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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年09月15日02時31分掲載
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チャベス暗殺発言は表現の自由? あいまいなブッシュ政権の対応
米国のテレビ伝道師が、番組の最中に、外国の大統領の暗殺を口走ることは異常なのか。あるいは表現の自由として許容される範囲内にあるのか。TV伝道師パット・ロバートソン氏は、ブッシュ政権批判の急先鋒である南米ベネズエラのチャベス大統領の暗殺を、公然とブッシュ政権に要求、波紋を呼んだ。数日後に発言について謝罪したが、実態は謝罪というより釈明に近い。キリスト教右派を支持基盤にするブッシュ政権は、ロバートソン氏の謝罪で一件落着の姿勢を取っているが、余震は依然続いている。(ベリタ通信=有馬洋行)
各種報道を総合すると、1988年の共和党候補者選びにも出馬したロバートソン氏は、宗教右派を代表する人物で、ブッシュ大統領との関係も深い。8月22日に、自らのテレビ局に出演し、チャベス大統領は、米国の宿敵であるキューバのカストロ共産党政権に近く、危険な人物だとこき下ろし、暗殺すべきだと発言した。
発言は世界的に反響を呼んだ。ブッシュ政権は発言は「不適当」と述べたが、ロバートソン氏を非難するのは避けた。同氏は数日後、暗殺を呼び掛けたのは正しくなかったとして発言を謝罪した。しかし、チャベス大統領を危険な独裁者との見方は捨てなかった。
米国とベネズエラの関係は危ない綱渡りみたいなものだ。チャベス大統領は左派政権として、対イラク戦争に反対する一方、最近は中国、イランと接近、ブッシュ政権にとって厄介な存在になっている。しかし、米国は産油国ベネズエラから石油を購入している。ベネズエラとしても石油収入確保のため、米国との関係は絶つことはできない台所の事情がある。
ブッシュ政権がチャベス政権をどう見ているのだろうか。左派系誌は、政権交代を望んでいるとみる。02年にチャベス大統領に対するクーデターが起きた際、米政府は、状況が不明な段階で、直ちに新政権を承認。しかし、数日後にチャベス大統領が復権し、米政権は面目を失った苦い経験をしている。
ブッシュ政権閣僚たちの強硬発言もことしに入って相次いでいる。ラムズフェルド国防長官は、最近南米を訪問し、ベネズエラは地域の不安定要因と批判している。ライス国務長官は指名承認の公聴会で、民主的に選ばれた指導者でも、統治できなけば責任が問われるとの趣旨の発言をしている。米中央情報局(CIA)もチャベス大統領を厄介者との分析を行なっている。
チャベス大統領は貧困層を支持母体にして選挙で選ばれた。しかし、貧困層への優遇措置を打ち出すなど、エリート層との関係はうまくいっていない。富裕層もチャベス大統領の政治運営に不満を募らせている。
▽60年代にもカストロ暗殺計画
こうした流れの中で、ロバートソン発言が飛び出した。チャベス大統領は、かねてから、米国は暗殺を目論んでいると批判している。米国は60年代にカストロ暗殺計画などを企てたともいわれる。その後政府要人の暗殺計画は禁止されたが、対イラク戦争により、防衛のためなら許容されるとの方向に動きつつある。 チャベス大統領の指摘は、必ずしも根拠がないとはいえない。
米政府は、チャベス大統領の暗殺を企てるようなことはしないと公式に表明している。しかし、ロバートソン発言については、一般市民の発言であり表現の自由の範囲内としている。
これに対し、チャベス大統領は、ロバートソン氏をベネズエラへ送還せよ、と実現不可能な要求をしている。一方、米国内では、ロバートソン発言は、外国要人を脅迫する行為を禁じた連邦法に違反しているとの厳しい見方もある。民間の青年組織は、放送事業の許認可権を持つ米連邦通信委員会(FCC)に対し、放送認可の取り消しも考慮すべきだとして早急な調査を要求している。
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