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2006年04月05日15時49分掲載
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【IPSコラム】水は液体の資本かそれとも人権か リッカルド・ペトレラ
世界水フォーラムを支配する経済的・政治的な勢力はまたしても、メキシコ市で3月16日から22日にかけて開かれた第4回世界水フォーラムの閣僚宣言で、飲料水へのアクセスという原則が人権(普遍的で、不可分で、奪うことのできないもの)のひとつであると認めさせないことに成功した。(IPSコラムニスト・サービス=ベリタ通信)
今回、彼らは世界中の市民社会組織を代表する数万人の人々の明確な要請に逆らうばかりでなく、すべての政治グループが署名した今年3月16日の欧州議会の決議に反対して、そうしたのだ。
米国の代表は皮肉な言い方をした。「水へのアクセスが人権? 確かに、金さえ払えばね」
彼らが拒否したことは、3年ごとに開かれる世界水フォーラムの組織者である世界水会議が、世界の水を支配する少数のグループの言いなりになり、世界最大の水関連の二つの多国籍企業とフランス政府からなるフランスの水関連の圧力団体の要請の所産に過ぎないことを確認するもだ。
世界銀行もこの少数の支配グループの一部であり、環境担当の副総裁は1996年の水会議の最初の会長であった。また、水関連の産業に大きな利害関係を持つカナダ、日本、オランダ、エジプト、オーストラリアの各政府も含まれる。国連の中にユネスコ、食糧農業機関、国連開発計画、国際気象機関といった機関があり、国連機関や多国籍企業が進めている活動からの資金に頼っているさまざまな科学団体や専門家がいる。
世界水会議はマルセイユに本部がある民間組織で、フランスの法律のもとにある。フランスと英国の私企業の代表が理事会の重要な地位を占めてきた。現在の会長であるロイ・フォーションは 2005年以来、Groupe des Eaux de Marseilleの社長である。同社は私企業で、その資本金はビベンディとスエズ(それぞれ水関連産業でトップと2番目)が折半している。
フォーションがなぜメキシコ市で、水が公的な物か私的な物なのか、管理・制御などというのは誤った問題のたて方で、真の問題は、水を効率的、経済的な方法で提供することであると語り、管理が私的部門であろうと公的部門であろうと、結果や目的、組織手法で違いはないかのように述べたのかは分かりやすいことだ。
4億5000万人を代表する欧州議会の提案を考慮に入れるために、世界の水政策についての分析と議論の有力な場所になろうとした民間組織を拒否したことは、現在の多数派である支配的なグループの民主的文化の性質を雄弁に物語る。
しかしながら、拒否した事実は世界水会議がいずれ消えていくことの始まりを示すものだと思う。今後、この組織は明らかに正当性を失うであろう。事実、欧州議会は決議において、メキシコのフォーラムで取り上げられた唯一の提案を示した。その提案とは、世界の水政策の決定と実行の調整は、水の分野で活動している24の国連機関の仕事の調整を保証する新しい国連機関に委託されるべきであるというものである。この機関は世界水会議が過去10年間担ってきた役割を引き受けることになる。
水の民営化、水サービスの自由化、公益の民営化を支持する風潮が弱まってきたいま、社会正義と真の民主主義の基礎として、すべての人々の生存権の原則が新しい世界の水政策の使命となるべき時である。
欧州議会はこの新しい政策の提唱者となり、水政策の内容の変更と、官僚的でなく、市民社会世界や以前から存在する国際的議会組織(欧州議会、汎アフリカ議会、ラテンアメリカ議会、インド議会)と結びついたものになるであろう新しい水機関の創設で、世界の共有の公共物としての水の保全と水への人権に基づいて、世界経済の発展への貢献の二つの柱を打ち立てることができる。
この世界水機関は世界人権宣言60周年の2008年に水と人権の重要なつながりを強調するために初めて会議を開く。市場から戻り、人間社会の運命を左右する力に資金を提供するべき時である。
*リッカルド・ペトレラ 水契約国際委員会(International Committee for the *World Water Contract)事務局長
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