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2010年05月23日11時21分掲載
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普天間問題
今日午前、鳩山首相沖縄再訪 「県民の心をもてあそぶのは、いいかげんにしてもらいたい」「何度足を運んでも答えは同じだ」と地元紙
鳩山首相は23日午前10時過ぎ、自衛隊機で沖縄入りした。 午前中に仲井真弘多(ひろかず)知事と会談し、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への移設案など、日米両政府の合意内容を伝えたとみられる。それに先立ち日米両政府は22日、移設先を同県名護市の辺野古周辺と明記する一方、基地負担軽減策として普天間の海兵隊の訓練を県外に移すことを柱とする共同声明案で大筋合意したと発表した。鳩山首相の沖縄訪問を沖縄2紙は、「県民の心をもてあそぶのは、いいかげんにしてもらいたい」(『沖縄タイムス』23日社説)、「県民の多くが求めているのは「国外・県外移設」「無条件返還」であり、何度足を運んでも答えは同じだ」(『琉球新報』23日社説)と手厳しく迎えた。(日刊ベリタ編集部)
『沖縄タイムス』の社説のタイトルは「[鳩山首相再来県]シマがまた分断される」、『琉球新報』は」「首相再来県 原点に返り『県外』追求を」というもの。『沖縄タイムス』は政府の手法そのものに強い不信をぶつけている。
「驚くことに政府側は、自公政権時代に条件付きで移設を容認していた前名護市長周辺の有力者に受け入れを働き掛け、地域を分断しようとしているというから言葉を失う。14年間にわたってずたずたにされた地域社会をまた混乱させようとしているのである」 「首相を支える平野博文官房長官も鹿児島県・徳之島を分断するためとしかみられない密室交渉をしている。稚拙というだけではすまない。なりふり構わぬ分断工作といったほうがいい」
一体政権交代とは何だったのか、これでは自民党時代と同じではないか、という激しい不信が読み取れる。
『琉球新報』は鳩山政権の一連の動きから、基地問題を根底のところで規定している琉球差別を嗅ぎ取っている。
「普天間飛行場を沖縄や徳之島に押し付けるのは、辺境の地を「捨て石」にして本土住民の安寧を保つ発想であり、戦前と大差ない」 「沖縄は凄惨(せいさん)を極めた地上戦を経て米軍に占領された。米国の施政権の下、広大な土地が軍用地として接収され、自治権も抑圧された」
普天間「移設」は、基地問題を超え沖縄の存在そものをかけた問題にまで深まっていることが分かる。それは戦後日本の在り方そのものを問い直すことに行き着く。
「首相が正面から向き合うべきは米国である。海兵隊駐留のあり方を本格論議すべきなのに、現行案を譲らない米国の顔色ばかりをうかがい、肝心の地元、沖縄の民意を無視する。もうマニフェスト(政権公約)を持ち出すのもむなしくなるが、「対等な日米同盟関係」はどこに消えたのか。「帝国」と「属国」の関係ではないのか」(『沖縄タイムス』)
「(鳩山首相は)今や取り返しのつかない過ちを犯そうとしている。過失を犯したと分かればためらわずに改める姿勢が為政者には欠かせない。改めようとしないことこそ真の過失であり、将来に禍根を残す。鳩山首相は沖縄の現実を曇りのない目で見極め、初心に帰ってほしい」(『琉球新報『)
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