・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・市民活動
・国際
・核・原子力
・みる・よむ・きく
・農と食
・アジア
・反戦・平和
・入管
・欧州
・中国
・イスラエル/パレスチナ
・文化
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・教育
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
・スポーツ
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年10月12日
・2024年10月11日
・2024年10月10日
・2024年10月07日
・2024年10月06日
・2024年10月05日
・2024年10月04日
・2024年10月03日
・2024年10月02日
・2024年10月01日
|
|
2009年02月04日05時42分掲載
無料記事
印刷用
グアンタナモ米軍基地からの訴え
グアンタナモ米基地の瀕死の拘束者が英国に戻れる日は?
英人権団体「リプリーブ」の報告によると、キューバのグアンタナモ米軍基地に設けられたテロ容疑者収容施設に4年間拘束されてきた元英国居住者の男性が、不当拘束に抗議をするためのハンストで「瀕死状態」に陥っている。リプリーブは早期釈放・帰国を呼びかけるが、日にちが漠として定まらない。英政府はこれまで、英国籍保持者を中心に元拘束者の帰国受け入れを行なってきたが、ミリバンド英外相は先月末、「これ以上受け入れない」と宣言している。今回の容疑者は特例とされる見込みだ。オバマ米大統領の就任直後の大統領令で1年以内に閉鎖が決まったグアンタナモ収容所には現在250人ほどの拘束者がいる。閉鎖にともない釈放されても、行き場に窮する元拘束者が出る可能性がある。(ロンドン=小林恭子)
今年1月5日からハンストを開始したのは、ロンドンで学生生活をしていたビンヤン・モハメド容疑者。エチオピア生まれだが、1994年、英国に政治難民としてやってきた。世界中から難民申請者がやってくる英国では、難民としての地位確定までに数年以上かかるケースは珍しくない。モハメド容疑者もこうした申請者の一人で、難民認定を受けるまでの居住を認められていた。
2002年、モハメド容疑者は、パキスタンで偽のパスポートを使って英国に戻ろうとするところをパキスタン政府当局に拘束され、米国に引き渡された。モハメド容疑者がリプリーブの弁護士クライブ・スタッフォードスミス氏に伝えたところによると、「拷問後」、国際テロリスト集団アルカイダのメンバーだと「自白」せざるを得なくなったと言う。「男性自身をありとあらゆる方法で痛めつけられた。拷問者たちは『切除してしまった方がいい。テロリストの子孫を作れないように』と言っていた」とモハメド容疑者は語ったと言う。本人は「テロとは無縁」と主張する。
スタッフォードスミス氏によると、英情報機関MI5は容疑者に拷問が行われたことを「知っていた」。グアンタナモに送られる前、モハメド容疑者はモロッコの刑務所に連れて行かれ、8人の「拷問者のチーム」に過酷な尋問を受けた。この時の尋問官の1人がMI5の要員であると自ら認めた。モハメド容疑者はモロッコからアフガニスタンのカブールに送られ、殴打され、天井から逆さにつられるなどの「尋問」を受けた。その後、同国のバグラム基地に、そしてグアンタナモ収容所に送られた。
モハメド容疑者は、一時、米市民に対する殺害・攻撃を計画した陰謀罪に問われた。米当局によれば、2001年9月11日の米中枢同時テロの首謀者が、モハメド容疑者に米国の住宅を爆破させるよう指令した。しかし、モハメド容疑者に対する米英当局による拷問疑惑が表面化すると、米側はこの容疑を撤回した。
▽元拘束者たちはどこへ行くか
グアンタナモ収容所の設置は2002年1月だ。米政府は、パキスタンやアフガニスタンなどで拘束したイスラム原理主義勢力タリバンなどの兵士らを移送した。拘束者の殆どは弁護士の接見を許されず、容疑も確定しないままで何年も拘束された。「法の外に置かれている」と人権団体、弁護士団体などが強く批判してきた。また、収容所内では過酷な尋問が行なわれていると伝えられ、これも国際的な非難の対象となった。一時、拘束者は800人近くに上ったが、現在は100カ国出身の約250人が拘束されている。
オバマ大統領は、1月末の就任直後、1年以内の収容所の閉鎖や拷問禁止などを定めた大統領に署名した。この動きは世界中で好意的に受け止めれられたが、閉鎖後、釈放された拘束者たちをどの国が受け入れるかを巡り、欧州内でも意見が分かれる。元拘束者が拷問を受けたり、政治的迫害を受ける恐れがある場合、自国へ帰国させず、人道的理由から何らかの支援を提供するという点では欧州連合(EU)諸国は一致しているものの、各国がどれだけ受け入れるかと言う点では合意がない。既に英政府は「これ以上の受け入れはない」と宣言している。ドイツ、ポルトガル、フランス、アイルランド、スェーデンなどは受け入れる可能性を表明し、スペインとオランダはこうした受け入れには応じない、としている。EU議長国チェコの外相は「具体的な受け入れ策は各国政府が決める問題」と述べている。
複数の英紙の報道によれば、拘束者約250人の中で、「無罪」とされた50人は、出身国に帰国すれば政治的迫害にあうため自国には戻れない状態となっている。150人ほどが自国に帰国し、残りの50人ほどが米国の特別法廷で裁かれる見込みだ。
▽英国の役割は?
ガーディアン紙のアンディー・ワージントン記者は、「グアンタナモ収容所は英国が運営していたわけではなかった」が、米国と英国が諜報情報を共有しており、拷問の事実も知っていたという「特別な関係」にあったことから、英政府には情報開示の義務がある、と指摘する(1月11日付)。
昨年夏、英高等法院は、モハメド容疑者の拘束に関わる司法審理の中で、パキスタンで容疑者を不当拘束していた件に英国政府が関わっていた、そしてその結果米英両国が諜報情報を共有したことを明らかにした。
|
関連記事
【関連】<再録>グアンタナモ米軍基地「テロ容疑者」拘束から6年─消えない汚名
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
|