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プレシアン

提携・契約メディア

プレシアン


 韓国のインターネット新聞。 質の高いフィーチャー記事、分析記事を売り物にしており、韓国内ではオーマイニュースと並んでネットメディアとしての支持、評価は高い。




北朝鮮
北が何をしても、目的は“金正恩の後継安定化”? 無意味な分析捨てて戦略をまともに見よ/チョン・ヨンチョル西江大教授(プレシアン 1.12)
  北朝鮮の歩みが尋常でない。 今年の新年共同社説から破格的だった。昨年のチョナン艦、延坪島事件などをたどりながら南北間対話の可能性が極度に萎縮した状況においても、新年社説を通じて対話の必要性を主張していたが、今回は無条件な対話をしようと公式に提案している。それも最高領導者の決断によったことを暗示しながらだ。(2011/01/26)


北朝鮮
 「交渉だけが唯一の希望」 訪朝し、ウラニウム濃縮施設の存在を確認したジグフリード・ヘッカー米スタンフォード大学国際安保協力センター所長の報告
  韓国の有力ネットメディア『プレシアン』は11月9〜13日に北朝鮮を訪問して2000個の遠心分離機を備えたウラニウム濃縮施設の存在を確認して帰ってきた米国の核問題の専門家ジグフリード・ヘッカー米スタンフォード大・国際安保協力センター所長の北朝鮮訪問報告書の要約を報道した。その報告書でヘッカー所長は「北朝鮮のウラニウム施設は基本的には電力需要を充当するために建てられたと見られる。だが、軍事的目的に転用される可能性があるから、非常に深刻な事態だというのも正しい」と述べ、これを防ぐためには戦争や対北制裁の強化ではなく、北朝鮮との交渉によって問題を解決しなければならないと強調している。(2010/12/17)


韓国
「独島」領有権をめぐる日本の目論み 南シナ海を参考に「紛争地域化」狙う?
  朝鮮半島の夏の不快指数を更に上げるようなニュースが飛び込んできた。春はアメリカからやってきたが、今度は日本である。7月14日、日本が「独島は日本の領土」という主張を記載した中学校社会科の学習指導要領解説書を発表し、韓国国民の憤怒を買った。これは“狂った牛肉”への輸入反対に続く第2のロウソク・デモが起こりうるほど破壊力のある問題なのは間違いない。2012年から施行される予定である問題の解説書は、「独島は日本の固有領土」と明記こそしていないものの、ロシアとの間で日本が粘り強く問題提起してきた北方領土問題と同じ次元で独島(日本名は「竹島」)問題を取り上げて教育することで、事実上独島に対する日本の領有権を主張するものであるのは間違いない。(プレシアン特約)(2008/07/20)


韓国
民主労働党が韓国進歩陣営の求心力となれ! ブレーキなき李明博政権の独走を止めるために
  李明博政権の発足からようやく1カ月が過ぎたが、まるで数年の時が流れたかのように感じられる。その理由は何だろうか? おそらくそれは、李明博政権の登場以降、かねてから憂慮されていた問題があまりにも早く、しかも多くの領域で吹き出し、われわれの生活を脅かし破壊し始めているからにほかならない。(プレシアン特約)(2008/04/11)


北朝鮮
北朝鮮が今年前半期に黄海上で挑発行為!? 韓国前国防相の警告、その意味と背景を探る
  最近明らかになった金章洙(キム・ジャンス)前国防相の発言が注目を集めている。3月4日付の韓国紙『中央日報』によれば、キム前国防相は退任直前、軍首脳部に対し、今年前半期に北朝鮮が西海(=黄海)側で挑発行為に出る可能性が大きいと語った。金・前国防相の発言は、李明博(イ・ミョンバク)新政権に対する北朝鮮の態度変化と関連がある。昨年10月の南北首脳会談までは「平和と経済の結合」として西海平和協力特別地帯が語られていた西海で緊張が高まっているというのは、どういうわけだろうか。(プレシアン特約)(2008/03/09)


朝鮮半島ブリーフィング
韓国・李明博次期政権の対北政策に高まる憂慮 「核放棄後」でなく「核放棄自体」に関心を
  李明博政権のスタートを控え、政権引き継ぎ委員会の活動が中盤に差しかかっている。政府組織の改編をはじめとする同委員会の様々な政策を眺めつつ、今後の李明博政権の基調や方向性を推測してみたが、この間の委員会の活動や李次期大統領の発言・行動は、当初の期待と異なる不安感や憂慮を少なからず感じさせるものだ。(プレシアン特約)(2008/02/14)

朝鮮半島ブリーフィング
北の核問題が膠着状況から再び危機局面へ 悪化する国際状況、憂慮の2008年
  これまでの北朝鮮核問題には一定のパターンがあった。大まかにいえば、妥協ー膠着ー危機局面の繰り返しだ。6カ国協議の枠組みが難しい争点を後回しにする出口戦略であるため、ひとつの山を越えると次の山が待っている。バンコ・デルタ・アジア(BDA)金融制裁問題が解決した2007年6月から妥協局面に入ったとするならば、申告問題をめぐって米朝両国の立場の違いが現われている2007年末からは膠着局面だと見ることができる。現在の朝鮮半島情勢の客観的な状況を考慮してみると、遅かれ早かれ膠着局面から危機局面へと転換するだろう。(プレシアン特約)(2008/01/27)

朝鮮半島ブリーフィング
韓国新政権は南北対話の基本軸を維持せよ 新年共同社説などから北朝鮮の真意を読み解く
  先の韓国大統領選ではハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏が当選したものの、北朝鮮の公式反応はまだ出ていない。北朝鮮は昨年11月から李明博氏とハンナラ党についての言及を避けてきた。ただ、元日に発表された労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛による共同社説と非公式反応を通じ、北朝鮮当局の苦悩と立場を推し量れるだけだ。(プレシアン特約)(2008/01/05)


北朝鮮
申告ずれ込みで重大局面迎える北朝鮮核問題 韓国次期政権は南北首脳会談合意を再検討も
  今年末に期限を迎える北朝鮮の核開発計画の申告が来年までずれ込む見通しとなり、北朝鮮核問題は重大な局面を迎えつつある。去る10月6日に北京で開かれた6カ国協議で、北朝鮮は年末までに既存の全ての核施設を無能力化し、全ての核開発計画を完全かつ正確に申告すると約束していた。ところが中国外交部の秦剛・報道官は12月25日の定例記者会見で、北朝鮮・寧辺の核施設は稼働を中止、無能力化されて年末までに作業は大部分完了すると明らかにしたものの、最も物議を醸している核開発計画の申告については言及を避け、年末の期限に間に合わないことを示唆した。(プレシアン特約)(2007/12/28)


韓国
大統領選で公正な報道をしたことがない韓国保守3紙 放送所有狙い李明博氏に擦り寄った『朝・中・東』
  「政治の現場を体験してみたら、『朝鮮』『中央』『東亜』の報道は事実報道でなく、酷い『信念報道』だった」ーー。これは革新陣営の政治家の口から出た言葉ではない。ハンナラ党の「真の政治運動本部」で本部長も務めた保守イデオローグの一人である柳錫春(ユ・ソクチュン)延世大学教授が去る16日、『プレシアン』と行ったインタビューで述べた言葉だ。今回の大統領選挙で『朝鮮日報』、『中央日報』、『東亜日報』(=いわゆる『朝・中・東』)という韓国保守3紙は、程度の差こそあれ、ハンナラ党候補の李明博(イ・ミョンバク)氏を諸手を挙げて応援した。『東亜日報』は「民主言論改革市民連合(民言連)」などのメディア団体が糾弾大会を開くほど終始一貫して李候補に露骨に肩入れし、『朝鮮』は時おり「中立性」を保とうとし、『中央』は紙の中では最も慎重な報道姿勢を見せた。(プレシアン特約)(2007/12/23)

韓国
「盧武鉉か否か」が基準となった韓国大統領選 「腐敗は無能よりマシ」という「最悪の選択」
  2007年の韓国大統領選の選択は結局、李明博(イ・ミョンバク)だった。行く先々で非難の的となり、深刻な「道徳スキャンダル」によってすぐさま検察の審判台に立つべき立場にも関わらず、彼はついに国家指導者に選ばれた。ハンナラ党内部では、「李明博ではなくて他の候補だったなら10回は倒れただろう」と彼を評価している。受け止め方によれば、強靭な「権力意志の所有者」とも、重大な「欠格事由の保有者」とも取れる矛盾した評価だ。いずれにせよ「10回倒れても」不思議ではなかった険しい道のりをついには突破したのだから、彼の求心力は立証された。しかし、矛盾のもう一方の側面、すなわち、即刻被疑者となりうる彼を青瓦台(大統領府)に送ることになった原動力は果たして何だったのか。(プレシアン特約)(2007/12/20)

北朝鮮と日本が「普通の国」になりたいなら… 日朝関係の正常化こそ解決法だ チェ・ジェチョン(国会議員、大統合民主新党)
  福田首相とブッシュ米大統領が初の首脳会談を行ったのは11月16日。ブッシュ大統領は今年4月、安倍前首相との会談で拉致問題について「我々は『決して』忘れないだろう」と強調し、「北朝鮮のテロ支援国指定解除については拉致問題を考慮する」と約束していた。しかし、今回の首脳会談では拉致問題をテロ支援国指定解除と関連づけるとのいかなる言及もなかった。日本のメディアは衝撃を隠せない雰囲気だ。途方に暮れた観のある日本政府と世論に対して、韓国のチェ議員は、日朝関係正常化の遅延が日本の国益にプラスにならないと説き、北朝鮮と日本が、実情は共通している自身の目標を達成するため、相手方が望む措置を並行させねばならないという現実を直視すべきだと訴えている。(プレシアン特約)(2007/11/23)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
朝鮮半島情勢の進展は500年にわたる西欧支配史の分岐点 ノーム・チョムスキー教授にインタビュー
  世界的な碩学であり、「米国の良心」として尊敬されている米マサチューセッツ大(MIT)のノーム・チョムスキー教授が第2回南北首脳会談と最近の朝鮮半島情勢について口を開いた。インタビューが行われたのは第2回南北首脳会談の宣言が発表された直後の10月4日。インタビュアーは現在、朝鮮問題の専門家として中国社会科学院で客員教授として活動している鄭己烈(チョン・ギヨル)博士(哲学)だ。鄭教授はボストンのMIT研究室とキャンパスで行われたチョムスキー教授との対話のうち、南北首脳会談に関する部分を整理し、プレシアンに送ってくれた。(プレシアン特約)(2007/10/18)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
「平和と統一と経済が一つの流れに」と評価 南北首脳会談に随行した韓国野党幹部にインタビュー
  第2回南北首脳会談の特別随行員として平壌を訪問したばかりの野党・民主労働党の千永世(チョン・ヨンセ)院内代表は5日、プレシンアンのインタビューに応じ、会談の成果や課題などについて見解を披露した。千代表は与野党ごとに指名された特別随行員として今回の首脳会談に参加した。過去3度訪朝を重ねてきた野党政治家が間近に見た金正日総書記の健康問題、今回の首脳会談が大統領選挙に及ぼす影響、金総書記が首脳会談日程を1日延長しようとした理由、生き生きとした平壌市民の表情が率直に語られている。以下は議員会館事務室で行われたインタビュー全文だ。(プレシアン特約)(2007/10/12)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
金正日総書記の次のカードは「南北関係の全面展開」 北が南の要求を大幅に受け入れた理由とは?
  10月4日に発表された「2007年南北首脳宣言」に対する専門家の評価は、ほとんどが「思ったより南側が多くの成果を得た」というものだ。首脳会談の主役であった盧武鉉・韓国大統領も同日、南側への出入国管理事務所で行った国民向け演説で、「注文が多すぎて、やるべき事が山積みになっていたものの、用意していた風呂敷では足らないほどに成果が大きかった」と満足げに語った。こうした盧大統領の満足感と専門家の評価からも、今回の宣言に南側の要求案が相当多く盛り込まれていることがうかがえる。では、北朝鮮の金正日総書記は何故、南側の要求を大幅に受け入れて合意したのだろうか。(プレシアン特約)(2007/10/11)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
福田政権発足で日本の対北朝鮮政策に変化  プレシアンが姜尚中教授にインタビュー
  福田康夫・元官房長官が23日、自民党総裁に選出され、25日には 国会で日本の新首相に指名される。アジア外交を重視する福田政権の発足は朝鮮半島情勢にも大きな影響を与えるだろう。2002年以降に日朝関係を一挙に冷却化させた北朝鮮による日本人拉致問題に関し、福田氏は柔軟な姿勢を打ち出すことが確実視されるからだ。 (2007/09/24)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
【首脳会談の展望と課題】(1) 核廃棄「確約」より現実的な9.19共同声明の再確認を 朝鮮半島非核化
  第2回首脳会談を前に、韓国のインターネットメディア『プレシアン』では、 会談の目標をテーマ別に検証する新連載「首脳会談の展望と課題」が始まっている。この連載では(1)朝鮮半島の非核化、(2)平和体制と安保上の信頼関係の構築、(3)統一を巡る論議、(4)経済協力、(5)人道主義と社会文化交流など、各分野における首脳会談の課題、(6)国際社会との協調、(7)国民的合意の醸成、などの周辺の課題まで洩れなく扱う予定だという。朝鮮半島問題に関する韓国内の最高レベルの専門家十数名が執筆に参加しているこの連載では、政治的立場から来る過大な期待や憶測、無理な要求といったものは排除し、南北関係の現実に見合った議題が何なのかを提示したいと伝えている。今後の南北関係や東アジアの安全保障問題を展望する上で大きな示唆を与えるものだと考える。第1回目は、 国家安保戦略研究所のチョ・ソンリョル新安保研究室長だ。(日刊ベリタ編集部)(2007/08/24)


朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
【韓国識者連続インタビュー】(1)南北首脳会談は6カ国協議プロセスに弾み 李洙勲・北東アジア時代委員会委員長
  8月末の開催で韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が合意していた南北首脳会談は、北朝鮮側が豪雨による水害被害を理由に10月初旬への延期を韓国側に申し入れ、日程が急遽変更された。これによって韓国では今年末に予定される韓国大統領選への微妙な影響も指摘されているが、会談自体は問題なく実施される見通しだ。では、2回目となる南北首脳会談が朝鮮半島情勢、さらには北東アジア情勢にどのような影響を及ぼすのか。南北の首脳は何を狙い、会談では何が話し合われるのか。韓国のインターネットメディア「プレシアン」は、会談の帰趨に影響を持つ韓国要人への連続インタビューを掲載している。今回紹介するのは、韓国大統領の諮問委員会であり、韓国の対北朝鮮政策や北東アジア外交に影響力を持つ「北東アジア時代委員会」の委員長を務める李洙勲(イ・スフン)氏だ。(日刊ベリタ編集部)(2007/08/20)

朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
<第2回南北首脳会談:韓国の対北政策要人に聞く> 「金正日は核放棄を決断したようだ」林東源・元国家情報院長 「平和体制構築で南北主導の合意を」丁世鉉・元統一相
   8月28日〜30日まで平壌で開催されることが決まった南北首脳会談について、韓国のインターネットメディア『プレシアン』は11日までに、韓国において対北朝鮮政策の中枢を担ってきた2人の要人へのインタビュー記事を掲載した。1人は林東源(イム・ドンウォン)氏。もう1人は丁世鉉(チョン・セヒョン)氏。林氏は金大中前大統領の信頼が厚い最側近とされ、前政権下では情報機関の国家情報院長や大統領外交安保統一特別補佐官などを歴任、2000年の南北首脳会談では実現に向けた仕掛人となった。 一方の丁氏は金大中前政権と盧武鉉政権の2代にわたって統一相を務めた。同相は韓国政府における対北朝鮮政策の司令塔であり、丁氏は韓国における南北問題の第一人者に数えられている。従って両氏の発言は、金大中─盧武鉉の両政権下で引き継がれてきた韓国の対北朝鮮政策を代表するものといえる。第2回目となる南北首脳会談に臨む韓国政府の考えと期待を知るには格好の材料であり、プレシアンによる両氏へのインタビュー全文を翻訳して掲載する。(日刊ベリタ編集部)(2007/08/11)


朝鮮半島ブリーフィング
<1>米朝関係進展を中国はどう見ているか 中国及び周辺国から厳しい視線 
 北朝鮮の口座が凍結されていたマカオの銀行バンコデルタアジア(BDA)問題が解決の兆しを見せている。BDA問題が解決すれば、関心は「北朝鮮がどのように核放棄を進めていくのか」に集中するであろう。なぜなら、それは北朝鮮と米国がいかに問題解決に積極的であるかを測る試金石となるからだ。米朝関係が進展すると、周辺諸国にとっては微妙で新しい問題が発生する。日本は既にこれに対する不安と不満を隠せずにいる。そして中国は、公式的には米朝関係の進展を歓迎するという立場を明らかにしているが、内部ではやはり非常に複雑な計算をせざるを得ない状況だ。(2007/06/20)


北朝鮮はどこへ
<最終回>専門家座談会「北朝鮮の現状と展望、我々の対応すべき方向」
  「プレシアン」と「北朝鮮研究学会」は共同企画「北朝鮮はどこへ」の最終回として、韓国の北朝鮮専門家による座談会を行った。2006年7月の北朝鮮のミサイル発射から1ヶ月後のことであり、その後今年2月の6カ国協議で北朝鮮の核施設の稼動停止と重油支援などを盛り込んだ合意文書が採択されたため、情勢は座談会当時とは変わった点もある。しかし、連載で明らかにされた「変化する北朝鮮」と「変化しない北朝鮮」の分析をふまえて、専門家たちが交わした議論は北東アジアの平和と安定について今後を展望するうえで多くの示唆を与えてくれる。参加者はいくつかの見解の違いを見せながらも、米朝、南北朝鮮、日朝関係の改善にそれぞれが何をなすべきかを提言し、「北朝鮮はミサイル発射以後の情勢変化を傍観しながら突破口を模索するだろう」という点では意見が一致している。(2007/05/30)

北朝鮮はどこへ
<28>映画で表現される経済政策 社会文化編(10) 
 北朝鮮映画が経済問題をテーマに力を入れている。映画が経済を主題にしたことは過去にもあったが、現在のように集中的に経済問題を扱うのは珍しい。それだけ経済問題が重要になったという証拠でもある。テーマも直接的なものになっている。映画というジャンルを通じて自然に見せるというよりは、人民に対してテーマを繰り返し強調するのが北朝鮮式だ。そこからは、経済政策の方向性がはっきりと見えてくる。テーマが先にあって、それを映画で表現するというのが現状である。(2007/04/06)


北朝鮮はどこへ
<27>女性の権利抑圧する「母性イデオロギー」 社会文化編(9)
 韓国から見た北朝鮮の女性は、「南男北女」と言われるように、美女軍団から最近 CMに登場するチョ・ミョンエにいたるまで、主として「伝統的な女性のイメージ」で描かれている。北朝鮮の女性を、このように性的な対象としてのみ見るのはいかがなものか。新たな「統一時代」に備えている今、北朝鮮女性の正しい姿を描いてみるべきだ。1990年代の食糧欠乏と住民脱北、外貨稼ぎなど住民たちの積極的な生活の営み、そして2002年の 71経済管理改善措置など北朝鮮社会の一連の変化は、女性の生活と意識を急激に変化させた。家庭と社会が活動舞台だった女性が、経済の主体になり始めたのだ。それは、非常につらく厳しかった生活の転換点となった。一人の労動者、そして子供の母親として生きてきた彼女らの生活に、変化の風が吹き始めている。(2007/04/04)

北朝鮮はどこへ
<26>新世代の価値観の変化は肯定的か、否定的か? 社会・文化編 (8)
 韓国社会では今の若い世代についての評価は否定的なことが多い。理由は物質的不自由を知らずに育ち、既存の秩序に従うことなく自由だけを声高に主張する新しい道徳観と価値観を持つ者たち、もしくは過度に感性的思考で行動し、伝統的価値観を拒否する一方で西欧文化を模倣している者が目立つからだ。北朝鮮社会にも「新世代」は存在する。しかし、建前上は韓国社会のそれとはまったく概念が異なる。北朝鮮の文献のなかの「新世代像」は、「主体思想のもっとも熱烈な信奉者、擁護者」「党の頼もしい戦闘部隊、革命の継承者、党の近衛兵、決死隊」である。また彼らの目標は党と首領の志を仰ぎ、社会と集団、祖国と人民のために献身し、犠牲にもなれる「主体型の共産主義革命家」になることである。(2007/03/24)

北朝鮮はどこへ
<25>映画に映る社会の雰囲気の変化 新世代を意識した試みも 社会文化編(7) 
  体制が違うため当然の話だが、年間40本製作される北朝鮮の映画は、韓国の映画と似て非なるものである。大衆にとって重要な娯楽であるのは同じだ。しかし、異なるのは北朝鮮の映画の一次的な役目が政治的メッセージであるという点である。最近の政治的なテーマは「先軍」であるといえる。しかしよく見ると、メッセージの伝達方法やテーマに、過去とは異なるいくつかの特徴を見出すことができる。一方、外国映画の開放に対する姿勢も著しく変化している。オープンなルートではないが、韓国の映画やドラマが徐々に広がる傾向にある。(2007/03/23)

北朝鮮はどこへ
<24>テレビの主人は最高権力者か視聴者か 社会文化編(6)
  2002年と 2006年の6月、韓国では人びとがワールドカップに熱くなっていた。ベスト4になった2002年と、ベスト16を目前に挫折した2006年、韓国での応援の様子は、朝鮮半島全体を揺るがすほど力強かった。韓国の人口の約半分に当たる2000万人以上が、テレビを通じて韓国チームの試合を見たのである。サッカーは南北朝鮮の両方において「国技」に定められ、金正日総書記も「スポーツではサッカーが基本である」と述べている。では、韓国が熱くなっていたその時、北朝鮮の人びともテレビでワールドカップの試合を見ていたのだろうか。(2007/03/18)


北朝鮮はどこへ
<23>住民の価値意識の変化 社会文化編(5)
 価値意識とは人間の欲求を認識する体系であるといえる。すなわち、人々が生活するうえで、ある対象やある行為に対して価値があると考える特定の状態を好む包括的な傾向を指すからだ。価値を追求するのが人間の本質だとすれば、その社会において支配的な価値を知ることは、社会の構成員が追及する行動の変化を理解する一助となる。(2007/03/13)


北朝鮮はどこへ
<22>刑法改正と北朝鮮社会の変化 社会文化編(4)
 北朝鮮で最初の刑法は「朝鮮民主主義人民共和国刑法採択に関して」という政令により1950年 3月 3日に定められた。現在の刑法の根幹は 1974年に制定された社会主義刑法にある。 (2007/03/09)


北朝鮮はどこへ
<21>金正日時代の保健医療体制の「三重奏」 社会文化編(3)
 無償治療制度は、自他ともに認める北朝鮮の公式保健医療制度だ。また金日成、金正日時代を通じて、北朝鮮が一番胸を張る社会制度のひとつである。しかし現実には、無償治療制度はすでに1990年代初めから内部亀裂が発生していた。亀裂は、最初は部分的な麻痺から始まった。つまり経済難、食糧難、外貨不足、エネルギー不足という悪条件と重なり、苦難が長期化することによって医療は崩壊していった。金正日時代における北朝鮮の保健医療体制は、本来の機能を果たしていない。これは昨日今日に始まった問題ではなく、短期間な回復が望める問題でもない。(2007/03/08)


北朝鮮はどこへ
<20>北朝鮮の都市と住居生活の変化 社会文化編(2)
 最近、平壌をはじめ元山、咸興など北朝鮮の主要都市では、新しい変化の風が吹いている。古い歩道ブロックを取り除き、色とりどりのブロックを新たに敷き詰め、薄暗いアパートと建物の壁を塗り直して新たに飾りつけ、築数十年の安物な建物を壊して現代式の住宅と建物にするなど、都市のあちこちが華やいでいる。このように都市が生気を取り戻す様子は、建物の新築が事実上不可能となり「幽霊都市」や「死の都市」を連想させた苦難の行軍時代の北朝鮮と比べたら、注目に値する変化である。果たしてこのような変化は、北朝鮮の都市が長年の泥沼状態から脱し、新たな飛躍の段階に入った兆候なのであろうか。また、これを通じて飢餓状態をさ迷った都市住民の日常生活が大きく良い方向に進むことができるのだろうか。変化の様子を挙げながら、その意味を分析してみたい。(プレシアン特約)(2007/03/07)

北朝鮮はどこへ
〈19〉革命精神の緩みものぞく 文学作品から見た北朝鮮の変化 社会文化編(1)
  ハン・ウンビンの「二度目の再会」(朝鮮文学、1999年)は、体制が次第に崩壊に向かっていくという考え方は「木の葉一枚を取り上げて木全体が枯れ果てていくように騒ぐことを好む西洋世界が好きな見方」であると書いている。「すべてのものが不足し、難しい状況であるが、私たちは何も失わなかった。変わらず一つの軌道に沿って流れている私たちの生活、私たちの生活…。道端では街灯の明かりと路面電車、自動車のヘッドライトの光の中で『今年を強盛大国建設の偉大な転換の年として輝かせよう!』というスローガンが生き生きと力強く目立っている…。廊下では一軒一軒の門すべてを叩きながら 『診療所に早く行って予防注射を打ってください!』という声がひっきりなく聞こえ、だんだん遠くなっていく」 (プレシアン特約)(2007/03/03)


北朝鮮はどこへ
〈18〉【韓国識者座談会】市場経済はなお「かごの中の改革」か 中国への依存に憂慮の指摘も
  北朝鮮は変化しているのか? だとしたら、最終的に何を目指しているのだろうか? 7・1経済改善措置(北朝鮮が2002年7月1日付で発布した「経済管理改善措置」、通称「7・1措置」)が発令されたからの北朝鮮の一連の経済改革をめぐって、韓国ではさまざまな視点で分析されている。ある人は北朝鮮が改革解放を通じて資本主義の道に進むだろうと推測し、またある人は現在の動きにそのような目的はないと断定している。プレシアンと「北韓(北朝鮮)研究学会」の共同企画「北朝鮮はどこへ」の経済編を終えるにおいて、専門家の座談会を開いた。2006年5月26日にプレシアン本社で行われた座談会には、クォン・ヨンギョン統一教育院教授、チョン・グァンミン国際問題調査研究所専任研究員、ユ・ヨング社団法人ヒュンダイ社研究所理事長が参加した。司会はパク・インギュ=プレシアン代表。(プレシアン特約)(2007/03/02)


北朝鮮はどこへ
〈17〉米国の推測より少ない実際の外貨不足 過大視されている経済制裁の効果
 北朝鮮は「自立経済」というスローガンのもとに他国に依存しない経済を自負しているが、現実を見る限りではそれに同意しかねる。旧ソ連の崩壊に伴い工業生産の減量や資本の大部分を依存していた北朝鮮経済は、90年代に落ちるところまで落ちてしまった。北朝鮮が「自立経済」を維持していたのなら、ソ連崩壊はこれほど大きく影響しなかったはずだ。かつて北朝鮮の貿易の半分以上は対ソ連貿易であり、その上、ソ連からの輸入品は国際価格より安い「友好価格」で取り引きされてきたのだ。(プレシアン特約)(2007/02/21)

北朝鮮はどこへ
<16>改革開放に向けた法整備進む 相続法制定で住宅の相続も可能に
 2000年以後、北朝鮮は経済の改革・開放を制度的に裏付けるための経済関連法規の制定及び改定作業に本格的に取り掛かった。もともと北朝鮮の法律の半分ほどは経済関連の法律だが、最近制定または改定が確認された法律だけで39にのぼり、その内訳は経済・科学分野が23、社会分野が6と、経済分野に集中している。(プレシアン特約)(2007/02/08)

北朝鮮はどこへ
<15>中国の狙いは北朝鮮の「安保基地化」か 中朝経済関係を読み解く第三の視点
   北朝鮮と中国の経済的な関係の拡大について憂慮を示す見方がある一方で、北朝鮮経済の改革と開放を早めることができるだろうという期待感もある。中朝の経済関係に対する憂慮は、北朝鮮が中国に従属し、南北関係や統一以後の朝鮮半島情勢に不利な影響を与える可能性があるという論理によるものだ。中国の経済力の伸長による国際社会における地位の上昇や攻撃的な対外政策、そして東北地域の振興計画推進などを勘案すると、中国には北朝鮮を安全保障と経済のための「基地化」しようとする戦略的意図があるのでは、という疑いが生じる。(プレシアン特約)(2007/01/18)

北朝鮮はどこへ
<14>「東洋のユダヤ人」温州商人が平壌に現れた 深まる消費財の中国依存
  2002年 の7・1 措置以後、北朝鮮の流通部門でも重要な変化が現われた。その中のひとつが 20003年に実施された農民市場の総合市場への改編だった。このような転換の背後には、 非公式的市場の制度化と国営商業網の正常化、国家納付金の取り立てによる財政再建、慢性的な消費物資不足の解消といった政府の意図が存在する。ところが北朝鮮で流通する消費財の80% 以上が中国産だということは北朝鮮が自ら消費物資を生産・供給する力は相変らず脆弱だということを反証している。(2006/12/20)

北朝鮮はどこへ
<13>実利が経済活動のバロメーター 経済管理システムに変化 平壌には 「輸入物資交流市場」も
2002年7月に北朝鮮政府が社会主義経済管理改善措置を発表してから4年が経った。物価の引き上げや供給不足など国家の計画経済の統制が緩んだことによって潜在的な問題が表面化した否定的な現象と、機関や企業所の独立制実施によって実利が経済活動の中心指標となって効率が向上するという肯定的な現象が同時に存在・交錯している。(プレシアン特約)(2006/12/08)


北朝鮮はどこへ
<12>米朝・日朝国交回復なしには不可能な貿易拡大の夢
  今年4月21日、平壌羊角島ホテルでのことだった。筆者(キム・ボグン)は、偶然ホテルのロビーで○○貿易の金代表と会った。筆者はハンギョレ統一文化財団を通じて、今年平壌に子供の教育用ノート工場を建設するために、4月18日から22日までの日程で北朝鮮を訪問していたのだ。あれこれ話をしたあと、金代表は意外な言葉を口にした。「私たちはいつまでもこんな生活は送りません。今は私たちと貿易をするにあたっていろいろと不便なこともあるかと思います。でも、今後は変わっていくでしょう。私は今、貿易の仕事をしていますが、私の夢は貿易会社をたくさん作り、より多くの人たちが働けるようにすることです」(2006/11/29)

北朝鮮はどこへ
<11>供給量不足で配給制は困難に 闇市場に頼る住民に価格高騰が追い討ち
  北朝鮮政府は、金日成主席の死亡直後から金正日総書記の公式就任直前まで、1995─98年の厳しい経済難の時期を「苦難の行軍」と呼んでいる。食糧も生活必需品も国家による配給が全く成り立たなかった時期という意味である。正確な実態は把握されていないが、何十万、何百万と言う大規模な餓死者が発生した「歴史の悲劇」として記録される時期だった。今年に入って配給量はかなり減少したと伝えられ、平壌の場合1〜2月には配給が正常に行われたが、3月には遅配されており、4月に配給されたのは10日分だけだった。(2006/11/13)

北朝鮮はどこへ
<10>点に留まる経済特区、線・面へと拡大するか?
  北朝鮮が経済的に西側資本を受け入れ始めたのは1970年代初〜中盤からと見られる。これを開放1期ということもある。この時期には大規模な西側の資本を誘致しながら経済発展を図ったが、2次にわたったオイルショックと国際的な原材料価格の急変などで、北朝鮮には債務不履行という不名誉が残された。第1期は資本に対する開放、第2期は企業に対する開放であったとすれば、北朝鮮は1991年から地域に対する開放を始めた。羅津・先鋒自由経済貿易地帯を設置し、外資誘致に力を注いだ。この時期を開放第3期とすることができ、それは現在でも続いている。(2006/11/06)

北朝鮮
中国の「飴と鞭」戦略が奏功、会談の展望は「濃霧波浪注意報」 北朝鮮の6者協議復帰
  米・中・北3カ国の6者協議代表が10月31日北京で会い、「近い時期」に6者協議を再開することを合意した。この突然の出来事に、北朝鮮が協議復帰を決めた背景と協議の展望に対する興味が高まっている。このように態度が変化した背景には、まず北朝鮮を「あやし、なぐさめた」中国の仲裁努力があったという見方が圧倒的だ。中国と韓国を含む国際社会の制裁の動きと圧力に対する危機感も、会談復帰の主な要因として分析される。しかし6者協議の見通しはあまり明るくないというのが、専門家たちの主流な意見だ。(2006/11/05)


北朝鮮
北朝鮮と米国の政策はともに失敗 破局回避には対話が唯一の道 金根植・韓国慶南大教授
  10月3日に核実験をすると言い放ってから一週間も経たない9日、北朝鮮は電撃的に核実験を強行した。しかし核実験後、米国は決して北朝鮮の思った通りには動かなかった。北朝鮮の核実験に驚くどころか、米国は非常に抑制された姿勢で速かに国連を立てて本格的な制裁に突入した。米国が北の瀬戸際戦術に断固たる無視政策で臨んだことは成功的だったが、国連を通じて対北制裁に取りかかったことが、果して米国が意図するように北朝鮮を屈服させることができるかどうかは相変わらず未知数だ。(2006/10/29)


北朝鮮
平和と危機の岐路…あきらめる時ではない 制裁・圧迫は解決策ではない キム・ヨンチョル高麗大教授 
  北朝鮮はなぜ国際社会の強い警告にもかかわらず核実験を行ったのだろうか。一般的に核実験を行う国家の動機としては、恐怖、名誉、利益という3つの要素が当てはまる。パキスタンがインドの核実験後わずか2週間で国際社会の警告にもかかわらず行動に出た背景には「恐怖」があった。北朝鮮の核実験には、彼らが直面している現在の局面に対する恐怖が表れている。ツキディデスはペロポネソス戦争史で「危機に面した人々は、未来の危機に対する恐怖によって動かされる」と記している。(2006/10/15)

安倍政権をどう見るか
日朝は危険で愚かなガマン比べを避けられるか?
  2006年8月12日安倍晋三官房長官は、自分の地盤である山口県下関市で開かれた後援会の集まりで事実上の自民党総裁選挙出馬を宣言し、戦後世代が責任を負っていくという気概を持つときがやってきたと述べた。9月20日の自民党総裁選には、安倍官房長官以外に麻生太郎外相、谷垣禎一 財務相などが立候補し、安倍長官が当選した。安倍晋三体制誕生の一番の功労者は小泉総理と北朝鮮だといえる。(2006/10/09)


北朝鮮はどこへ
<9>経済改革で解き放たれた消費への欲求 プラス成長とともに深刻なインフレ
  北朝鮮が2002年に着手した「7・1措置」は、経済活動の分権化、貨幤化、市場化を目指す経済改革政策として国営企業及び協同農場の経済管理体系、分配制度、価格制度、財政、対外経済制度など、すべての経済分野にわたって施行された。「計画」にだけ頼っていた経済運用体系に「市場」の要素も加えてようとする改革措置だった。改革はすべての改革政策がそうであるように、改革の苦みと甘みを同時にもたらし、過去3年間の損益を判断するのが難しいほどの激変を起こしている。(プレシアン特約)(2006/10/05)


安倍政権をどう見るか
韓日関係への懸念と期待 イ・ウォンドク韓国・国民大学教授
  日本の戦後世代に属する安倍晋三が自民党総裁になった。安倍時代に日本の外交と内政は変化するかどうかに対し熱い関心が寄せられている。彼は平和憲法9条を改正または削除し、戦後の日本の安保政策を根本的に変え、日本の保守-右傾化を深刻化させるだろうというのが主な見方だ。外交安保及び両極化問題に対するシンクタンクである「新しいコリア構想のための研究院(コリア研究院)」(注*)は、日本の安倍体制のスタートに合わせ、「安倍総理体制と東アジア」という特別企画を発表した。イ・ウォンドク国民大の教授など、韓国の代表的な日本研究者たちが参加した今回の企画で、コリア研究院は安倍総理体制の登場が政治・経済・外交安保の面で朝鮮半島や東アジアに与える影響を集中診断している。発表された3つの文章を順次紹介する。(プレシアン特約)(2006/10/02)


北朝鮮はどこへ
<8>実利よりも威信重視 大国間の葛藤を活用したゲリラ外交で小国の国益追求
  外交政策というものは、国家ごとにスタイルが決まっている。それぞれの国家が異なる歴史と文化、政治・経済・社会構造を持っているという事実は、各国家の外交政策の傾向、目的、戦略は異なるのが当然であることを意味している。北朝鮮も特殊な地理的環境、政治文化、そして歴史的経験から生まれる独自の戦略文化を持っており、その戦略文化に基づいた独特の外交スタイルを持っている。北朝鮮の核問題を巡る米朝間の緊張と葛藤を解消するための第一歩は、相手の戦略文化を理解する努力にあるのではないだろうか。(プレシアン特約)(2006/09/23)


北朝鮮はどこへ
<7>党の相対的な弱体化、軍・内閣の地位向上 金正日時代の指導体制
 北朝鮮の政治体制は、党─国家体制という性格を持っている。北朝鮮憲法11条は、国家機関に対する党の指導を明らかにしており、党規約46条は、人民軍に対する党の指導を明文化している。かつて北朝鮮は、実際に党の中央委員会と中央人民委員会を通じて、党の指導を体系的に行っていた。システムとしての党の指導を通じて、国家機関と人民軍を統制していたのだ。しかし金正日時代に入り、党の指導の核心となってきた党中央委員会が、ここ10年以上の間機能していない。(プレシアン特約)(2006/09/15)


北朝鮮はどこへ
<6>北朝鮮の核能力は果たしてどの程度なのか? 核兵器を実質的に保有の可能性
  北朝鮮が核兵器保有を公式に宣言してから1年が経ち、寧辺の核施設に対する国際原子力機関(IAEA)の査察が腰砕けに終わってから3年が過ぎた。しかし昨年の9・19共同声明以後、北朝鮮核問題の平和的解決のための6者協議は相変らず足踏み状態のままである。北朝鮮は、今この瞬間にも国際的制裁をまったく受けることなく、寧辺の5MW黒鉛炉を100%運転し、1年間で核兵器1基分のプルトニウムを生産している。この記事では、北朝鮮の核開発能力、すなわちプルトニウム保有量はいくらなのか、核爆弾製造に必要な起爆装置開発に成功したのか、核弾頭のミサイル装着可否など北朝鮮の核開発能力と開発計画の検証、および廃棄することの重要性について、関連する資料に基づいた筆者の分析を整理してみたい。(プレシアン特約)(2006/09/07)


北朝鮮はどこへ
<5>後継者の準備を本当にしているのか? 注目される第7次党大会
  金正日(キム・ジョンイル)総書記が 2002年に還暦を迎えて以来、国内外のマスコミでは金正日総書記の後継者問題が関心の的になっている。2000年代に入って北朝鮮軍の内部資料が公開されたり、総書記の板前だったという日本人藤本健二氏の本が出版されたりしたことにより、これまでは単なる「仮説」にすぎなかったことが、新たな様相を見せている。これまでは「金正男(キム・ジョンナム)と金正哲(キム・ジョンチョル)の後継者争い説」、「金正哲浮上説」、「金正哲の後継ぎ確定説」「金正雲(キム・ジョンウン)後継者浮上説」など多様な説がもっともらしく繰り広げられてきた。概して、金正日の息子が後継者になるであろうという分析が多かった。(2006/09/01)

北朝鮮はどこへ
<4>金正日の先軍政治は不動のものか 安保を脅かす要因の消滅で終焉に
  金日正総書記が先軍政治を始めてからいつのまにか 10年が過ぎた。今では「北朝鮮」「金正日」「先軍政治」という単語を切り離し、「先軍政治」のない北朝鮮を想像するのは難しくなっている。北朝鮮の政治体制はもちろん、北朝鮮の日常生活を理解するためにも先軍政治は欠かすことができないキーワードとなった。先軍政治は 「新しい政治方式」から 「新しい革命理論」へ、主体思想に劣らない 「新しい思想」へとたえず派生しながら広がっている。「主体思想一色化」を連想させる「先軍思想一色化」というスローガンまで登場した。(2006/08/23)


北朝鮮はどこへ
<3>主体思想の未来は? 「改革・実利」思想を正当化するための「骨董品」に
  北朝鮮の公式イデオロギーは、今も変わらず主体思想である。朝鮮民主主義人民共和国憲法にも、朝鮮労動党規約にも、主体思想は指導思想として明示されている。 しかし現在の主体思想は影響力や支配力でかつてに及ばない。むしろ今、北朝鮮における主体思想は 「引き出しの中の骨董品」であるといっても過言ではない。(2006/08/15)

北朝鮮はどこへ
<2>反体制・改革勢力は存在しないのか  パワーエリートたちの実像
  北朝鮮の体制の特徴として、首領唯一支配体制が挙げられる。主体思想の基本をとなっているのも まさに「革命的首領観」である。首領は絶対的権威であり、北朝鮮のすべての住民を統治する。そして首領と住民の間の伝動ベルト(用語解説参照)役を担うものとして、朝鮮労動党が存在する。ここでいう朝鮮労動党とは、組職と党員を意味する。朝鮮労動党党員についての正確な統計は明らかにされていないが、おそらく200万から300万人ほど存在すると推算されている。(プレシアン特約)(2006/08/09)

北朝鮮はどこへ
<1>北朝鮮の悩みと努力の実像を知ろう(下) 情報の「受け手」から「送り手」へ
  民間レベルの北朝鮮情報へのアプローチ拡大は、国内的な意義に留まらない。冷戦の時代には北朝鮮関連情報の海外依存度が高かった。すなわち、米国や日本などの外国人は、われわれよりも相対的に自由に北朝鮮を訪問したり北側の人と接触することが可能であり、そういった情報にはプレミア性があった。このためわれわれは第三国の政府と研究機関、研究者の北朝鮮情報と分析に頼る傾向から脱することが難しかったのだ。しかし、南北政府関係の改善および民間レベルの交流・協力の拡大は、韓国の北朝鮮情報と分析能力を一気に引き上げている。(2006/08/03)

北朝鮮はどこへ
<1>北朝鮮の悩みと努力の実像を知ろう(上) 北東アジアの未来の平和と繁栄をめざして  
  北東アジアが平和と繁栄の道に進んでいくのか、それとも破局に向かうのか、その鍵を握っているのが北朝鮮である。だからこそ私たちにとって今もっとも大切なことの一つは、この閉ざされた国の実情をできるだけ正確に把握することであり、悪意に満ちたセンセーショナルなレッテル貼りをすることではない。また米日の研究者などとは異なる視点で、わが隣国で何が起きているのかを知る必要もある。このような問題意識にもとづいて、日刊ベリタは韓国の代表的なネットメディア、プレシアンの連載「北朝鮮はどこへ」を紹介する。連載は、冷戦思考から解放された「6・15時代」にふさわしい「未来志向的認識を民間主導で提示したい」との目的から、韓国の北朝鮮専門家350人が参加する「北朝鮮研究学会」関係者の議論をふまえて今年4月から開始され、現在連載中である。(日刊ベリタ)(2006/08/02)


北朝鮮
日本の「北朝鮮先制攻撃論」の裏にあるもの キム・ジェミョン記者
  北朝鮮のミサイル発射後、日本の一部保守政治家からは北朝鮮に対する先制攻撃論が叫ばれている。韓国のネットメディア、プレシアンのキム・ジェミョン企画委員・国際紛争専門記者は、そうした日本の興奮状態を「集団ヒステリー」と評し、勇ましい発言の裏に何があるのかを冷静に分析している。ひとつは、日本の軍事大国化をめざす保守右派リーダーたちの思惑と彼らと利害をともにする米軍需産業の動き。もうひとつは、米国の核政策の「二重基準」(ダブルスタンダード)の尻馬に乗って、北東アジアで中東におけるイスラエルと同じ役割を日本が果たそうとしているのではないかという危惧だ。(プレシアン特約)(2006/07/31)

北朝鮮
中国はそれでも北朝鮮を抱え込む 国連安保理決議後の中朝関係  キム・ジェミョン記者
  中国は、北朝鮮のミサイル発射を非難する国連安保理決議案に賛成票を投じた。米日が求める国連憲章第7章にもとづく制裁措置は盛り込まれなかったものの、これは中国と北朝鮮の関係の変化を意味するのであろうか。韓国のネットメディア、プレシアンのキム・ジェミョン企画委員・国際紛争専門記者は、中国のミサイル発射留保の説得に北朝鮮が応じなかったことが中国指導部内の対北強硬論を優勢にさせたと分析しながらも、北朝鮮がミサイル発射の続行や核実験に踏み切らない限り中国は同盟関係を維持するとみる。米日による圧力強化で金正日体制が揺らぐことは、地域の安定や経済利益上、中国にとって好ましくないからだ。(プレシアン特約)(2006/07/23)

北朝鮮
ミサイル発射への過剰反応を憂慮する 「安保危機」叫ぶよりも「協議再開」を 金根植・慶南大教授
 北朝鮮によるミサイル発射から1週間。相次ぐ日本政府高官による先制攻撃論は、周辺国にも大きな波紋を及ぼしている。日本国民の世論も強硬論を許容する気配が濃厚だ。米国も同様に制裁を主張している。今回の危機の特徴として、金根植(キム・グンシク)慶南大学教授(政治学)は、最も北朝鮮に強行な対応を取っているのは韓国自身だと指摘する。すでに南北首脳会談から6年が経過した。にもかかわらず南北関係に進展がなく、核問題の解決の気配すらない。そうした停滞状況に韓国民が倦怠感を覚えた裏返しだというのだ。しかしまた、そうであるからこそ冷静にミサイル危機の本質的な原因を究明することが必要なのだと、金教授は説く。親北朝鮮と反北朝鮮の区別とは関係なく、周期的に繰り返される対決を終結させるための分析と大胆な提言を紹介する。(プレシアン特約)(2006/07/13)

北朝鮮
北朝鮮の武力示威だけが問題なのか ソ・ジェジョン米コーネル大学教授(政治学)
  北朝鮮のミサイル打ち上げによって、朝鮮半島の安保危機が再び高まっている。多くの人たちは現在の状況を「北朝鮮のミサイル発射事件」としているが、朝鮮半島の安保状況を大局的に見ると、現状は「米朝間の非対称的な軍事力の示威」であるといえるだろう。視線を朝鮮半島の外に向け、グアムとハワイを眺めると、この場所でアメリカは「ベトナム戦争以後最大規模」と呼ばれる軍事力の示威を6月から行っているのだ。日・韓も参加する合同軍事訓練である。(プレシアン特約)(2006/07/09)

北朝鮮
北朝鮮はなぜミサイルを発射したのか 韓国の専門家の見方をネットメディア「プレシアン」が紹介
  北朝鮮のミサイル発射の狙いはどこにあるのか。独自の北朝鮮報道で定評のある韓国のオンラインニュースメディア、プレシアンは5日、同国の専門家たちの見方を紹介した。専門家らは、電撃的なミサイル発射は中国が提案した「非公式6者協議」に関係があるものとし、北朝鮮の今後の出方に注目している。またミサイル発射は米国を2者協議に誘い込むためのジェスチャーだとして米国が何らかのかたちで北朝鮮との対話を試みる可能性を指摘する見方もある。ただ、多くの専門家は今後の正しい対応のためには北朝鮮の公式発表や米国の情報の慎重な分析が必要だとし、北朝鮮を屈服させようとする戦略は成功しないだろうと指摘している。(プレシアン特約)(2006/07/06)







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