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2006年07月17日10時56分掲載
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日米同盟一点張りでアジア外交への具体策なし 小泉首相への不安 池田龍夫(ジャーナリスト)
小泉純一郎首相最後の日米首脳会談が6月29日(日本時間同日深夜)、ホワイトハウスで行われ、「21世紀の新しい日米同盟」と題する共同文書が発表された。「60年前、我々は戦争をしていたが、自由と民主主義は敵を同盟国に変え、世界を変えることができる。首相はそれを理解しており、信念に基づいて行動している。勇気を持って国を率いた」とブッシュ大統領が共同会見で讃え、小泉首相は「過去5年間、心の通う友情が培われた。会談では世界の中の日米同盟を再確認できた。在日米軍再編問題で抑止力の維持、基地負担の軽減で画期的な合意ができた。テロ、イラク、北朝鮮などの問題に共通の認識のもとに協力できるという話をした」と応じて日米�猝�月�瓩屬蠅魃藹个靴拭�
「日米の安全保障協力は、弾道ミサイル防衛協力や日本における有事法制の整備によって、深化してきた。両首脳は、2005年2月の共通戦略目標の策定や、日米同盟の将来に向けて変革する諸合意が行われたことを歓迎した。米軍及び自衛隊の過去数十年間で最も重要な再編をはじめとして、これらの合意は歴史的な前進であり、米軍のプレゼンスをより持続的かつ効果的にするものである。……これらの合意の完全かつ迅速な実施が、日米両国にとってのみならず、アジア太平洋地域の平和と安定にとっても必要であることについても一致した」と、日米同盟を美化するPR文書ともいえる�犲�画自賛�瓩暴�始している。 「米軍と自衛隊の軍事一体化」を目論んだ�犧瀑�米軍再編�瓩烹儀酲�サインし、それを手土産に訪米した小泉首相を大歓迎する米国の外交戦略はしたたかだ。BSE問題で揺れた米国産牛肉輸入再開も急きょ決定し、別の土産も用意したのだから、米国政府が国賓並みで遇するはずだ。小泉首相の懇請を受け、エルビス・プレスリーの大邸宅・グレースランドにまでブッシュ大統領自らが専用機で案内したのも異例である。そこで�猝擬抖い砲呂靴磴悪畆鸛蠅了僂鬟謄譽咾埜�て、慄然とさせられた。そして、米国の掌(手のひら)で操られる日本の姿を世界にさらす恥ずかしさに赤面したのである。
「両首脳は、強固な日米協力が、中国の活力を生かし、北東アジアの平和と安寧の維持に資することを確認した。……また、両首脳は、北朝鮮に対し、2005年9月の6者協議での共同声明における非核化の誓約を履行し、ミサイル実験モラトリアムを引き続き順守するよう呼びかけた。両首脳は、域内の孤立した政権が、人権と包括的な政治対話を含む民主主義の原則を尊重することが必要であるむね話し合った」とも共同文書は強調しているが、日本のアジア外交は完全に手詰まり状態であり、中国・韓国との関係修復への具体策が全く書き込まれていない。「日米同盟が強固なら、アジア各国とはいずれ協調できるはずだ」と小泉首相が言ったところで、靖国問題・竹島問題・東シナ海ガス田開発問題などの難問はこじれるばかり。日米同盟一点張りの外交戦略が破綻しているのに、小泉首相の能天気は許しがたい。
マリキ・イラク新政権誕生(5・20)後も反政府ゲリラ活動は一向に収まらず、イスラエル情勢、イラン情勢も新たな火種の危険をはらむ。さらに北朝鮮は日米首脳会談後の米国独立記念日(7・4)に照準を合わせたようにミサイル発射実験を強行して世界を震撼させた。�狷鬱い縫廛譽好蝓爾硫里鮓�ずさんで悦に入る�畆鸛蠅帽颪量娠燭鯊�せるか、不安感が募る。
「日本は『世界の中の日米同盟』をキーワードに、米国との同盟を強化することでユーラシアの新たなダイナミズムに向き合おうとしているかにみえる。小泉外交のレトリックでいけば、『日米同盟が強固であればあるほどアジアとの関係にも良好』となるのだが、米国の抑止力だけを頼りに中国、アジアと向き合うという認識は大きく時代潮流を踏み外しているといわざるをえない。何よりもアジアは日米同盟だけを頼りとする日本をリーダーとして敬愛しないし、『戦略的パートナー』だろうが『戦略的競争者』だろうが、米国も中国を意識したアジア外交を模索しており、『日米同盟も大切だが中国との関係も重要』という相対的ゲームに変わりつつある。イラク戦争を転機として米国の『全能の幻想』『無謬性の神話』が崩れていく中で、米軍の世界戦略と一体化させる同盟強化を選択することは不必要なリスクとコストを抱え込むことになりかねない。熟慮の時である」 寺島実郎氏が『世界』8月号に寄稿した「脱9・11の時代に向けて」が的を射た指摘だったので、その一部を紹介させてもらった。
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