還元させただけでなく、その借金を国民に付け替え、「改革大成功」と喧伝していることを大嘘だと指摘しているからだ。こうしている間も、ニセ公的借金は膨らみ続け、借金の中味が国民に説明されることはない。この仕組みを立山さんは、「国家的払い込め詐欺」だと説明している。(「労働情報」特約)(2007/02/16)
悲劇生む「外国人研修制度」 生産現場を支える「最低賃金以下」の世界 安田浩一(ジャーナリスト) 昨年8月、千葉県木更津市の養豚場で、中国人農業研修生が受け入れ先の千葉県農業協会の関係者3名を殺傷させた事件は、すでに幾つかのメディアでも取り上げられた。そこでは「外国人研修制度」の名の下で多くの研修生を海外の低開発国から受け入れている実態が明らかになった。ここで問題なのは、最低賃金以下の雇用条件が伏せられ、研修生が人間としての権利を無視されて働かされている実態が隠されていることだ。農業などの生産現場に限らず好調な製造業の下請け孫受け企業の多くが、この「外国人研修制度」によって成り立っている現実がある。ジャーナリストの安田浩一さんは、「稼げる」ことを期待する研修生と、「安価な労働力」に期待する経営者の温度差が大きすぎるのだという。外国人研修生最新事情を報告する。(「労働情報」特約)(2007/01/01) 新任教員免職裁判 【第4回】(最終回) この闘い 勝ちに行きます <いざわえりこ> 「なんで、井澤さんは免職になったの?」裁判闘争をやってきて、幾度となく、支援者から投げかけられた言葉です。「そんなの…、私にもわからない」というのが正直なところです。なぜなら、私のように新任で、学級が荒れて大変な思いをしている人たちはたくさんいるからです。(2006/12/23) 新任教員免職裁判 【第3回】裁判闘争ってなんだろう 悪口や嘘に負けてなんかいられない <いざわえりこ> 現場に戻りたい! それが裁判闘争を闘う上での揺るぎない私の原点です。しかし、それだけを裁判所に訴えてみても、勝てないし、現場には戻れるわけでもありません。では、「裁判闘争」とは、いったい何なのか? 「闘争」なんて言うと、なんだか、言葉だけはとても勇ましいのだけれど…その中身は、コツコツとした、地道な作業の繰り返しです。その作業の多くを占めるのは、勝つための書面の作成でありました。(2006/12/17) 新任教員免職裁判 【第2回】なぜわたしはここに 冒頭陳述にものすごい拍手 <いざわえりこ> 私の冒頭陳述が裁判所から認められたのが、第1回口頭弁論(05・9・21)の10日ほど前のことでした。私は冒頭陳述の原稿を作成すべく、新任教員としての1年間のこと、子どもたちと過ごした日々、教員を志したころのこと…これまでの自分の人生をたくさん振り返っていました。これは時に苦痛を伴うことでもありますが、それでも提訴に至る自分の思いを裁判官に伝えるため、懸命に原稿を作成していました。その過程で、私が何度もぶち当たった疑問がありました。本当はこの労力を子どもたちの前に立つために費やしているはずではないのか?(2006/12/09) 鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第7回(最終回) 石井紀子(53)さんに聞く 「空港は永遠に未完成のままに」
午後7時過ぎになると、離着陸のラッシュ状態となる。インタビューは、屋根の上をかすめる騒音によって、ときどき中断された。この騒音に耐えて生活するのは、並大抵な苦痛ではない。
(2006/12/06)
新任教員免職裁判 【第1回】裁判闘争の幕開け 1日でも早く、教室に返して <いざわえりこ>
「職を免ずる」。辞令に印字されたこの一文が私の目に飛び込んできたのは、今から1年と少し前のこと。私は2004年4月1日付けで大阪市の小学校教員として採用され、その日からちょうど1年後の05年の3月31日、条件附採用期間中の最終日に免職になりました(2006/11/28)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第6回 石井紀子(53)さんに聞く(上) 闘争のために来たのに風呂たき、冗談じゃないわよって(笑)。
かつては、「微生物農法の会」からはじめられた「ワンパック運動」は、空港反対運動にささえられ、開港後も、6軒の生産者の野菜が、およそ1600世帯に配送されていた。が、その後、生産者はそれぞれ独自な道を歩くようになって、いま、「ワンパック」は、石井恒司・紀子さん夫妻によっておこなわれている。
(2006/11/26)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第5回 石井恒司(58)さんに聞く(下) 頑張りのための頑張りではなくてね
石井恒司さんは、4回か5回逮捕された青行隊のメンバーだったが、いまは、これまで紹介してきた、島村昭治、小泉英政、柳川秀夫さんとは違った感じで、どこか諦観が漂っている。それが運動の退潮をあらわしている。そうかといって、わたしにも、これからの方向をだせる能力があるわけではない。(鎌田)(2006/11/14)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第4回 石井恒司(58)さんに聞く(上) 「過去のことといっても、機動隊に追っ掛けられている夢か、拘置所で寝ている夢か」
東峰部落で、お昼を食べた。ワンパック「共同出荷場」の建物のすぐ横に、12メートルもの高い塀が張りついていて、そのむこうは、ジャンボジエット機が2180メートルの「欠陥滑走路」にむかう、誘導路になっている。だからひっきりなしに重いエンジンの音が響いてきて、巨きな尾翼を立てたジャンボジェット機が自走していくのが感じられる。そのあと、離陸する轟音が殴りつけるように襲いかかってくる。(2006/11/06)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第3回 島村昭治(59)さんに聞く 国家といえども礼節を尽くせ!
空には階段がある。その階段をガタガタ震動させながら、エンジンを全開させたボーイング777が急上昇していく。幅のひろい巨大な鉄板を、強引に引きずりあげる重い摩擦音。その最大音響が通り過ぎる瞬間、船底のように幅のひろい白い胴体が、瓦屋根のうえの空気を圧し潰していくのが感じられる。空路の直下、島村昭治(59)さんのお宅で土間のテーブルにむかいあって座り、轟音の暴風が過ぎ去るのに耐えている。話しはポツンと中断されたままだ。不安に包まれた奇妙な沈黙。目を伏せ、黙りこむしかない。(本文より)(2006/10/30)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第2回 柳川秀夫(58)さんに聞く 「大きく、大量に、ではない社会をめざす運動のはずだった」
秀夫さんは、「ヤナ」で通用する青年行動隊の中心メンバーで、逮捕された経験が数多い。居間の長押(なげし)には、芝山町「宿(しゅく)」部落を開拓した、という祖父の肖像画が架かっている。「長い時間だったなあ。でも、おれにとっては、まだ闘争中だからよ(笑い)。ふつうのひとは、さっさとケリつけてよ、平和に生きているよ。結果的には、ひとり、といえばひとりだからよ、反対同盟というのは、組織としてはもうねえんだから」「まちがっていることがわかっていてもよ。自分でいったん決めると、あとにひかねんだ。負け惜しみの家系でよ、それがまだ、治らねんだ。それに、過去のことを懐かしむのは嫌れいなんだ」(本文から)(2006/10/23)
鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 第1回 小泉英政(57)さん 三里塚に座りこんで、みみずになった
すわりこむとごみがよく見える すわりこむことは ごみの低さに ちかづくことだ 『日本反政治詩集』(向井孝ほか編、1973年刊)に収められてある、松浦英政の短章である。33年ほど前に、非暴力抵抗運動のなかで書かれたものだ。その延長として、彼は三里塚にやってきて、移り住み、連れ合いの美代さんとともに、「貧農」といわれていた小泉よねさんの養子となった。 それ以来、空港に取り囲まれた「東峰(とうほう)部落」で百姓をつづけている。若い日の透徹したこの詩には、静かな目線が感じられる。「松浦英政」は、この詩を裏切ることなく、三里塚に座りこんでいる。(2006/10/16) 鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実 運動にかかわったものの責任として=連載をはじめるにあたり=
1966年7月4日、日本国政府は千葉県三里塚の地に空港をつくることを閣議決定した。そこにくらし、土を耕す人たちにとって“寝耳に水”の出来事だった。現在の成田国際空港、当時は正式名称を新東京国際空港といった。高度経済成長真っ只中の日本が世界に打って出るための象徴的存在と位置付けられ、くらしと農業を守ろうと立ち上がった人びとの抵抗をけちらして建設が強行された。それは国策と人権、コンクリートと土のたたかいでもあった。それから40年、いまも空港と対峙し、土を耕す人びとがいる。その人たちの今を生きる思いを、たたかいの同伴者として、表現者としてかかわってきた鎌田慧さん(ルポライター)が、自らの思いを重ね合わせながら綴るシリーズ−。(2006/10/09)
トヨタイズムの裏側で労組つぶし フィリピントヨタ労組の闘いに世界から支援の輪
「トヨタイズム」や「カンバン方式」をモデルに世界の産業界を席巻してきたトヨタ自動車。年間1兆円を超える営業利益を誇り、経団連のポストをはじめ広告業界を通じたメディアへの支配力も含め、その影響力はとどまるところを知らない。そのトヨタ本社に今年8月、フィリピントヨタ労組のエド・クベロ委員長が、解雇された233名の組合員の復帰と補償を求めて交渉に訪れた。今回の訪日で明らかになったのは、超優良企業とは名ばかりのトヨタ自動車の門前払いに等しい慇懃無礼な対応であった。なぜトヨタはフィリピンに進出し、現地で何を行ってきたのか。労組つぶしだけではなく、フィリピン政府を手玉に取るトヨタの地域支配の実態までクベロ委員長に余すことなく語っていただいた。(「労働情報」特約)(2006/09/14)
重大な欠陥抱えたJRの「企業風土」 尼崎事故で辞任した幹部が続々と天下り 安田浩一(ジャーナリスト)
「どんなに頭を下げられても信用できない」。JR宝塚線脱線事故で肉親を失った遺族のJRに対する抜きがたい不信感はどこからくるのか。事故当時に引責辞任したはずのJR西日本の経営幹部が7月、一斉に子会社の社長に天下りした。被害者の補償問題も未解決のまま実行されていた。過密ダイヤの生みの親で、JR西日本の「天皇」と呼ばれた井出正敬前相談役も子会社の顧問に就任した。遺族から井出氏の責任を問われたJR西日本は「すでに会社を辞めた人間ですから」とはぐらかしていた矢先の人事だった。こうしたJRの利益優先の無責任体質は、保線作業の民営化と子会社への丸投げによる線路破断が後を絶たないことにも現れている。安全が軽視され、事故への無関心が「企業風土」となってしまったJRの実態を現場から報告する。(「労働情報」特約)(2006/09/13)
JR尼崎脱線事故の教訓はどこへ 労使そろって欠けている安全への感性 安田浩一(ジャーナリスト)
JR尼崎線の事故で107名の犠牲者を出したJR西日本は、経営陣の謝罪の言葉にあったように生まれ変わったのか?「『利益よりも安全』を訴えてきた一部の社員に対し、管理者が『体質を変えろ』と高圧的に迫る光景は、ブラックジョークそのもの」と言わせる状況が続いているという。責任を取って辞任したJR西日本の役員は、今夏、子会社や関連会社の社長となって復活を遂げた。これをモラルハザードと言わずして何と表現するのだろうか。労使の癒着と風通しの悪い職場環境を作り出す企業風土は、今や社会現象となって久しい。そうした中で9月15日、国労組合員1047名への不当労働行為を認めた東京地裁判決から1年を迎える。20年にわたって不当解雇の撤回を求めた闘いは続いている。国鉄分割民営化の狙いが何であったのか、労働現場からのルポが生々しく伝えている。(「労働情報」特約)(2006/09/07)
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